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言葉に恋をし続けて #わたしの読むスタンス
繰り返し読んでいるはずの文章があるとき、まったく新たな意味を携えて目の前に現れることがある。その瞬間いつも一つ一つの言葉にはとんでも無く深い奥行きがあるんだということに気づくのだ。
同じ本でも読んだときの自分の状況によってそれはガラッと変わった印象になる。今まで見えてなかった景色が想像の世界に浮かび、今まで読めていなかった言葉を映し出す。前回とは違う場所に視点や光りが当てられて撮られた映画のように。ああいうときほど読後感がズッシリとくる。
もう出会って何年も経つのに。
文字は勝手に歩き出すことも動くこともない。しかし、その意味は刻々と変化する。私は、私の人生が確実に動いていることを好きな本から見つけ出すことが多い。
言葉は追いかけても飽くことがない。
本の世界の話だけではない。人からもらった言葉、大好きな歌の歌詞。その人の言葉や沈黙や行間からさえ、以前は見えてなかった意味を見出す瞬間がたくさんある。あの時に言葉にかぶせられていた悲しみも、秘められていた愛情も、考えていたよりもずっと自分を大切に思ってくれていたことにも、やっと今気がついた。そんな時さえある。
だからずっと言葉を追いかけている。
書くのだって読むのだって、本当は見えてなかった何かを見つけ出すって役割があるんだと思う。もしかしたら私たちはいつも何かが見えてないのかもしれないって思わせられるのだから。きっとほとんど見えてないっていうのが本当のとこだろう。そんな見えてないところにこそ、自分が探しているものも、探していることさえ気づけていないものも潜んでいる気がしている。
こんなに追いかけていたいと思うのはずっと、言葉だけ。
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