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国連・子どもの権利委員会の一般的意見26号(子どもの権利と環境)作成に向けたオンラインアンケート
何度かお伝えしてきましたが、国連・子どもの権利委員会は現在、「とくに気候変動に焦点を当てた子どもの権利と環境」に関する一般的意見(26号)を作成中です(委員会が昨年9月に発表したコンセプトノートについて、こちらの記事も参照)。
昨年12月20日からは、第1次草案の作成の参考にする情報を集めるためのオンラインアンケートが、一般的意見26号に関する特設サイトで始まりました。提出期限は2月16日午後1:59(日本時間)です。こちらのページの Start Now ボタンから回答することができます(英語・フランス語・スペイン語)。
〔1月21日追記:特設サイトにも以下の日本語訳が掲載されました。ページ右上の言語選択ボタンから「日本語」を選択すると見ることができますが、回答は英語・フランス語・スペイン語のいずれかで行なう必要がありますので、ご注意ください。〕
質問の全体像を把握できるようにするためのPDFファイルが公開されているので、以下、その日本語訳を掲載します。回答の下書きなどができるよう、記事の末尾にワードファイルもアップロードしておきます。回答したい質問の選択は任意で、すべての質問に答える必要はなさそうなので、ご意見や情報をお持ちの方はぜひ参加してください。
現在、子どもアドバイザリーチームのメンバー募集も行なわれています(1月16日まで)。また、18歳未満の子ども・若者を対象とするオンラインアンケートは2月に開始される予定です。関連の動向はマガジン〈子どもの権利と環境〉をご覧ください。
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グローバル・オンライン・アンケート
(2021年12月17日~2022年2月15日)
一般的意見26号
国連・子どもの権利委員会は、子ども・若者の求めに耳を傾け、子どもたちがクリーンで、グリーンで、健康的かつ持続可能な世界で暮らしていけるようにすることについて政府に責任を負ってもらうための大きな一歩を踏み出そうとしています。委員会は、「とくに気候変動に焦点を当てた子どもの権利と環境」に関する一般的意見(一般的意見26号)を作成中です。これは、気候変動その他の環境上の課題を前に、子どもの権利条約(以下「条約」)に基づく子どもの権利を擁護するために政府が何をしなければならないかに関する、権威ある指針となるものです。
協議
2021年12月から2022年10月にかけて、委員会は、2023年3月に発表する一般的意見の参考とするため、世界中の人々との一連の協議やワークショップ(子ども・若者をとくに対象とする協議を含む)を、オフラインおよびオンラインで開催します。
グローバル・オンライン・アンケート
このグローバル・オンライン・アンケートは、一般的意見の第1次草案の参考になる情報を集めるために作成されたものです。関心のあるすべての当事者――国、地域機関・国連機関、国内人権機関および子どもコミッショナー、子ども・青少年グループ、非政府組織、研究機関その他のステークホルダー――の参加を呼びかけます。希望するどの質問に答えていただいても結構ですし、ご自分が経験、知識および能力を備えている回答の提出を奨励します。提出していただいた回答は翻訳されませんので、英語、フランス語またはスペイン語でご回答ください。
アンケートでは、国連・子どもの権利委員会が発表した一般的意見のためのコンセプト・ノートで示されたトピックを取り上げています。回答の際は、国連環境計画のいう「惑星規模の三重の危機」(汚染、生物多様性の崩壊および自然の急速な減少)およびとくに気候変動との関係で強調したいと考える、子どもの権利関連のすべての論点を含めることが奨励されます。
アンケートは4部構成で、それぞれ次の問題を取り上げています――(A)子どもに対する環境面の影響、(B)子どもの権利アプローチの利点、(C)その実現のために健康的な環境を必要とする子どもの権利、(D)環境保護における子どもの権利の役割。起草プロセスに寄与しそうな出典、関連の調査研究・データ、統計、エビデンス、子どもたちとの協議から得られた知見、法律・政策・プログラムの例、グッドプラクティス(優れた実践)のエビデンスを記載してください。
提出期限は2022年2月15日午後11:59(米国東部標準時)です。
〔日本時間で2月16日午後1:59〕
注:子ども・若者向けのアンケートは2022年1月末に公表されます。その後、寄せられたご意見を参考にした一般的意見の第1次草案が、2022年6月に検討のため共有される予定です。
