「友近ゆりやんの時間」最終回 チルテレPが思う7つのコトバ【5】
【1】 砂時計は無視してください ~「バカいってる」がやりたくて ~
【2】想定外の効能「癒し」
【3】天網恢恢疎にして漏らさず~知られざるゆりやんレトリィバァ~
【4】 地獄道中 ~友近ゆりやん流・叱咤激励のカタチ~
【5】 キャラから出たマコト ~Wキャサリン in ハワイ~ →いまココ
【6】 忸怩たる ~「悔しい」じゃない本当の意味~
【7】 個人と知性とコミュニケーション
~「風の時代」の「ゆるくかしこくジブンらしく」~
【5】 キャラから出たマコト
~Wキャサリン in ハワイ~
自身で企画を立てる上で大事にしていることがあります。
それは「ワクワクする『物語』がうまれそうか」、「その『物語』が人の心を動かすものになりそうか」ということです。
勿論、スケジュールや予算や体制の関係でそして「いつかは〇〇したい」ということを口外しておく、「言霊」じゃないですけど、言葉に発して意識しておくと、すぐには実現が難しくても、偶然が重なり奇跡的に夢が現実となることが起きます。
「友近ゆりやんの時間」の成立自体もその夢の実現でしたが、もう一つの奇跡が「Wキャサリン」の実現でした。
「Wキャサリン」は「愛媛旅」「24時間友近ゆりやん」と並んで実現させたい3大企画でしたが、実現出来てかつ難産だったのはこの企画でした。
実は、「Wキャサリン」の夢の原点はゆりやんの高校時代まで遡ります。過去の配信でも話してくれていますが、友近さん扮するキャラ「ディラン&キャサリン」のキャサリンにハマったのが、ゆりやんが高校2年生の時。当時仲の良かった友達と延々と、キャサリンになりきって日常生活を送るアソビをしていたとか。
キャサリンへの憧れと「いつか一緒に出来たらと思っていた」とゆりやんが話すと、「ゆりやんとならいつでも」と友近さんは快諾。「若い人の夢が叶う」という点でも「チルテレ」の「ワカモノを応援する」コンセプトにも合致したので嬉しい展開になりました。
しかしここで問題が。快諾して下さったものの、キャサリンは、水谷千重子先生や西尾一男ちゃんのように、普段からお馴染みのキャラでもないある種特別なキャラ。
ワタシとしては、いつものように「ホワイトボードと会議室の前で」とお願いするには申し訳ないし、どうしたら納得できる場をご用意できるか実現する良いアイデアが思いつかず、延々と数か月悩んでいました。
深夜番組以下の低予算番組ゆえ、コントセットを作る予算もない。
だったらレンタルスタジオで?
いやそれでは深夜バラエティ番組の廉価版になってしまう。
いっそロケなら?普通の予算では関東近郊日帰りが
でも10年以上前の夢が叶うのに国内の中途半端なところでいいのか?
ふさわしい場所ってやはりビバリーヒルズ?
「いっそ、別の地上波の番組でセットを組んでコントできる予算のある番組にこの企画自体をお譲りするしかないか」と半分諦めかけていたところ、あるキャラに扮した友近さんのネタを思い出したのです。
それがこちら。
その日たまたま着ていたアロハシャツからのインスピレーションだったのか、突然ハワイJTB支店の現地スタッフに友近さんが扮した即興コントが始まった回でした。
以前から「いつかは」の夢だけはしょっちゅうお二人と話していたので、「海外ロケに行くならどこ?」の話もしていました。候補の中でもトップがハワイでした。
「これを何とかいかせないか?これでロケのタイアップできるかも?」
何の根拠もないまま、この友近さんの動画をきっかけに「JTBさんにタイアップを申し出て、うまくいけばハワイへ行ける!」と、番組のP自らタイアップの企画書を書くことってあんまりないのですが、さっそく書き始めました。
「チルテレ」は、こじんまりした制作体制でしたので、自らJTBさんの広報へのアポ取り&訪問し、JTBさんのツアーをいくつかご紹介すること、現地支店でのロケをすることを条件に承諾をいただくことが出来ました。拙いプレゼンでも認めてくださったのは、二人の圧倒的な知名度と好感度のおかげだったからに思います。
二人には、「海外ロケ行けることになりました」
「???お金ないのに?」という当然のリアクションでしたが
「ハワイに行くのにクリアしないといけない条件があります。タイアップです」と包み隠さず説明しました。
「友近さんがキャラ憑依したJTBハワイ支店のスタッフの設定の即興コントをきっかけにタイアップ決めてきましたのでJTBさんのためにひと役買っていただくロケをお願いします。」と。
「もうひとつはロスじゃなくて、ハワイですけどアメリカ繋がりでここで、ゆりやんの夢だった「Wキャサリン」ロケを実現させたいんです。それでSPやらせてください!」と切り出したのです。(実際は気持ちが高揚していて、どういう順序で話したか詳細は覚えてないんですが意図としてはそんなことを・・・)
すると「それぐらい全然OK! むしろありがとう。ええと私が知ってるホノルルの美味しい店があって・・・」と友近さん。
「嬉しいです。ありがとうございます!ワタシ、ハワイ初めてなんです」とゆりやん。
そこからは当日の収録前の打ち合わせもそこそこに、さっそくハワイ女子旅の打ち合わせが楽しそうに始まったのでした。
そんなこんなで、「嘘から出たマコト」ならぬ、歴史あるキャサリンという伝説のキャラと過去の番組内での即興コントのキャラの「キャラから出たマコト×2乗」で成立したのがWキャサリンinハワイでした。
ハワイでは、熱海だとボケたり、ステーキ食べたり、クルージングしたり、トレッキングやったり、ビーチで「America’s Got Talent(アメリカズ ゴット タレント)」のネタで外国のお客様を巻き込むロケなど、様々な場所でロケしましたが、Wキャサリンだけは特別にと考えていました。
Wキャサリンについては、事前に情報が漏れないようにするためと、二人が振り切ってキャラに憑依できるように、出来ればクローズドの場所で撮影したいと思い、ハワイ不動産物件巡りの豪邸編でやろうということになりました。
シチュエーションが整ったこともあり、お二人の魅力が最大限発揮されてのロケは私自身の過去の記憶の中でも類を見ないぐらい思い出深いロケとなりました。
現在は権利の関係でもう配信終了してしまいましたが、ハワイ支店でのカウンターでの現地スタッフの方とのやり取りのロケも実現し、大いに喜んでいただきました。またJTBのツアーにあるクルージングやトレッキングツアーなどでも大変お世話になり、ハワイロケは無事に終了したのでした。
現在は、新型コロナウイルスの影響で、ハワイをはじめ海外に訪れることはエンタメ業界では暫く難しくなってしまったことを考えると、あの時、ハワイでWキャサリンが実現したのは奇跡だったのだと思う今日この頃です。あらためてJTBの皆さん、現地コーディネーターの皆さん、ご協力いただいた皆さんに感謝する次第です。ありがとうございました。
<【6】「忸怩たる」の真意 ~本当の意味は「悔しい」ではない~ に続く>