通勤路
「おはよう、ゴッホ🌻」
通勤路の途中に、ゴッホのひまわりみたいな🌻が咲いている。人家の庭先に。黄色くピンピンしていたヒマワリも、そのうち数本は茶色くなってきた。このヒマワリに目視で挨拶をしつつ、職場のある町を目指す。
そのヒマワリが咲いているちょっと先に産土である神社の🌳がちょこっと見える。樹齢は100年足らずだろうか、楠木。その楠木にも目視で挨拶を。「行ってくるね」と。
祖父母の眠る納骨堂があるお寺の前も通る。ちょうど交差点の角に位置しているから、信号が赤の時は、そちらに向かって手を合わせて拝むことができる。生前、祖母がそちらを通る時にそうしていたから、わたしも自ずとそうなった。
車を走らせ隣町に入ると法面に苔が生い茂った道を通る。雨上がりの翌日はキラキラ輝いてとても美しい。
暫く進むと、建設業を営んでいた祖父が造ったバス停の前を通る。地元の小学生がペンキで蛍の画を書いてあり、賑やかなバス停。「じぃちゃん行ってくるね」と、手をあげる。大工だった祖父の大きな手を思い浮かべながら。
今日は、ちょっと混んでるな…と心配になってスピードをあげる追い越し車線。ここを○○分に通過すれば間に合うという目印にしている保育園前の交差点。
地元の方から、こっちの方が信号が無いから早いよ、と教えてもらった裏道を通る。すると、トトロの森みたいな場所と対面する。わさわさしていて吸い込まれそうな緑の塊。その両脇に田畑があり、冬は霜で真っ白。朝露がキラキラ光って美しい朝もある。
その集落の途中、七夕飾りがあったり、グランドゴルフをする方の集まりだったり、美化作業に勤しむ方がおられたり。小さい集落ながら、人の気配がする。
そちらを抜けると大きな中学校の通学路に繋がる。毎朝、立証に校長先生らしき方が立っておられる。見事な旗さばきで学生優先。その先には小学校があり、子ども達が体操服で運動場で何かしら活動している。この小学校前の信号が長い。車のミラーで乱れた髪を整え直す。
細いカーブなのに交通量が多い高架下。ここを抜けたら街の中心。消防署前で署員の方が朝の体操をしている。ここからは信号機が多い。急いでいる時に限って全部引っかかる。街の中心だからか、工事も多い。3月は学生の教習所カーが増える道。
この信号機まで着いたら安心。最初の頃は、真っ直ぐ直進していたけれど、どうやら、左折した方が早く着くことに気が付いた。
そこからは、真っ直ぐ真っ直ぐ。時間が余る時は、回り道して景色の綺麗な農免道路へ行くけれど、最近は時間優先。そうして、今日も職場に着いた。
夏の終わり、この路ともお別れ。
あと少し、あと少し。