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設問についての照会を含め、何かご質問があればご連絡ください。
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役職(例:政策アドバイザー)
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当てはまるものを選んでください。
□ 所属団体/機関を代表して回答します。
□ 個人として回答します。
どのカテゴリーについて回答したいかを選んでください。
□ 子どもに対する環境面の影響
□ 環境問題に対する子どもの権利アプローチ
□ 子どもの権利の享受の不可欠な一環としての安全、クリーン、健康的かつ持続可能な環境
□ 環境保護における子どもの権利の役割
子どもに対する環境面の影響
● 気候変動、汚染および自然・生物多様性の喪失が子どもたちの生活に及ぼす主な影響は、どのようなものですか? 子どもたちにどのような形で特有の影響が生じているかに重点を置いてください。これには、特定の集団の子ども(たとえば少女、障害のある子ども、先住民族の子ども)に押しつけられている不正義や、諸国間の差異または不平等の例が含まれます。
● これらの環境危機への対応には、どのような形で子どもたちに悪影響(たとえば強いられた避難、食品価格・エネルギー価格の上昇)を及ぼす可能性が同時にありますか?
環境問題に対する子どもの権利アプローチ
● 環境(気候)危機への対処および持続可能な開発の達成において、子どもの権利アプローチにはどのような価値がありますか? このことは、関連する法律・政策・プログラム・実務の採用にとって実際的には何を意味しますか?
● 子どもの権利と環境に関連する決定において、「4つの一般原則」(すなわち差別の禁止;最善の利益;生命・生存・発達に対する権利;子どもの意見)はどのように反映されるべきですか? 具体例を挙げてください。
● 他の国際法分野で作成された環境権に関する具体的指針は、どのように一般的意見26号の参考になりますか?
● 子どもの権利と気候変動その他の環境危害の長期的影響の文脈で世代間公平原則(intergenerational equity principle)を適用することには、どのような法律上、政策上および実際上の意味合いがありますか?
子どもの権利の享受の不可欠な一環としての安全、クリーン、健康的かつ持続可能な環境
● 健康に対する権利と、その文脈における環境汚染への明示的言及(条約24条2項(c))は、気候変動を含む環境危害から子どもたちの権利を保護することにどの程度役立っていると思いますか?
● その実現のために安全、クリーン、健康的かつ持続可能な環境を必要とする、条約上のその他の権利(たとえば生命・生存・発達、十分な生活水準、食料、水、遊び)はありますか? なぜ実現できないのですか? 特定の権利(たとえば搾取およびあらゆる形態の暴力からの自由、文化的生活への参加)に対して、より注意が向けられるべきですか?
● 必要とされる行動の規模と緊急性にかんがみ、国が、気候危機への対応(たとえば緩和・適応)、汚染防止および生態系・生物多様性の保護の文脈においてこれらの子どもの権利に関連する自国の義務を果たすようにするために、どのようなことが求められますか? その実施のために、具体的にどのような立法上、政策上、行政上その他の適当な措置が必要とされますか?
● 国は限られた資源を理由とする制約に直面しており、さまざまな社会的目標を比較衡量する裁量を有していることが認知されていますが、このことは、条約に基づく環境関連の義務に照らし、どのように理解されるべきですか? 持続可能な開発の概念は、この点に関してさまざまな子どもの権利を比較衡量するうえで有益な指針を、どのように提示できる可能性がありますか?
● 国は、ビジネスセクターの事業体によって引き起こされる環境危害の結果として生じる権利侵害からの子どもたちの保護を、「ビジネスセクターが子どもの権利に及ぼす影響に関わる国の義務」についての委員会の一般的意見16号で示された一般的指針を補完しつつ、どのように強化できますか? 子どもの権利と環境の関係に対するビジネスセクター自身の責任との関連でいまなお残っている空白はどのようなもので、その空白を埋めるためにどのような具体的措置が必要とされますか?
● 自国の国境を越えて子どもたちの権利を侵害する環境危害に対処する国の義務は、どのようにすればより効果的に確認できますか?
