見出し画像

環境管理物質の流れ(1)

環境管理物質と言う概念が具体的に始まったのが、
1991年3月、ヨーロッパ経済委員会(EEC)で廃電池指令(91/157/EEC)が制定され、
廃電池に対する全体的な取り組みが始まりました。
これは廃棄物処理工程に重金属が流れ込むのを防ぐのが目的であり、
非常に限定された種類の電池が対象でありました。

当時、製造業は全ての製品にこれが広がるとは考えてもいません。

なぜなら、当時は代替え品が無かったからです。

1993年にEECは上述の廃電池指令を補完する目的で93/86/EEC を制定しました。
これは 91/157/EEC 対象廃電池に対して、1996年以降上市分の含有重金属
および廃棄方法に関するラベル表示を規定しました。
1998年には廃電池対策で先行していたオーストリア、フィンランド
およびスウェーデンなどの要請を受け、廃電池指令は改定しました(98/101/EC)。
この指令では規制対象となる電池の種類が拡大され、
水銀に関する規制も厳しくなりました。

参考
EC指令98/101/EC
従来の規制対象であった「25ppm を超えるカドミウム含有電池」
および「400ppmを超える鉛含有電池」に加えて、
0.5ppmを超える水銀を含有する全ての電池
(蓄電池や製品の一部となっている電池を含む)」が対象で、
ただし水銀含有率2ppm 未満のボタンセル電池をのぞく。


この後、さらに規制は強化され、現在に至ります。

重要なのは、重金属の規制はとても緩かったのです。

そして、この概念が基本になり、
1992年、「リオの地球環境サミット」で「アジェンダ 21」が採択されました。
「環境問題の地球規模の取り組みを行うこと」
「有害且つ危険な製品の不法な国際取引の防止を含む有害化学物質の環境上適正な管理」
を2008年までに各国は行うと規定されました。

これを受けて、RoHS指令とWEEE指令につながり、この家電から、ELV指令の自動車へと範囲を拡大し続け、現在のグリーン調達へと繋がります。



いいなと思ったら応援しよう!