アナログアシスタント時代のハナシ:3「若い子を潰そうとする40歳漫画家志望男」編
ちなみに私が使う写真は自前です( ´艸`)このパンも自分で焼いたの。
今回のテーマは、投稿作を描かない下手なままの男の漫画家志望
私は絵柄的にも技術的にも女性作家さんのところでの仕事が多く
男性作家さんの仕事は片手に数えるくらいしか行ったことがない。
でも、女性作家さんの仕事場に時々流れてくる40過ぎた男性アシスタント。
これが何故かイラつく存在で、何人かいるようだ。
私は偶然にも3人の先生の仕事場でこいつに出会っている。
40歳も過ぎているので業界も長いので、訳知り顔で何故か上から目線。
でも、あんまり上手くない・・・飛びぬけて描けるわけでもないし
別にすごい技術があるわけでもない。普通に作業がこなせるだけ。
で、仕事場に若い女の子の投稿者がきたりすると業界の事は何でも知っていると言わんばかりの偉そうな口調で、その若い投稿者を潰そうとするんだよね…
その若い投稿者の女の子は、年齢は二十歳くらい、上京したてでお友達数人と同居してH出版社に投稿中。担当もついて、何度か入選していてデビューの一歩手前の賞に二度入選している。
絵柄もかわいくてうまいし、本人には言わなかったけど(担当さんの立場や指導方法もあるだろうから)たぶん次回作あたりでデビューさせるつもりなんだろうなってくらいの子で、編集部から少し単発のアシスタント経験して仕事場を勉強するのもいいねって、言われているようだった。(レギュラーアシになるようには言われてない)
そこで40過ぎのプロ志望アシの登場よ・・・
その子が投稿している出版社の原稿料の安さを指摘して
デビューしても食べていけないだの、編集が悪いだの語りだすわけ。
下手すりゃ投稿自体が無駄で漫画家になる意味なんかないとすら言い出す始末で、若い子なので本気でこれを鵜呑みにしようとしてしまいそうなわけ。
実は私のレギュラーアシスタント先に、ちょうど半年前に
そこの出版社の同じ雑誌でデビューした子がいたのだ。(今も現役の人気作家です)
なので「昔はそうだったみたいだけど、今は原稿料はどこも一緒だよ。一社だけ高いところもあるけど、大手は全部同じだからさ、このまま頑張って今の作品仕上げて!」となんとか、この40男の邪魔な意見を退けようとするとオレの情報は正しいと一点張りなので、いつの情報なのか問いただすと、私でさえも活躍期間を知らないようなほぼ引退されている大御所の先生の話や、すでに鬼籍に入っているような作家さんからの話で、アシスタントに行ったのが20年近く前という、古すぎる情報。(単行本は古書でも探せないくらい)
オッサンなので10年前もついこの間・・・になっちゃってるだけなのだ。
「私の友人はそこで半年前にデビューしたてです!担当は〇〇さんで、今3作目を描いている最中です!」というと、若い投稿者の子が、私の友人のデビュー作を見ていた上に担当が同じだという事が判明して、私の意見に安心しているわけですよ。
他にもことごとく偉そうなことを言うので、しまいには頭にきて
「そこまで言うなら、ご自分は投稿作描いてらっしゃるんですか?」と切り込むと
「まぁ…描かなくちゃいけないとは思うんですけどね…」と引き下がり
ようやく黙らせることに成功したわけ。←あとでみんなに褒められた
他のアシスタント仲間にいうと、どうもこの40男はレディコミの先生のところで重宝されていて、その先生のところでは勤まっても他の男の先生には技術のなさで雇ってもらえず、自分がベテランで高技術があると思い込んでいるのでやたら自分を高評価して売り込んでいるので、期待して呼ばれるけど、呼んでみると大したことがないので2度目は呼ばれず…を10年以上くりかえしているんだそうな。
レギュラーだったレディコミが廃刊して先生の仕事が激減して、収入先を失ってあちこちにアシスタントに行っているわりには下手なので、どこにも雇ってもらえずに、こうやって若い子を潰そうとしている訳だ。
自分がやってないから、不安や自責があって、実際にやっている人が目障りなんだと思うのよね。漫画家目指していると言いながら一作も描いたことがないままの自分を肯定するために、もはや自分の娘でもおかしくない子を潰さないと自分が耐えられないんだろうね。
こういう奴・・・・一人や二人じゃないんだよ(つд⊂)
つづく