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“いいピザ”or仙豆

無性にマクドナルドを食べたくなる夜があると思う。

そんな時は特に、疲れている日かもしれない。

僕は1人で食事をするとき、
基本的に食べれたらなんでもいいというスタンスなので、ファストフードのお店に行くこともあるし、お弁当屋さんでお持ち帰りをすることがある。

何か、ご当地グルメを食べるために、
その地に足を運ぶということもあまりしない。

基本的に食べれたらいいというスタンスだ。
なので、早く仙豆を開発してほしいとまで思う。

仙豆とは、アニメ、ドラゴンボールに出てくる豆のことで、それを1粒食べると体力はみるみる回復し、1週間もの間、何も食べずに暮らしていける魔法の豆のことである。

玄関に仙豆の瓶を置いておき、
朝ごはんを食べる暇がないときは、
仙豆を両の手で貪り尽く。

仙豆30粒セットがAmazonで5.500円くらいで売られていたら買ってしまう。
いや、それだとコストパフォーマンスが良すぎるかもしれない。
30粒、3万円でも僕はすぐにカートに入れると思う。

前に、東京に旅行に行った時、
僕が大阪時代、バイトをしていたとんかつ屋さんでご飯を食べた時があった。

このことを大阪の友人に伝えると、
「東京まで行ってバイト先のご飯食べたん?
なんでなん?!」
と、言われたのを覚えている。

それくらい、食べれたらなんでもいいという僕のスタンスは6年前から今まで特に変わってはいない。
そこに、たまーに食べたくなる“いいピザ”が割り込んできたくらいで、どこに行こうがどこで食べても同じ味を食べてもいいじゃないか!と思う。

周りの友人の食へのストイックさを、
尊敬する日々が続いていた時期もあった。


そんな僕でも、
たまに、“いいピザ”を食べたくなる時がある。

特に何もない休日。
しかし、普段から“いいピザ”を食べるような暮らしや、お店に行かないので1人だと少しだけ怖気付いてしまう。

周りの客や、店員さんに、
小僧が1人でナイフとフォークを使ってピザを食べてやがる。なんて声が、聞こえてないにも関わらず、僕を震わせる。

“いいピザ”の定義は明確ではないが、
僕の思う“いいピザ”は、お店にピザ窯があり、
基本的にトマトソースだけで勝負をしているお店で提供されるものを指す。

1人でファストフード店や、
カウンターでご飯を食べることはできるのだが、
“いいピザ”のお店へはどうしても僕は、
1人で行けない。
見えない壁が、僕を通させなくする。

そういう性格がなぜか僕にはある。
なので、“いいピザ”を食べたい時は、
無理矢理にでも誰かを誘う。

また、“いいピザ”を食べる時に必ず頼むのが、
生ハムの前菜である。

“いいピザ”のお店で提供される生ハムは、
特段と美味しく感じる。

生ハムを食べながら、
ピザが運ばれてくるのを待つ。
そして、普段はあまり飲まないビールとやらを、イキって喉奥に流し込む。

そういう時間を“いいピザ”を食べるという名目で、
些細な食事の幸せを作り出している。

“いいピザ”、と自分が思えばそれは全て“いいピザ”に値するのだが、たまーに食べたくなる“いいピザ”のお店の候補を出しておくことが楽しい。

“いいピザ”の味の仙豆が販売された日には、
僕はどうしていいか分からない。

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