足関節背屈可動域制限の原因
はじめに
足部には衝撃吸収と身体の推進という相反する機能が求められる。
歩行では約10°、ランニングでは約30°の足関節背屈が必要。
スクワット、階段昇降、しゃがみこみ動作で必要となってくる。
足関節背屈可動域制限の原因
中足部・後足部の外がえし可動性&下腿アライメント
荷重位での足関節背屈動作では、まず踵骨(距骨下関節)の外がえしと軽度外旋が生じる。
これに対し距骨は内旋・底屈、下腿は内旋が生じる。
このことから、距骨下関節外がえしの可動性低下や下腿アライメント不良、下腿内旋可動性が低下している場合、足関節背屈動作の可動域制限に繋がると考えられる。
下腿内外旋に関与する筋を紹介しておきます。
下腿内旋に関与する筋は、半腱様筋、半膜様筋、膝窩筋、薄筋など
下腿外旋に関与する筋は、大腿二頭筋、腸脛靭帯などです。
足趾伸展可動性&足趾屈筋群の過緊張
先述した荷重位での足関節背屈動作により、距骨下関節の外がえしが生じる。
距骨下関節の外がえしに対応して、ショパール関節の外がえしと第1趾列におけるリスフラン関節の背屈が生じる。
ショパール関節外がえしによる舟状骨・内側楔状骨の降下が第1趾列におけるリスフラン関節の背屈を生じさせ、正常な足部内側縦アーチの降下が起こる。
このとき、足趾伸展可動性の低下や足趾屈筋群の過緊張がみられる場合、足趾は屈曲位となりリスフラン関節の背屈を阻害してしまう。
そのため、足趾伸展可動性と足趾屈筋群の過緊張は足関節背屈に関与していると考えられる。
アキレス腱や後方関節包の短縮&長母趾屈筋の柔軟性低下
足関節背屈動作に伴い距骨は後方に滑る。
この際、踵骨は背屈するが、アキレス腱や後方関節包の短縮がある場合、踵骨の背屈が制限され、距骨の後方滑りを妨げる可能性がある。アキレス腱の短縮は腓腹筋やヒラメ筋の影響も考えられるため評価が必要となる。
また、長母趾屈筋腱は距骨後方を走行するため、長母趾屈筋の柔軟性低下により距骨後方滑りの制限因子の一つと考えられる。
脛腓関節運動
足関節背屈時、近位脛腓関節では脛骨に対し腓骨は前上方へ滑理、遠位脛腓関節では腓骨は後方上へ滑るとともに外側に変位(脛腓関節の開大)する。
おわり
今回は足関節背屈可動域制限について学びました。
背屈可動域制限があるからといって、原因を追求しないまま足関節背屈ROMexをしているだけだと背屈制限は改善されないと思います。
足関節背屈可動域制限の原因は今回紹介したもの以外にも沢山あると思うので、これからも学んでいくことを続けていきます。
最後までみていただきありがとうございました。
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