国連・子どもの権利委員会ほか、「すべての子どものすべての権利を、すべての場所で、いかなる時にも守っていく」ことの重要性を強調
18歳未満のすべての人は子どもである――すべての子どものすべての権利を、すべての場所で、いかなる時にも守っていく
私たちは、国際人道法および国際人権法上の義務が世界中でますます遵守されなくなりつつある状況を目にしています。これは、複数のパンデミック、複雑な人道上の緊急事態、極端な気象現象/気候関連危機が突きつける相当な課題を背景として生じている事態です。子どもたちと家族が避難を余儀なくされ続けている一方、紛争や国家の武装集団対策(国連によってテロ集団指定を受けている集団を対象とするものを含む)は国際保護の枠組みの侵食をさらに助長し、しばしば子どもの権利侵害へとつながっています。
私たちは本日、すべての国に対し、子どもは親または保護者とは独立に全面的に権利を保有する存在であり、国際人権法――とくに、史上もっとも広く批准され、締約国が196か国にのぼる人権条約である子どもの権利条約(CRC)――に基づく特別な保護を受ける資格を有していることを、想起するよう求めます。子どもの権利条約は、すべての子どもに適用される広範な人権を掲げるとともに、子どもに関わるすべての行動において子どもの最善の利益が第一義的に考慮されるべきであると強調しています。私たちは、〔国連〕加盟国に対し、18歳未満のすべての人を子どもと認めて特別な保護を提供するよう求めます。
私たちは、〔国連〕加盟国に、平時・戦時のいずれにおいても子どもの権利を保護し、尊重しかつ充足する第一義的責任があることを強調します。子どもの年齢、ジェンダーもしくは地位、住んでいる国または出身地にかかわらず、すべての子どもに、自己のすべての人権を享受する資格があります。このような人権には、とくに、生命・生存・発達に対する権利、到達可能な最高水準の健康(メンタルヘルスを含む)を享受する権利、教育に対する権利、遊びおよびレクリエーション活動に従事する権利、あらゆる形態の暴力、侵害もしくは虐待、ネグレクトもしくは怠慢な取扱い、不当な取扱いまたは搾取から保護される権利、司法および人道援助にアクセスする権利、不法にまたは恣意的に自由を奪われない権利ならびに自己に影響を与えるすべての事柄について自由に意見を表明する権利が含まれます。
しかし、紛争および紛争後の状況下で暮らしている子どもを含む子どもの権利は、あまりにも頻繁に侵害されています。
私たちがとりわけ懸念するのは、一定の年齢以上の子どもが成人または「若年」成人として扱われている状況です。場合によっては、伝統的または文化的価値観を、あるいはテロ対策または国家安全保障上の対応を名目としてこのような取扱いが行なわれることもあり、CRCで定められた子どもの権利および保護の全面的享受にとって劇的な影響をもたらしています。
私たちは引き続き、子どもが子どもとして取り扱われることを確保するために、また軍隊および武装集団による18歳未満の子どもの徴募および使用をきっぱりと終わらせるために、すべての国による、子どもの権利条約とその選択議定書――武力紛争への子どもの関与に関する選択議定書(OPAC)、子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する選択議定書(OPSC)および通報手続に関する選択議定書(OPIC)――の批准および実施を求めていきます。私たちはさらに、武力紛争からの子どもの保護の支えとなる、〔武力紛争における子どもの不法な徴募・使用の防止に関する〕パリ原則およびパリ・コミットメント、学校保護宣言ならびに〔平和維持活動と子ども兵士の徴募・使用の禁止に関する〕バンクーバー原則などの、その他の国際文書を支持することも求めます。加えて、徴募または使用の対象とされた後に解放されまたは脱走した子どもに対しては、長期的で持続可能な、ジェンダーおよび年齢に配慮したかつ障害包摂的な再統合プログラムが提供されなければならず、それにともない、種々の支援のなかでもとくに保健ケア、メンタルヘルス支援、心理社会的支援、教育および保護へのアクセスを保障されなければなりません。
子ども時代は人生における特別な、そして保護の対象となる段階であり、その段階にある子どもたちは子どもの権利条約で認められた固有の権利を有しています。したがって、子ども時代は引き続き成人期とは異なるものとして認められ、扱われなければなりません。私たちは本日、すべての国に対し、子どもの権利条約に基づく自国の国際法上の義務を遵守し、すべての子どもが、差別されることなく、子どもでいられること、安全な、包摂的な、そして配慮のある環境で育ち、学びかつ遊べることならびに尊厳をもって豊かに成長していけることを確保するよう、求めます。すべての場所で。いかなる時にも。