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イングランドの子どもコミッショナー、子どものケアのあり方などに関する「学校調査」を開始
イングランド(英国)の子どもコミッショナーを務めるレイチェル・デ・スーザさんが、9月13日、学校およびカレッジを対象とする悉皆調査の開始を発表しました。
★ Children's Commissioner for England - School Survey: The biggest ever survey of schools and colleges in England
https://www.childrenscommissioner.gov.uk/blog/school-survey-the-biggest-ever-survey-of-schools-and-colleges-in-england/
この調査は、▽児童生徒が利用可能なパストラルケア(心理的ケア)、▽追加的ニーズを有する特定集団の子どものための教室内調整措置、▽フルタイムで雇用されているさまざまな専門職員などに関する情報を、対象となるすべての学校・カレッジから求めるものです。▽電子タバコの利用率、▽携帯電話に関する方針の詳細、▽フードバンクの提供、▽脆弱な状況にある児童生徒(EHCPs〔居育・健康・ケア計画〕を作成されている児童生徒、ヤングケアラー、親・養育者が収監されている児童生徒など)への支援のあり方についても、初めて掘り下げるとしています。
具体的には次のような問題が取り上げられています(太字は平野による)。
フルタイムで雇用されている専門職員(教育心理学者、メンタルヘルスカウンセラー、ソーシャルワーカー、ユースワーカー、家庭支援ワーカーなど)を含む、学校職員の役割および責任
児童生徒とその家族に提供される支援およびリソースと、支援の提供にあたって経験される障壁
特別な教育上のニーズおよび障害(SEND)がある子どもへの支援:学校が子どものための調整(adjustments)をどのように行なっているか、EHCPの要件を満たせないことがあったかなども含む
学校における秩序維持(policing):薬物、武器または危険物、暴力、ヘイトクライム、大人による子どもの性的虐待・搾取、子どもから子どもへの性的虐待・セクシュアルハラスメントに関わる事件についての地元警察との関係を含む
学校の諸方針および諸手続(携帯電話の使用に関するものを含む)
児童生徒の特質および脆弱性(ケア責任を負っている子ども、親・養育者が収監されている子どもおよび不適切な居住環境で暮らしている子どものニーズの認識を含む)
子どもの間での電子タバコの広がり
教育に加えて学校で提供されている敷地内活動(休暇中のクラブ、スポーツクラブ、フードバンク、予防接種クリニックなど)のタイプ
この調査は、2004年子ども法2F条で子どもコミッショナーに認められている情報提供要請権限に基づくもので、公立学校等には回答義務があります(回答期限は2024年12月20日です)。学校のアカウンタビリティ(説明責任)を問うために回答が利用されることはなく、ランキングも作成されません。2025年に発表予定の報告書でも、学校名は公開されないとのことです。
この調査を開始するきっかけになったのは、子どもコミッショナーが昨年9月から今年1月にかけて実施し、3月末に結果を発表した大規模な子どもアンケート「ザ・ビッグ・アンビション」で、子どもたちにとっての教育の重要性があらためて明らかになったことでした。子どもたちの回答で一番よく見られたのは「学校」という単語だったとのことで、子どもの成長発達にとっての学校の重要性が浮き彫りになりました。
子どもコミッショナーのレイチェル・デ・スーザさんは、冒頭のリリースで次のようにコメントしています。
私は、元教員、元校長、そして〔インスピレーション〕トラストの元幹部として、子ども・若者の人生で学校が果たす役割の影響力を知っています。学校は、子ども・若者が学び、遊び、必要不可欠なライフスキルを発達させる場ですから、学校が子ども・若者をどのように支援しているか、その広がりを――制服や食事の提供から教室における調整やメンタルヘルスケアに至るまで――理解しておくことがどうしても必要です。
全国の先生たちは次世代の教育に関してすばらしい仕事を実践しており、「ザ・ビッグ・アスク」および「ザ・ビッグ・アンビション」に寄せられた回答がそのことを証明しています。子どもたちは学校にいたいのであり、先生たちが大好きなのです。
子どもたちが自分たち自身について抱いている大望と同じぐらい子どもたちにとって野心的な学校制度を創造しようと思えば、学校管理職、教員および支援スタッフが直面している課題について明確に把握することが必要です。
この「学校調査」は、学校および教員が教室内外で子どもたちをケアしている多くのやり方についての厳然たる証拠を初めて提供し、子どもたちの現実の教育経験が、家庭に影響を及ぼす主要な問題についての将来の政策決定に反映されることを確保するものになるでしょう。
調査結果が発表されたら、あらためて紹介したいと思います。
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