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管理者の持つべき技術                                    スキル取得にかかる年数

自分は上司からもう教えることはないから、 
いつでも会社を辞めても良いと言わるまで、 
十年かかりました。 
役職的には次長で、平社員から、班長、係長、課長の次の役職です。 
つまり、上司から見て完全に独り立ち出来て、 
きちんと部下を育てられ、さらにその部下が 
その下の部下を育てられると判断されるまでの期間が十年です。 
その間、上司だった先輩は課長から専務にまでなっていました。 

この様に、人を育てられる人を育てると言うのは、
沢山の労力と時間が必要です。

一つ一つの技術も大切ですが、その技術から得た知識を
知恵として、俯瞰して見て組み合わせて、
使うのはとても時間がかかるものです。

簡単な例をあげましょう。
新入社員が名刺の渡し方と言うスキルを修得するのに
何日かかると思いますか?

一日ですか?
一週間ですか?
一ヶ月ですか?

一日で身に付くとお思いの方にお伺いいたします。
顧客との初めて一人で名刺交換をする場合、
見た目は若い人で、相手の役職が不明の場合、
自分の名刺は相手の名刺の
①上に出す。
②下に出す。
③右に出す。
④左に出す。
どれが正解だと思いますか?
利益の出るビジネスマナーを考えてお答えください。
たぶん、一日で出来ると思っている方では正解はわからないと思います。
相手の役職がわからない場合、基本は同じ高さで、④左に出します。
そして相手が受け取るまで待ち、両手で受け取ります。
当然、自分の名前役職なども声掛けして、
名刺入れか胸ポケットにしまいます。
分かれてから、名刺に書いていない、役職や、受け取った日付、場所、
その人の特徴なども名刺に書いておくことも大事です。
これだけの事が一日で修得できますか?

同様に、一週間で身に付くとお思いの方にお伺いいたします。
顧客のパーティーに一人で参加して、数人、三人としておきましょう。
三人と名刺交換をしなければなりません。
顧客のパーティーなので、顧客の上の顧客もいますし、
同業者もいますし、協力会社もいます。
年齢もバラバラです。
さぁ、どの人から名刺交換を始めますか?
また、名刺はどのように出しますか?
たぶん、一週間で出来ると思っている方では正解はわかないと思います。
パーティーに参加するスキルも必要ですし、
人をみる目も必要です。

一か月でもこのような対応は難しいと思います。
実際は半年ぐらいはかかると思いますし、
その間に、気配り、目配り、耳配りが出来ないと
特にパーティーの名刺交換は難しいと思います。

パーティーに呼ばれ、部屋に入ったら、見知った人を探します。
いない場合は、よく観察して、顧客の関係者を探します。
そこから、紹介してもらうのが早道ですが、
見知った人もいない場合は、どうしますか?
相手が顧客か、顧客の顧客か、同業者か、協力会社か、
わからないのに名刺交換をしなければなりません。

一週間の研修や訓練でこの対応が出来ると思いますか?
ただ、名刺を渡せばよいのではなく、
これから商売につながる名刺交換です。

ビジネススキルの一つ一つはたいして
難しくないと思う方も多いですが、
そのスキルを身に付け、利益が出せるまでに進化させるのは
簡単ではありません。

以前から、記事にしていますが知識はお金で買えます。
わからければネットや本で調べればよいのです。
複合した場合、ネットや本にも対処法はありません。

あれば、それを調べて自慢してください。

前回の記事にもありますが、
部下のミスなどは典型的な複合案件です。
一つのスキルでは解決できません。
知識では解決できないので知恵が必要です。

複数のスキルを活かしながら、色々なことに対応するには
最低でも三年は必要だと思います。
役職的には班長クラスまでの教育期間です。
教える、指導する側のスキルにもよりますが、
係長クラスまでは五年はかかると思います。

やはり、人を育てられる人を育てるには
十年は必要です。

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関連記事:
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管理者の心得(6)   

参考記事:
タスク管理(3)あるいは「流氓の小さな夢」   
世の中は理不尽で満ちている          


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