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完璧至上主義
わたしはかつて完璧主義な傾向にあった。
【完璧主義】
物事に不十分な部分があることを許さず、不足や欠乏のない状態であることを求める考え方や性格などを指す表現。妥協を許さないさま、ほどほどの加減を知らないさま。
(実用日本語表現辞典より)
理由の一つとして、両親もその傾向にあったことも挙げられると思う。テストで80点とかの時でも100点じゃないからって言われたことがある。(そんなにめちゃくちゃ厳しい感じではない)
あとはコップを倒したりなにか失敗した時に大罪を犯したかのように怒鳴られたりした気がする(今でもコップ倒したりお茶をこぼすのでそれは気をつけた方がいい)。とにかく失敗してはいけないという意識が強かった。だから何をやるにしても無駄がないように完璧にやらなければと当時のわたしは思っていた。
完璧主義という言葉はとても聞こえがいい。聞こえがいいというと、わたしがあまりいい印象を抱いていないように聞こえるが、悪い面ばかりではなくむしろ長所だと思う。
最後まで責任を持ってやり遂げる人。何かに取り掛かる上で妥協することなく、細かいところまできっちりやる人。リーダーとかグループに1人いれば、心強い気と思う。
しかし、それが故、なかなか物事が進まない気もする。妥協を許さないが故、融通が効かない。失敗を恐れて計画の段階のまま、なかなか行動に移せない。目標が高いため、何に取り組んでも達成感や満足感が得られづらい。同じレベルを他人に強要してしまう人もいるかもしれない。
この「完璧主義」という性質を題材に書きたいなと思ったきっかけは、ここ数年、わたしはその傾向が薄くなってきたような気がしているので、その理由がなんなのか気になったからだ。
一番に思いつくのは何か新しいことを始める上で邪魔になったのが原因だと思う。
何年か前、就職活動などをし始めた頃は行動して意味がなかったら嫌だから、考えるだけで終わっていた。メリットがないと行動したくなかったからだ。しかし、自分の今までの経験を踏まえたり、じゃあどうしたいのかという自分の気持ちを考えてみても、結局、想像できる範囲を脱しなくて何も前に進まなかった。
そこで思い出したのが、「過程を楽しめ」という留学先の社会学の授業で聞いたロシア人の先生の言葉だった。たぶん過程を楽しめとは直接的には言っていない。ただ、プレゼンテーションを作る時に「Enjoy!」って言っていた。当時のわたしは英語もわからんし、プレゼン嫌いだし誰が楽しめるかよ、けっ、と思っていた。
でも、言う通りにしてみるかと、プレゼンテーションに取り組むうちに考えが変わった。結果としてプレゼンをするという行為自体に変更はない。やらなきゃ成績に関わるし。それだったら過程はどうやろうとわたしの勝手ではないかと思った。結果、プレゼンがもしうまくいかなかったとしても、もしプレゼンを作るまでの過程が楽しかったら、わたしはそのプレゼンをやったことに対して満足するんじゃないかと。うまくいったらどっちも楽しめて万々歳だ。こう考えると、じゃあ過程を楽しんだ方がメリットが大きいと思った。
これを踏まえると、メリットがあるかわからないから、失敗したくないから行動しない、というのは逆に効率が悪いのではないかと思う。どっちにしろ就職はしないといけないのだから、最終的にやることは変わらない。
でも興味ないところを受けて無駄な交通費と時間を割きたくないし、知らない人と頑張って喋って疲れるのも嫌だ。選別して自分にとって意味のあるものだけ受けたい。でも募集要項やHPを見たってわからない。
そこで、わたしはいろいろ受けてみることにした。興味あるとこもないとこも。いろんな業界を見て、いろんな人の話を聞いて、それを楽しめれば行ったことも無駄にはならない。何か新しい発見とかこれは面白いな、やりたいなと思うものがあれば、結果その会社を受けなくても無駄にはならないなと思った。
未知なもの、新しいものは情報が少ないから取り組むまでになかなか勇気がいる。失敗する確率の方が高い。だから、やりたくてもなかなか行動するまで辿り着けない。
わたしは完璧主義の傾向があったから、やって失敗したり無駄だったと思ったりするのが嫌だった。でも行動して仮に失敗したとしても、自分が楽しかったらそれはいい時間として記憶に残る。
完璧に何かやろうとして何もしないより、そっちの方が意味があるなと思った。
今もたまにその傾向が出るから、まあそれはもともとの性質でいいかと思おう。(完璧に何かをしようとするだけで、完璧にできることは特にない)
結果を求めるよりたくさん回り道してその過程を楽しもうかな。
あの時の先生ありがとう。
ちなみに、肝心のプレゼンはアメリカ人のペアの子に任せて、一言二言しか喋ってない。