私的今年の漢字
日本漢字能力検定協会による「今年の漢字」は「令」と発表された。
個人的な意見ではあるが、天皇(現・上皇陛下)の生前退位など、日本の歴史の中でも今回の令和の改元は重要な出来事となることを考えると、他の法「令」遵守などのこじつけ臭を差し引いてもふさわしい字ではないだろうか。また、「金」や「災」のように何度も使われる字ではない点も評価したい。
さて、本題の「私的今年の漢字」に戻ると、結論から言えば「蛹」(さなぎ)である。
私の2019年は大学の中退を決めた所から始まった。時間は大幅に増えたが趣味の熱意も冷め、失意の底で今後自分はどうするべきか考えていた。
幸い専門学校に入学できたことで無職になることは避けられたが、中退とはいえ大学で勉強していた私にとってカリキュラムが軽すぎたので、ますます思索の時間が増えていった。
同時にビジネス系のWebメディアを読むようになり、さらに――これは今まで考えられなかったことだが――ビジネス書を中心に様々な本を購入するようになった(残念ながらこれらの本の多くが積読状態にある)。
わかりやすい成果はないのだが、内なる思考はめまぐるしく回っており、少なくとも内面は成長しつつあるように感じる。この状態を「蛹」と言わず何と言えるだろうか。
普通の人生からは一歩外れてしまったが、いつか蝶として羽ばたける日は来るのだろうか。
追記(12/13 17:12)
常用漢字表外の字を選んだことが引っかかっていましたが、本家でも2003年の「虎」(※)や2011年の「絆」のように表外から選ばれた事例もあるようです。
※ その後、2010年に常用漢字に追加されています。
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