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足先が腫れ、じたばた
鹿児島も寒かった
2022年、鹿児島に12月としてはかつて無いほどの寒波が到来した。
桜島が初冠雪となった。
太陽の影になる桜島の西肌は、すこしコバルトがかった灰色の斜面に
白い雪がうっすらと積もり、冷たい美しさを見せている。
例年より20日ぐらい早いそうだ。
つま先に違和感が
その日を前後して、つま先に違和感があった。
布団に入って、つま先を天井にむけると、痛みが走る。
すこし痺れもあるように思う。
とはいえ、それも、長く続くわけでもなく、放置していた。
翌々日、痒みと痛みとしびれが横になっている時以外にも出るようになった。
その時、今は無き友人を偲ぶ会が近々執り行われるというメールが届いた。その友人は、糖尿病が悪化し、壊疽した足先を切断し、そして、それから弱って、心臓病で亡くなった。
若かった。
その友人を思い出したら、今度は同僚の親族が糖尿病でつま先を切断した話しも思い出した。
私は、糖尿病の気があり、狭心症でカテーテル手術を数度行っている。ステントが心臓にT字型に留まっている。現在の私は、血液検査などでは悪い数値は出ていない。とはいえ、12月になって少々過食気味で、体に悪いかなあと反省もしていた。
おそるおそる、つま先をみると、なんと腫れている。
腫れているだけではなくて、数カ所、赤くザクロ色のように変色もしている。
一挙に、不安になった。
ネットを検索しまくって、壊疽の初期症状や壊疽への対策、フットケアなどのサイトを見た。
深夜に騒いでみても始まらないと思って、翌朝、皮膚科の病院に行くことにした。とはいえ、足の切断の可能性や、その後の身体変化の可能性を考えると、直ぐには眠ることができなかった。
翌朝、行き慣れた病院が皮膚科の看板をおろしていたことにショックを受けつつも、webで検索して、近場の皮膚科に向かった。
病院で
何を言われるだろうかと思いつつ診察室に入った。
対応した女医は、
はい、靴下を脱いで下さい。
女医:「ん!」
「…これは、しもやけですね。」
私:「へっ!しもやけですか…。」
女医:「間違いありません。このところ寒くなって、しもやけの患者さんが
多いんですよ。今週も、もう、数人来られたかな……」
私:「この寒波で…。そうですか、しもやけですか、ちょっと安心しました」
女医:「もちろん、高齢化による血行の問題もあると思いますが」
私:「そういうことでしたか」
女医:「傷薬と、血行をよくする塗り薬をだしておきます。あとは、看護士に足のケアと薬をつかった対処方法を聞いておいて下さい」
私:「ありがとうございました」
その後、おそく出勤した私は、このいきさつを同僚に話した。
同僚:「しもやけだったら、私に聞けば一発でわかったのに。」
「しもやけ初めてですか?」
彼女は、元バレリーナ。
バレーの練習って、冬はきびしいんだろうなあ、とぼんやり想像。
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私 :「つま先がしもやけになるのは初めて。」
(いや、さすがに、足先がこうなって、と見せたりはしないだろう)
「子供の頃はよく耳がしもやけになってたんだけど。
足は初めて、あーびっくりした。」
……
と、いうことで、私のつま先の騒動は、それでおしまい。
足のケアを丁寧にご指導いただいた看護士さんありがとうございました。
体調管理に、後ろめたさがあってはならないという教訓。