平野裕二

子どもの権利や人権に関する国際的な動向についての情報を主に発信しています。自営業(翻訳)。 https://w.atwiki.jp/childrights/

平野裕二

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マガジン

  • 子どもの権利をめぐる国際動向

    子どもの人権連『いんふぉめーしょん 子どもの人権連』の連載をもとに、子どもの権利に関わる主な国際動向をほぼ時系列でまとめています。マガジン1本はだいたい2万字(400字詰原稿用紙50枚)前後です。

  • デジタル環境と子どもの権利

  • 国内人権機関/オンブズパーソン等

    子どもオンブズパーソン/コミッショナーを含む国内人権機関(NHRI)関連の記事のまとめです。

  • 国連人権条約機関

  • 子どもに対する暴力

最近の記事

子どもの権利をめぐる国際動向(2024年6月~9月)

 この投稿は、私も代表委員のひとりである子どもの人権連の機関誌『いんふぉめーしょん 子どもの人権連』179号(2024年11月)に掲載された原稿です。関係者の了解を得て、有料記事としてアップします。私が Facebook および note で行なっている投稿のなかから、子どもの権利をめぐる国際的動向に関する主なニュースをピックアップして要約したものです(一部、日本国内の動きを取り上げることもあります)。該当する投稿にリンクしていますので、この間の国際的流れを概観し、関心のある

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    • オーストラリア:16歳未満の子どものSNS利用禁止法案に対して国家人権委員会が「重大な留保」を表明

       いろいろ紹介したい資料もあるのですが、オーストラリア政府が16歳未満のSNS利用を禁止しようとしている件については日本での関心も高いようですから、先にそのことを取り上げておきます。この件についてはとりいそぎFacebook(11月19日投稿)で触れておいたので、まずはその投稿を採録しておきます。 「オンライン安全(ソーシャルメディア最低年齢)法案」(Online Safety Amendment (Social Media Minimum Age) Bill 2024)と

      • 「2024年ジュネーブ子どもの権利宣言」

        2024年ジュネーブ子どもの権利宣言2024 Geneva Declaration on the Rights of the Child  2024年11月20日、  政府間機関によって承認された、したがって子どもの権利の普遍性を確認した初めての子どもの権利宣言である、国際連盟が1924年9月26日に採択した「ジュネーブ宣言」の100周年を記念し、  35年前(1989年11月20日)に採択され、その後(197か国中)196か国の締約国によって批准された国連・子どもの権

        • 子どもに対する暴力の根絶に関するグローバル閣僚級会議(コロンビア)で示された「行動のための枠組み」

           11月7日から8日にかけて、コロンビアのボゴタで第1回「子どもに対する暴力の根絶に関するグローバル閣僚級会議」(Global Ministerial Conference on Ending Violence Against Children)が開催されました。Facebookで簡単に取り上げたので、まずその投稿を採録しておきます(なお、公式サイトの Country Attendance マップによれば、日本からも閣僚級の参加 Ministerial level parti

        • 子どもの権利をめぐる国際動向(2024年6月~9月)

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        • オーストラリア:16歳未満の子どものSNS利用禁止法案に対して国家人権委員会が「重大な留保」を表明

        • 「2024年ジュネーブ子どもの権利宣言」

        • 子どもに対する暴力の根絶に関するグローバル閣僚級会議(コロンビア)で示された「行動のための枠組み」

        マガジン

        • 子どもの権利をめぐる国際動向
          16本
        • 国内人権機関/オンブズパーソン等
          81本
        • デジタル環境と子どもの権利
          40本
        • 国連人権条約機関
          119本
        • 子どもに対する暴力
          79本
        • 子どもの権利と環境
          31本

