きみが聞かなかった全部の話 / 2020年2月
1日
小池真理子『一角獣』を読んだ。小池真理子さんは恋愛小説のひと、というイメージがつよくあり(ミステリやホラーなどでも著名なことをいま知った)、わたしは恋愛小説をそれほど好んで読まないので手に取ったことがなかった。ふだん行かない街の、たまたま寄った古書店で目についたから買っただけだった。
一節読んで、閉じて、胸に抱くほど好きだった。
思わぬところにじぶんのかたちをみつけると、わたしの世界はぜんぜんまだ狭かったんだなと気づく。これまで生きて来たことを肯定されたような気持にな