● 子どもの権利と環境の文脈における国際協力(他国の子どものためのより安全かつ健康的な環境づくりに寄与する国際援助を含む)を強化するための、主要な空白および戦略的優先課題は何ですか?
● 安全、クリーン、健康的かつ持続可能な環境に対する人権は、条約に基づいて保護される諸権利にとってどのような具体的意味を持ちますか? 健康的な環境に対する子どもの権利が国際的レベル、地域レベルまたは国内レベルでどのように承認・実施されてきたか、(前向きな)例を挙げることはできますか?
環境保護における子どもの権利の役割
● 一般的意見では、条約28条および29条1項(e)を考慮に入れ、かつ教育の目的に関する委員会の一般的意見1号で示された一般的指針をさらに展開する形で、環境・気候教育への子どもの権利を基盤とするアプローチおよび対応する国の義務をどのように扱うべきですか?
● 子どもたちが、環境危害によって自分たちの権利がどのように阻害されうるかを理解し、かつ環境保護に参加できるようにする目的で、環境情報の利用可能性、アクセス可能性、十分性および質を強化するために、法律上、政策上および実際上の優先課題(国以外の主体――たとえばメディア、ビジネスセクター――にとっての優先課題を含む)はどのようなものであるべきですか? 例を挙げてください。
● 環境および気候変動との関連で表現、集会および結社の自由に対する子どもの権利の行使を可能にしまたは阻害する法律、政策、実践および裁判例の例を挙げてください。この点に関して特定の集団の子どもたちが直面する追加的なリスクおよび障壁を考慮に入れながらこれらの権利の実施の擁護・加速を図っていくために、さらにどのような行動が必要ですか? 環境人権擁護者である子どもの活動を支援するため、国はどのような行動をとるべきですか? 可能であれば、すでに存在する例(たとえば資金拠出制度)を挙げてください。
● 環境、とくに気候変動に関する意思決定の文脈で意見を聴かれ、かつ真剣に受けとめられるすべての子どもの権利は、どうすればよりよく擁護・強化できますか? 環境および気候変動に関するあらゆるレベルの法律、政策、規則、プロジェクトおよび活動の発展との関係で、公的問題・政治的問題に参加する子どもたちの権利がどのように促進されまたは制限されてきたか、例を挙げてください。
● 子どもたち、とくに低年齢の子どもたちが環境・気候に関する意思決定に参加する余地を増やすために、具体的にどのような措置がとられるべきですか?
● 子どもたちが、環境・気候変動関連の危害に関わる権利侵害について、時宜を得た効果的な救済措置にいっそうアクセスできるようにするために国がとらなければならない具体的措置としては、どのようなものがありますか? たとえば、アクセスしやすく子どもにやさしい苦情申立てのしくみおよび法的手続、原告適格を認められる権利(集団訴訟を提起できることおよび将来世代の利益を代表できることを含む)、立証の負担および基準、企業の人権法上の義務、域外義務・域外裁判権、十分な賠償など。
● 環境・気候保護の文脈で子どもたちが司法にアクセスできるようにするために国がとった具体的措置(たとえば法律、政策および実務)のよい例と、前向きな成果(たとえば裁判例、実際上の影響)の例を挙げてください。
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提出していただいたご意見について質問がある場合または説明が必要な場合、ご連絡したいと考えています。こちらからの連絡をお断りされるときは、生じる可能性がある問題を解決できない場合に、提出していただいたご意見または特定の回答が受けつけられない可能性もあります。
□ 私が提出した意見に関連する問題について連絡を受けることに同意します。
□ 私が提出した意見に関連する問題について連絡を受けることに同意しません。
一般的意見に寄与してくださったすべての方の功績を明らかにするため、お名前または組織名を公に(すなわち一般的意見のウェブサイトで)紹介することを目指しています。個人として提出された場合は個人名を、組織を代表して提出された場合は組織名を使用させていただきます。
□ 個人名または組織名および意見の内容の公表に同意します。
□ 個人名または組織名および意見の内容の公表に同意しません。
(日本語仮訳:平野裕二=子どもの権利条約総合研究所)
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