        記事

          「未来のための協定」と子ども――積み残された課題

           国連未来サミット(9月22~23日)で9月22日に採択された成果文書「未来のための協定」(Pact for the Future)およびその付属文書「グローバルデジタルコンパクト」(付属文書I)と「将来世代に関する宣言」(付属文書II)については、それぞれnoteで概要を紹介してきました(各リンク先参照)。  協定で「若者」にしか言及していない箇所が多いことを含め、協定でも「将来世代に関する宣言」でも子どもに対して十分な焦点は当てられていないように思われることを以上の投稿

          「未来のための協定」と子ども――積み残された課題

          欧州評議会のランサローテ委員会、「新興テクノロジーによって容易にされる性的搾取および性的虐待からの子どもの保護に関する宣言」を採択

           欧州評議会・ランサローテ条約(性的搾取および性的虐待からの子どもの保護に関する条約、2007年)の履行状況を監督するために設けられているランサローテ委員会は、同条約の実施に関する指針を見解・声明・宣言などの形で随時示していますが(最近の例として、子どもに対する性犯罪についての公訴時効に関する「見解」など参照)、11月7日には「新興テクノロジーによって容易にされる性的搾取および性的虐待からの子どもの保護に関する宣言」を採択しました。 ★ Council of Europe

          欧州評議会のランサローテ委員会、「新興テクノロジーによって容易にされる性的搾取および性的虐待からの子どもの保護に関する宣言」を採択

          国連・社会権規約委員会、社会権と「持続可能な開発の環境側面」に関する一般的意見草案への意見を募集

           11月11日、アゼルバイジャンのバクーでCOP29(第29回国連気候変動枠組条約締約国会議)が始まりました(~22日)。 -国連広報センター:適応するか、滅びるか――国連、気候サミットCOP29での緊急行動を呼びかけ(UN News 記事・日本語訳) https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/51251/ -ユニセフ(日本ユニセフ協会):COP29開幕 「子どもの権利守る、気候対策を」 各国にユニセ

          国連・社会権規約委員会、社会権と「持続可能な開発の環境側面」に関する一般的意見草案への意見を募集

          教師の声を大切にするために何をすべきか――世界教師デー

           先月の話になりますが、毎年10月5日は。ユネスコ(国連教育科学文化機関)、ILO(国際労働機関)、ユニセフ(国連児童基金)およびEI(教育インターナショナル)が共同で取り組む #世界教師デー (World Teachers' Day、世界教員の日)です(世界教師デーについてはユネスコスクール事務局の解説など参照)。今年のテーマは「教師の声を大切に:教育のための新しい社会契約に向けて」(Valuing teacher voices: towards a new social

          教師の声を大切にするために何をすべきか――世界教師デー

          子どもと若者のメンタルヘルス――チャイルドヘルプラインとWHOの報告・提言

           チャイルドラインなど子どもを対象とする電話相談サービスの国際組織、チャイルドヘルプライン・インターナショナルが、10月29日、『ヨーロッパの子ども・若者のメンタルヘルスを支える:チャイルドヘルプラインの効果と役割』(Supporting Children & Young People's Mental Health in Europe: The Impact and Role of Child Helplines)と題する報告書を発表しました。 ★ Child Helpl

          子どもと若者のメンタルヘルス――チャイルドヘルプラインとWHOの報告・提言

          国連・子どもの権利委員会の一般的意見27号(司法および効果的救済措置へのアクセス)に向けた協議のための子ども向け解説資料

           国連・子どもの権利委員会が一般的意見27号(司法および効果的救済措置にアクセスする子どもの権利)の作成に向けた第1次意見募集(5月23日~8月23日)を実施したことについては、設問内容とともに5月の記事で紹介しました。  これに応じて提出された多数の意見書は、すでにこちらのページに掲載されています。7月31日~8月2日にかけてフィリピンのマニラで開催されたNGOの会合(第9回子どもの権利連合/ネットワーク・アジア太平洋パートナーシップ会合:APPM、Child Right

