国際ガールズデー:国連・女性差別撤廃委員会/子どもの権利委員会が共同声明を発表
紹介するのが遅れましたが、10月11日の国際ガールズデーにあたり、国連・女性差別撤廃委員会と子どもの権利委員会が共同声明を発表しました(10月12日掲載確認)。
★ Joint statement of the Committee on the Elimination of All Forms of Discrimination against Women and the Committee on the Rights of the Child on the occasion of the International Day of the Girl Child 2021 (PDF)
https://www.ohchr.org/Documents/HRBodies/CRC/Joint-Statement-International-Day-Girl-Child.pdf
そこでは、子どもの権利条約と女性差別撤廃条約で保障された女の子の権利が――とくに教育へのアクセス、児童婚・女性性器切除(FGM)等の有害慣行からの保護の面で――依然として十分に保障されておらず、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの影響によって状況がさらに悪化していることを指摘したうえで、とくに教育保障の重要性を強調しています。
女の子は、差別されることなく、ジェンダーバイアスのない形で、かつ可能性を十分に発揮するための平等な機会を保障されながら、教育を修了することおよび適切な情報とサービスにアクセスすることができなければなりません。
国連事務総長は最近、『私たちの共通の課題』において、いかなる意味のある社会契約も女性と女の子の積極的かつ平等な参加なくしては不可能であることを認めるとともに、和平促進・紛争防止プロセスの中心に女性と女の子を位置づける必要性を強調しました。
平等な参加の確保は女の子から始まるべきであり、そのために女の子に教育への平等なアクセスを保障し、女の子のエンパワーメントを図り、かつ児童婚に終止符を打つための取り組みを優先的に進めるべきです。
とくに次の指摘は、日本にとってもおおいに関わりのある内容だと思います。
女の子のエンパワーメントにつながる教育は、いまなお広く受け入れられている、女性と女の子に対するあらゆる形態のジェンダーに基づく暴力の根絶をともなうものでなければなりません。
教育制度のあらゆる側面でジェンダー平等を達成するためには、法律・政策、教育内容、教授法および学習環境が、ジェンダーに敏感であり、女の子のニーズに即応でき、かつすべての人にとって変容的な(transformative)ものであるべきです。
私たちは各国に対し、法律上も実際上も女の子に対する差別を解消するよう求めます。不平等を固定化し、女の子の権利の侵害を黙認する社会規範およびジェンダー規範に対処することが喫緊の課題です。私たちは、女の子が、十分な情報を提供される権利、エンパワーされる権利、および、コミュニティと社会一般の双方で、自己に影響を与えるすべての意思決定プロセスにおいて意見を聴かれかつ平等な立場で参加する機会を提供される権利を有していることを、あらためて指摘します。これらの目標を達成することは、すべての人のウェルビーイングにとって何よりも重要なことです。
国際ガールズデーに寄せたアントニオ・グテーレス国連事務総長のメッセージも参照。
また、意見および表現の自由の促進・保護に関する特別報告者のアイリーン・カーン氏は、10月18日に行なった国連総会での報告で、「表現の自由におけるジェンダー平等ははるか先の目標であり続けている」として積極的対応の必要性を指摘しました。こちらも参照。
★ OHCHR: Gender equality in freedom of expression remains a distant goal - UN expert
https://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=27668&LangID=E