「いろどり」のイレギュラーな使い方
先月から新しい職場で働くことになった。
そこはソフトウェアの会社で、会社の中で言語トレーニングセンターなるものを新しく作り、日本語だけでなく、韓国語、中国語、英語などを社員に教育している。去年の12月ごろから新設されたばかりだそうだ。
基本はオンラインレッスンだと聞いていたが、私はオンラインレッスンのほかに、会社が設立した大学の学生向けに対面の授業と、社員向けにビジネスマナー教育を担当している。
初級では「いろどり」を用いてレッスンを行っている。「いろどり」の基本的な使用方法は教科書を「そのまま」使うことであるが、タイトルにも書いたとおりに、そのような使い方はしていない。
この会社からの日本人日本語教師への要望は会話のレッスンを行い、受講者の会話力を伸ばすことにある。
ただあまり詳しくは書けないので、『みんなの日本語』を例に説明をする。
『みんなの日本語』の副教材に『聴解タスク25』がある。第9課の1の内容は以下のようなものである。
だいたいこんな感じだったと思う。
『いろどり』は同じ内容の聴解を聞いて、違う視点の問題に答えるというものだ。上の例で言うと、
このような感じになる。
そして、会社で行っている会話は、聴解に沿った内容の会話を教師が作成し、練習を行うというものである。その割り当ては、1回目の聴解で10分、2回目の聴解で10分、3回目の聴解で10分のようになっている。
書かなくてもお分かりであると思うが、同じ内容の聴解でこのような割り当てがなされている。作成するのは日本人日本語教師である。あまり現実的ではないので、当初からこれを作った人に何度か意見をしたが、変えてもらえるような感じではない。
『いろどり』が扱っているトピックで会話がやりやすければいいのだが、そうではないものも多いので、かなり頭を悩ませている。この1か月でもかなり鍛えられた気もする。
適度に意見を言いつつも、郷に入らばなんとやらなので、粛々と与えられた役割を責任をもって果たしていくしかない。