          国連・子どもの権利委員会の一般的意見27号(司法および効果的救済措置へのアクセス)に向けた協議のための子ども向け解説資料

          国連・女性差別撤廃委員会による日本への勧告――ジェンダーステレオタイプ/教育/婚姻および家族関係

          ジェンダーステレオタイプ 25.委員会は、第5次男女共同参画基本計画が、無意識のジェンダーバイアスに関する意識の促進および規範への異議申立てによってジェンダーステレオタイプを解消する必要性について取り上げていることに、評価の意とともに留意する。しかしながら、委員会は以下のことについて依然として懸念するものである。  (a)家庭および社会における女性と男性の役割および責任(教育、雇用および公的生活におけるものを含む)についての家父長制的な態度および抜きがたいジェンダーステレ

          国連・女性差別撤廃委員会による日本への勧告――ジェンダーステレオタイプ/教育/婚姻および家族関係

          欧州評議会、「若者と気候変動」に関する加盟国への勧告を採択

           欧州評議会の閣僚委員会は、10月23日、「若者と気候行動」に関する加盟国への勧告CM/Rec(2024)6を採択しました。欧州評議会のプレスリリース(10月24日付)を訳出しておきます(太字は平野による)。 ★ Council of Europe: Council of Europe urges measures for young people and climate change https://www.coe.int/en/web/portal/-/council-

          欧州評議会、「若者と気候変動」に関する加盟国への勧告を採択

          国連未来サミット「グローバルデジタルコンパクト」と子どもの権利

           ニューヨークの国連本部で開催された国連未来サミット(9月22~23日)で9月22日に採択された成果文書「未来のための協定」と、その付属文書のひとつである「将来世代に関する宣言」については、すでにnoteで概要を紹介しました(それぞれのリンクを参照)。  もうひとつの付属文書である「グローバルデジタルコンパクト」(GDC)についても、とくに子どもとの関わりについて簡単に取り上げておきます。GDCの原文(英語)や関連資料は国連事務総長テクノロジー特使のサイトにも掲載されていま

          国連未来サミット「グローバルデジタルコンパクト」と子どもの権利

          オーストラリアの連邦子どもコミッショナー、子ども司法改革に関する包括的報告書を発表

           オーストラリア人権委員会で連邦子どもコミッショナーを務めるアン・ホロンズ(Anne Hollonds)は、8月20日、連邦政府と州・準州政府に子ども司法改革を求める報告書を発表しました。 ★ Australian Human Rights Commission: New report proposes transforming Australia's approach to child justice and wellbeing https://humanrights.g

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          オーストラリアの連邦子どもコミッショナー、子ども司法改革に関する包括的報告書を発表

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          アイルランド子どもオンブズマン事務所(OCO)、中高生1,000人強を対象とするアンケートの結果を発表

           アイルランド子どもオンブズマン事務所は、8月4日、アイルランドの生活に関する子どもアンケートの結果をまとめた報告書を発表しました。 ★ OCO: Survey says almost half of children are bullied and they don't feel listened to by adults - Tomorrow Starts with Us children's survey published by the Ombudsman for

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          アイルランド子どもオンブズマン事務所(OCO)、中高生1,000人強を対象とするアンケートの結果を発表

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          国連・子どもの権利委員会、先住民族の土地における鉱物探査許可をめぐってフィンランドの条約違反を認定

           国連・子どもの権利委員会が、先住民族サーミの伝統的土地における鉱物探査許可の付与をめぐる個人通報事案でフィンランドの条約違反を認定したことは、〈国連・子どもの権利委員会の第97会期が終了/個人通報議定書発効10周年記念イベントも開催〉でとりいそぎお知らせしました。  このほど決定書(CRC/C/97/D/172/2022、先行未編集版、決定日:9月13日)が公開されたので、OHCHR(国連人権高等弁務官事務所)の下記プレスリリースも踏まえつつ、その概要を紹介します。なお、

          国連・子どもの権利委員会、先住民族の土地における鉱物探査許可をめぐってフィンランドの条約違反を認定