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若手コピーライターが先輩に勝つ「アイデアの出しかた」
「ああ、なんて私はコピーの才能がないんだろう」
新人だった頃の私は、落ち込んでいた記憶しかありません。
コピーライターになりたくて広告会社に入ったわりに、面白いアイデアなんて出せないし、何をやってもどんくさい。給料泥棒って私のことかも・・。
先輩方がとてもキラキラとかっこよく見えて、早く私も追いつきたい、早く人の役に立てるようになりたいと、毎日とても必死でした。
そんな私が、15年後のいま。不思議なことに、コピーライターとして独立。毎日のようにコピーの海をもがき、それで食べていっている状況です。
今思い返せば、新人時代の私はコピーの書き方、アイデアの出し方を、まったく知りませんでした。もちろん自分なりに本を読んだりしたこともあったけれど、机上の空論が溜まっていくばかり。実務にどう役立てればいいのか、チンプンカンプンでした。
今回は15年前の私のような、コピーライターの若手の方や、アイデアや企画を出す仕事をしている人に向けて「先輩コピーライターに勝つ”アイデアの出しかた”」を書いてみたいなと思います。
才能ゼロだった私が、コピーライターとして生き残っているのは、これを15年繰り返しているから。今や先輩となった私が、これを実践している若手に会ったら、ちょっと脅威に感じます。
1)いっぱいアイデアを出すとなぜ良い?
若手の方にまずおすすめなのは、「いいアイデア」より「たくさんアイデア」を出すことに注力すること。
私はひとつの商品につき、最低でも70案、多いときでは250案くらいのコピーのアイデアを出します。案出しの打ち合わせで、私より多く持ってくる人にはめったに会ったことがありません。
それを言うと「ハイハイ、根性論ね」と思うかたもいるかもしれません。でもね、ちょっと待って!たくさんアイデアを出すって、実は意外なメリットが隠れているんですよ。新人はとくに。
なぜ、アイデアをたくさん出す人は有利なのでしょう?
●仕事への「姿勢」が伝わる
私が新入社員だったころ、ある広告界で有名な方と、広告をつくらせていただく機会がありました。
チームには他にも数名の先輩コピーライターがいて、新人で経験の浅い私のコピーなんて、打ち合わせで前座的に披露するのがやっとのこと(笑)
でも私はアイデアの数だけは、先輩に負けたくないと思いました。
トータルで200案近く出した結果、やっぱり私のコピーは採用されることはなくて落ち込みました。でも、
「とにかくたくさん案を出す若いヤツ」
と言う印象はついたよう。
先輩からも「きみは本当に頑張ったね〜」と言ってもらえ、なんと次の仕事の機会にも呼んでもらうことができたんです。
大して褒められたコピーが書けたわけではなかったので、その時は不思議でした。でもだんだんと私も経験を積むにつれ、その理由がわかってきました。
若手にアイデアを出してもらうとき、実はそんなに案の”質”には期待していません。そこで見たいのは”取り組む姿勢”だったんです。
アイデアをたくさん持ってくるだけで、仕事へ真剣に向き合いたい、先輩に貢献したい、という姿勢が伝わります。その時に採用されることはなくても、次の仕事への印象にそれは大きく関わっています。
若手が今すぐに、先輩より上手なコピーを書くのは難しいです。
でも「多くアイデアを出す」ことであれば、今からできるはず。
できることを全力でやっているだけで、新人は100点。採用されたらそれはボーナスくらいに思っておいた方が良いです。
全力で挑んでくれたかどうかは、出してきた案から、確実に伝わります。
●先輩が気づかない視点を与えられる
コピーが採用されなくとも、若手の視点は、先輩に”新たな視点”を与えてくれます。
この間も、新聞広告で商品をステキに見せる方法を探していて、パッと20代の子から出てきたアイデアが、
「ワークマンみたいに機能とカッコよさを同時に見せること」でした。
ワークマンといえば、ジャケットの中に扇風機が入っているなど、機能的な労働着や作業着で有名なブランドです。
そこが最近、若者向けに「カッコよさ」をアピールするファッションショーをして、イメージチェンジに成功しているんだとか。
「よし、これを真似して今までダサかった商品にカッコよさを与えてみよう」彼の意見をもとに、スタイリッシュな男性モデルと衣装で新たな広告をつくることになりました。
そうして試したところ、大成功。
先輩である私も、こうしたアイデアに負けないように、もっと市場を注意深く観察しようとかえって刺激になりました。
やっぱり年代や性別や生活環境が違うと、些細なところにアイデアの違いが見えておもしろい。
採用されなかったとしても、若手のアイデアから「この方向は違うね」と気づかされることもあります。違う方向がわかることもまた、チームにとっては立派な前進です。
●出せばどんどん出るようになる
アイデアを出すことと、筋トレはとっても似ています。
初めは「苦手だなぁ」と思っていても、やってみると、徐々にできるようになってくるんです。
私も最初は10案を出すのがやっとでした。10案書いて、書けた10案をそのまま先輩に見せていました。
しかし100案書けると、そのうちの珠玉の10案を選んで見せることができます。コピーの精度はおのずと上がります。(もちろん若手だったら、100案そのまま見せてもOKです)
「下手な鉄砲数うちゃ当たる」ならぬ、「下手なアイデア数だしゃ当たる」です。
200案書いて採用されなかったとしても、競合コンペに負けたとしても、その考えた経験や思考は蓄積されていきます。「なぜこの案がダメだったのか」考えるきっかけにもなります。そうして必ずや、次の仕事に生きてきます。
私は今でも「成長できたな」と思う仕事を振り返ると、自分の頭をたくさん使って考えた仕事ばかりです。
ここからはコピーのアイデアを出す具体的な方法を書いています。「今すぐ書ける!コピーライターの企業秘密ワザ」マガジンご購読の方は、毎月480円で4〜5本の記事が読めます。初月は無料です。
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