ウェールズの子どもコミッショナー、子どもたちの状況改善のためのヒントを得る目的でオンラインアンケートを実施――2~7歳の子どもも対象に
ウェールズ(英国)の子どもコミッショナーが、ウェールズの子どもたちの状況を改善していくための手がかりを得るべく、子どもおよび子どもに関わる大人を対象とするオンラインアンケート「ウェールズのための大きな希望」(Ambitions for Wales)を実施中です。
これはウェールズの子どもコミッショナーが3年ごとに行なっている調査で、その結果は、子どもコミッショナーとしての今後3年間の活動計画づくりの参考にされます。前回の調査は2019年に実施され、1万人以上の子ども・大人から回答がありました。
今回の調査の実施は10月11日ごろ発表されたもので、回答期限は、当初は11月5日とされていましたが、11月11日に延長されました。10月21日の時点で3,000人近くの子どもたちから回答が寄せられているそうです。
子どもたち向けの質問は、基本的には次の3つの点について尋ねるものです。
● ウェールズを子ども・若者にとってよりよい場所にする方法についてのアイデア
● 幸せだと感じること
● 心配だと感じること
子ども・若者向けのアンケートは、7~18歳(社会的養護を受けている場合には25歳以下)の年齢層を対象としています。イギリス手話の動画を付けたアンケートページも用意されています。主な設問は次のとおりです(趣旨;各設問について自由記述の欄も設けられています)。
今回は、新たに2~7歳の子どもを対象とする調査も行なわれています(前回の調査では7歳以上の子どもしか対象にされていませんでした)。子どもが直接回答するのではなく、まわりの大人が子ども(たち)にお話を読み聞かせながら質問をし、子どもの回答や反応を記録するという形をとっています。2~3歳向けのお話と4~7歳向けのお話が用意されており、4~7歳の子どもたちとセッションを行なう際に活用できるパワーポイントも作成されています(PDF)。
さらに、追加的な学習ニーズのある子どもの回答を支援するためのリソースも用意されています。
そのほか、子ども・若者を支援する専門家および親・養育者を対象とするアンケートもあわせて実施中です。
このような調査を定期的に行なうことは、子どもたちの声を法律や政策に反映させていくうえでも大きな意義があると考えられます。結果が発表されれば、あらためて紹介します。
日本での取り組みとして、こども家庭庁設立準備室による〈【こども・若者のみなさん向け】こどもや若者が意見を言いやすい仕組みとは?こども家庭庁のチャレンジへの協力者を募集します!〉も参照。協力者の募集は終了していますが、11月にWebアンケートも実施予定とのことです。Twitterアカウントも開設されましたので、Twitterをやっているかたはフォローするとよいのではないでしょうか。
日本で最近発表された調査結果として、次のものも参照。
1)セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン:「こども家庭庁」の発足を知らない子どもが約7割 認知度向上が課題 「こども家庭庁に関する子どもアンケート調査」結果発表
https://www.savechildren.or.jp/scjcms/press.php?d=4023
2)国立成育医療研究センター:子どもの権利に関する意見・希望調査
https://www.ncchd.go.jp/news/2022/1026.html