モートは環をなすKPIによって作られる
こんにちは。株式会社CHILLNN CEO兼CTOの永田と申します。
BASEの鶴岡さんがたまたま京都に来ており、ありがたいことにXでDMをいただき、お茶をさせていただいてきました。
僕は、普段は引きこもって開発しており、滅多に人に会わないので、たまに新しい人に会うと刺激が強すぎてnoteにまとめてしまいます。
たくさんの刺激的なお話を聞かせていただいたのですが、何よりも印象に残ったのは「創業11年目にあたる、現在行っているアクションは、創業2年目の段階ですでに決めていた」という話でした。
経営について
恥ずかしながら、自分は創業してから数年間、いわゆる経営はしていませんでした。明確に経営を意識するようになったのは、ここ1.5年くらいです。
事業を継続・拡大させていく中で、一つ一つの意思決定のインパクトも大きくなっていくのですが、そうなると、まだ規模が今よりも小さかった頃になんとなくしていた意思決定に苦しめられるようになります。
過去の意思決定は、今よりも経験もなく、事業への解像度が低い状態で行ったものなので、これは今考えれば至極当然のことです。
しかし、なにぶん経営は初めて。過去の自分はなぜこんな愚かな意思決定をしてしまったのだろうかと頭を抱えます。
遅すぎるながらも、意思決定の重要性に気づき、ちゃんと経営をしようともがき始めた当初は、今の自分ならかつてのように失敗はしないと、既存事業が伸びているにも関わらず、0から新しくプロダクトを再構築したいと考えていました。
色々なアイデアを構想するわけですが、頭の中でシミュレーションをすると、どこかで失敗にぶつかるわけです。そしてその度にアイデアを諦め、再び違うアイデアを探します。客観的に見れば、明らかに負のループに入っているのですが、当人だとなかなか気づけません。良いアイデアではないからこうなるのだと思い、新しいアイデアの種を探します。
こんなことを半年ほど続けていました。
そんなこんなを続けてもがいていると、ありがたいことにSTORESの佐藤さんから、お話ししませんかと連絡をいただきました。
佐藤さんにお会いして、そのタイミングで抱えていた技術的負債について相談したら、「事業なんてずっと伸び続けるわけではないから、合間を見つけて解消すればいいよ、モメンタムを失うことの方がよっぽど勿体無いと思う。」と言われました。
、、、スタンスが違いすぎてビビりました。
僕は目の前の問題から逃げ出そうとしているのに、佐藤さんは当然起こる問題として、いつ解決すべきかのタイミングの話をしている。
強烈に経営者としての弱さをメタ認知させられました。
恥ずかしすぎて、顔には出さなかったのですが、猛省し、インボイスの対応が必要だったこともあり、かなりの短期間で最も負債が顕著で、不可侵の神クラスと化していた決済基盤をフルリプレイスしました。
この強烈な体験の中で気付かされたのは、問題はアイデアにあったのではなく、自分がハンドリングすることのできる課題のサイズにあったということでした。気づいてしまったので、無理やり限界を引き上げるしかありませんでした。
この一連の経験は自分の経営感を覆しました。
これまで自分が思っていた経営とは、失敗しない意思決定のことでした。
しかし今は「過去の意思決定に筋を通すスキルと覚悟のこと」だと思っています。
どんな意思決定をしていたとしても、それを将来的に正解にできる覚悟があれば、行動することのみが正解になり、アクションのハードルは下がり続けます。いわば、自らのケツを拭うことのできる力さえあれば、なんだってできるわけです。
自分とレベルが違う経営者に会うたびに、当たり前のレベルの違いを感じさせられます。鶴岡さんの淡々とした語り口から、10年前の意思決定に筋を通す経営者の迫力が、ビシビシと伝わってきました。
目標の再設定
このような体験を通して、最近自分の目標が変わりました。これまで5年で100億円と言っていたのですが、30年で時価総額1兆円に切り替えました。
ちょうど先日のファーストリテイリングの決算で売上3兆の話が出ていましたが、傲慢なことにとても刺激をうけました。最近、自分と関わってくださる方々のスケールが大きすぎて、感覚がバグってきているのですが、この決算を見て自分も本気で目指したいなと思うようになりました。
経営が「自分の意思決定に筋を通し続けること」であるなら、経営から得ることのできる経験は、事業の継続年数が長くなるほど増えていくはずです。
自分は月12万円でも特に不満なく生きていけることは創業初期にわかっているので、自分が仕事に求めているものは少なくともお金ではありません。
魅力的な経営者に出会うたび、自分もできるならこの人たちと同じ視座で経営というものを探求していきたいという思いが溢れて止まらなくなってきました。
今回のタイトルの伏線回収になるのですが、自分の能力で、この時価総額を目指すために味方につけるべきは時間です。そして、時間を味方につけるために、自分が事業に必要だと考える条件は以下の二つです。
機能ではなく、複利で積み上がる資産をプロダクト価値の源泉とすること
ビジネスの成長を、環状構造をなすKPIでモデル化できること
1つ目は、ユーティリティをベースとした価値は、技術革新や制度の変化によって失われる可能性が高く、30年の耐用年数は期待できないと思っており、プロダクト自体に価値を生じさせるために必要だと思っている条件です。
2つ目は、1つ目で挙げた条件を満たすビジネスモデルなのかを判断するテスト項目として考えたものです。環をなすKPIならば「一つのKPIを達成すると、次のKPIがボトルネックになる」ということが無限に続き、市場キャップに到達するまで終わらない課題を生じさせることができます。このループを回すたびにプロダクトに価値が蓄積されていきます。
これは、つい最近定義し直したことですが、これまでに行ってきた事業との間に強い連続性を持っています。我ながらこれが経営か〜と妙に納得しています。
自分は、事業を通して観光業に従事しています。
旅が大好きです。
僕が思う旅とは、能動的にセレンディピティを作ることです。
ありがたいことに現在サービスを使ってくださっている皆さまを、もっとエンパワーメントできるよう事業を作っていきます。
大きな目標を掲げたとはいえ、やれることは今の自分たちの目の前にしかないので、コツコツと頑張っていきます。
そして、一緒に事業を作り上げてくれるエンジニアを絶賛募集しています!
現時点での技術力よりもマインドセットを重視しています。
少しでも興味持っていただけたら、ぜひDM等々いただけたら嬉しいです🙇
カジュアル面談させてください〜〜〜!!!