拘束衣と抑制ミトンして前後不覚だったお話 | 脳みそ溶けてたんです
抑制衣(拘束衣)って着たことある方いますか?
アニメや漫画で見るような拘束衣のではなく、介護するの中で危ない動きをさせないためのものです。
脳梗塞で倒れた私は、約二週間もの間意識不明の状態に陥っていました。
そしてやっと目を覚ました時、脳がぼんやりしていて何が起こっているのか全然わからなかったんです。
気がつくと両手には「抑制ミトン」、体は拘束衣着てる上から腕をベッドに固定されていましたが、状況を理解できず。
自動計測される付けっぱなしの血圧計も、理解出来なければ30分起きにぎゅーと腕を絞ってくる痛くて怖いもの。
二週間の空白から戻ってきていきなり自分が動けない状況に置かれていたので、全てに戸惑うばかり。
「なにこの状態?」と頭の中でぼんやりと混乱して、動かせない体に怖くておののいていました。
*
ただそれは、必要な処置でした。
意識不明の間や意識が回復しても、朦朧として体を動かしたり、せん妄状態で点滴を抜こうとしたりしていたらしく、それを防ぐためにミトンと拘束衣を使っていた私を守るための措置だったのですが、、そんなことは理解できる脳みそではなかったんですね。
必要処置で拘束されてるなんて理解できないから、最初は動けないことがとにかく怖くて怖くて。
いや、ほんとにね、心底恐怖と混乱しかない。
で、怖いからどうにかこの状況を脱したいとまた暴れる。
だから拘束はとれないというスパイラルループ。
ただ、途中で気付いんです。
『暴れないで~!』と近くで女の人が言う声が聞こえるから、その声に従って大人しくしていて暴れなければ、何か状況は改善しそうだと。
『ちまめさん最近あばれなくて偉いねぇ』とまず腕の拘束が解かれ、その後に拘束ミトンが取れました。
頭がほんのちょっとクリアになるにつれて、「これは私の安全のために必要なことだったんだ」と何となく理解できて、より受け入れられて暴れなくなりました。
伸縮性がないため着心地最悪の拘束衣と、24時間定期測定のために右腕に常駐してる血圧計はなかなか取れず、それは長らく鬱陶しかったです。
*
意識不明から回復できたことは本当にありがたいことでしたが、それと同時に私は慎重なケアが必要でした。
抑制ミトンや拘束衣も常駐血圧測定も、その大切なケアの一部だったんです。
拘束されていた時間は自分を守るために欠かせないもので、医療スタッフが一生懸命に私の安全を考えてくれていたことに感謝の気持ちが湧いてきます。
けど、、
本当に怖かった!!
そしてせん妄状態のときのことけっこー覚えてるタチなので、普段は考えてはないですが、折に触れて、思い出しおののきしてる感じです。
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