中岡慎太郎の日記 元治元年皐月十七
元治元年皐月十七
十三日に古高俊太郎の枡屋で、山本頼蔵と面談した折、
薩摩の中村半次郎が尊王倒幕に熱い思いを持っていると聞き、
武市にこれからの土佐の行く末は、尊王倒幕しかない。
土佐に帰る山本四郎にその旨の手紙を託し、
その返事が届いたら、三田尻に送ってもらうように、
長州藩手に頼み行き、中村半次郎が薩摩藩邸にいるらしいと言われ、
薩摩藩邸に行く途中、新選組に誰何される。
以前にも会ったことがある、芋侍だ。
次節も世の動きも何もわからない。
新選組は馬鹿の集まりなのか?
龍馬は、同門の山南と言う男が新選組に居ると言い、
何時かは、飲んで話したいと言っていたが、
この次節、無理だと思う。
明日には、京都を発って、三田尻に行かなければ、
そう思うと、新選組もめんどくさい。
やっていることは、時代に逆行していることに気が付かないのか、
芋侍にかまってはいられない。
自分のやることをやろう。