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質問箱023:ネームの練習方法

※Twitterの質問箱に寄せられた質問を、別途アーカイブしておきます。また随時、加筆修正を加えていきます。

【質問】


【解答】

①漫画の絵は記号?

これはなかなか難しい問題なのですが。絵がめちゃくちゃ上手い人は美大など多数いらっしゃいますが、ストーリーが面白い人はそんなにいない、という現実があります。そしてプロの漫画家でも、絵が上手いから売れた人よりも、話が面白いから売れた人が、圧倒的多数ではないでしょうか?

そもそも絵の上手さの基準って、曖昧ですからね。どうも写実的な絵を上手いと、評価する面がありますが。手塚治虫先生は、自分の漫画の絵は記号だとおっしゃっています。また高畑勲監督は、絵で感情を表現できないとおっしゃっています。これはいったい、どういう意味でしょうか?

②演出と構成と展開

若き日の宮崎駿監督は、高畑勲監督のこの理論に反発したそうです。高畑勲監督は、絵が描けない方でしたから、この反発は当然でしょうね。しかし実際に、アニメの演出において、その理論の正しさを示され、納得したとか。MANZEMI講座も、手塚先生や高畑監督の考えにかなり近いです。

ネームが上手くなるためには、これだけやっておけばいいということはなく。コマ割りの文法とは何か? コマ割りの背後にある、演出とはいったい何なのか? 演出を導く立ったキャラクターとは何なのか? キャラクターたちが動く場としてのストーリーとは何か? 総合的に学ぶ必要があります。

③絵が描ける小説家

同業者も天才と認める、あるベテラン作家さんは「漫画なんて学校で学ばなくても、ちばてつや先生の漫画を真剣に読めば、自然にわかるじゃないか」とおっしゃいます。プロになってしまう人というのは、それぐらいのセンスと吸収力がある人ですから。それがない人は、いろんなことを学ぶしかありません。

小説家が文字でストーリーを表現するように、漫画家は文字と絵でストーリーを表現する人と呼べそうです。アニメーターは絵と動きと声優の声と音響でストーリーを表現する人。映画監督は役者と演出とカメラワークと音響でストーリーを表現する人。表現の手段が違うだけで、本質は似ています。

もし興味があれば、MANZEMI講座に参加してみてください。手塚先生や高畑勲監督の言葉の答えが、見つかるかもしれませんよ? と、宣伝をしておきます。2024年7月7日より、ネーム講座第23期がスタートです。


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