ちんあなご

ここでは主に映画や舞台、ドラマの長文感想を。 雑多なつぶやきはTwitter→@chinanago5296

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最近の記事

映画『朝が来る』

「朝が来る」を観てきた。 原作未読。 この映画が気になった理由は、私の職業に起因している。 私は産婦人科病棟に勤務する助産師だ。 最近、妊娠中から特別養子縁組に出すことを決めていた妊婦さんがいた。 もちろん事情は映画とは違うけれど。 無事に分娩を終え、養親さんのもとへ引き取られて行った。 どこの産科もそうだと思うけれど、若年、生活保護、社会的ハイリスクがとめどなく分娩に来る。(助産施設でなければ生活保護受給者は来ませんが) 思うことは一つ。 生まれてくる子がちゃんと大人にな

    • 映画『カランコエの花』

      『カランコエの花』を観た。 この作品を知ったきっかけは職場の先輩からのオススメ。 DVDと台本を渡されて、まずは本編、そのあとコメンタリー、そのあと台本、そのあともう一回本編観て、と指示を受け、「え。無理…」と思ったけど、このくらいの時間なら出来なくもないか、と思った。 まさか30分ちょっとの作品だとは思わなかったから。 まずはざっとあらすじ。 高校のとあるクラスが舞台。 授業が急遽自習になり、養護教諭がLGBTの授業を始めた。 その授業が自分のクラスだけしか行われていなか

      • 37Seconds

        37セカンズを観た。 この映画もまた、観ながらグサグサと心に色んなものを突き刺してくれた。 以下ネタバレ含む感想です。ずいぶんと長くなってしまいました。 わたしの仕事は、命を産み出す母と生まれようとしてくる赤ちゃんとそれを支える家族のお手伝いをすること。 だから、タイトルの意味が生まれた時に37秒呼吸が止まっていたことによって脳性麻痺となった女性のことと知り、この映画に強く興味を持った。 興味という言葉が正しいかどうかわからないけど、観なければ、と思った。 主人公のユマは

        • 誰にも知られず死ぬ朝 2回目 これは究極のラブストーリーだった

          Twitter過去記事の転載。 2度目の観劇。 観る席が前回と真逆でした。 今回の席を向いて芝居するシーンも結構あったので、役者さんの表情がより明確になり、気持ちがより動いた感じでした。 基樹が放り投げた良嗣の遺書を持ってりっちゃんが息子を叱責するシーン。 まさか基樹が泣いてるなんて思いもしませんでした。 もしかしたら、母親のりっちゃんが泣いていたのかもしれません。 大切な歩美さんをあんな風に言われて。 大切な息子にあんな発言をされて。 悔しくて悲しかったの

          誰にも知られず死ぬ朝

          劇団た組。『誰にも知られず死ぬ朝』初見感想。Twitter過去記事の転載。 ずっと考えてて。 藤原季節さんが出演にあたってのコメントで言っていた「僕の役は一筋の希望」という言葉。 ずっとわからなくて。 だって死んでしまうから。 「死にたい」とフリでも自殺までしかけたりっちゃん。 そんなりっちゃんが歩美さんと話すことで元気になって、結婚して生まれたのが基樹。 りっちゃんが救わなければ生まれてこなかったかもしれない命なんだとしたら、それはやっぱり歩美さんにとっての

          誰にも知られず死ぬ朝

          映画his なぜ渚は別れを選んだのか

          Twitterにアップした過去記事です。 寝ても醒めても…って言ったらオーバーだけれど、ふとした瞬間にはhisのこと考えちゃうくらいにはhisが好きで仕方なくて困ってます。 最近、いくら考えてもどうしてもわからなかった問いがずっとあって、 それは、なぜ渚は迅に別れを告げたんだろうってこと。 「2人でいても未来が見えない」とか「2人の未来を考えた時、怖くなって逃げた」とか色々言われていたけれど、どれも府に落ちなくて。 あんなに求め合ってた2人なのにどうして?って。

          映画his なぜ渚は別れを選んだのか

          映画his

          Twitterのふせったーに投稿した過去記事。noteを登録したのでこちらに転載。 自分にとって良い映画を観ると、その映画のどこが素晴らしかったのかを人に伝えたくなるし、分かち合いたくなる。 でも上手に言葉にできなくて、想いを文章にして残すことで気持ちを落ち着かせている。 映画を観て数日。日々、頭の中でhisのことを考えている。 映画は心の深くに響いたし、感動なんて安っぽい言葉じゃなくこの気持ちを誰かと分かち合いたいと思うくらいに泣いたけど、わたしはこの映画のどこ