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情緒不安定で話が飛びまくる高校時代のはなしが思い出されたので書いてみる

高1で吹部をやめたけど、今思うと抜け出して正解だったかなーと思う。中学から続けて頑張ってみるか、と意気込んだのが空回りしたんだと思う。その時の先輩や部内の雰囲気が、この頃身についた「あ、この人といるのやだな」「ここにいたらやばいかな」っていう直感に近いものを感じる。あの時、いくら頑張っても報われない感じがしていた。

先輩には、返事してるのに声が通らないせいか「返事!」と何回も指摘されたし、校舎で、移動教室か何かの人混みの中すれ違ったことに気が付かなかった私に「挨拶して!」って言われた。演奏会の衣装は白シャツだったけど丁度いいのが用意できなかったから、襟にステッチ入ってる制服の白シャツを代わりで持っていったらみんなが着替えてる所で大声で「それ制服じゃん!!笑」って言われたり…なんだかんだ、ちりつもだったな。
もちろんそれだけが原因じゃないけれど、先輩が怖くて、うまく対処できない自分を責めてくよくよして、そこを他の先輩に慰められても、部活中堂々としきれなくて、余計なよなよして、楽器も上達しないし、同級生にも顧問の先生からも白い目で見られて、地獄だった。
突き指をして楽器を演奏することすらできなくなった時に、先輩にも先生にも同級生にも、全員からがっかりされて、これから何をどう頑張ればいいのか分からなくて泣いた。周りの人はみんな、私の扱いに困っているような顔をしていた。問題児扱いされてると、なんとなく分かっていたけどやっぱりそうだった。部活をやめたいと思った。

人間不信に拍車がかかって、親にも部活をやめたいという話をうまく切り出せず、学校では部活に行かないけど部活が終わる時間まで自習室にこもり、家に帰ったら親には部活行ってきたと嘘をつくような日々を送った。その嘘がばれた時は、目の周りにアザが出来るほど殴られて、休めないから私はその顔で学校に行き続けた。トイレで、クラスの子とすれ違った時驚かれて心配されたけど、咄嗟に殴られたとは言えなかった。

その時の担任の先生もあまり良い先生だったとは今でも思えなくて、部活やめた1年生とそのすぐ後の2年生で誰も何も信じられなくなって、毎日学校行くのが嫌で嫌でしょうがなかった。教室に居場所がないと思っていたから、学校行く目的といえば、カウンセラーの先生との面談があることくらいだった。面談がない日も保健室に頻繁に通った。
文化祭で展示する建築模型の作成チームになった時は、私以外みんなバイトだの髪染めただので来ず、ひとりで生理痛と戦いながら冷たい教室で模型の土台作ったりしたのも、嫌な思い出として脳裏に焼き付いている。担任にチームメンバーについて、もう一緒にやってらんないっすよ〜!と相談したら、なんと、私以外のメンバーから私への謝罪を求めるでもなく、私をなかったことにして、私が作った土台から完成までの残りの作業を私以外のメンバーに全任せするという結論に至った。は??????だった。同じ時期に学校で模試があるから行かなきゃとなった時、体調ガタガタで精神もズタボロで、あ、無理だ!と思って、休みたいと思った。親に相談したら親も一緒に怒ってくれて、担任の先生と真っ向勝負、夜、電話を繋いで話した。私もどす黒い気持ちを抱えて勇気を出して電話をかわり、直々に、休みたいですと話したら、「そんなんじゃ社会に出てもやっていけないぞ」的なことを言われて、もう、ダメだった。親に受話器を返し、布団に顔をうずめて声を枯らして泣いた。それはそれは泣いた。さすがにその時は親も、負けるな!大丈夫だ!と激励してくれた。結局模試は行ったか行ってないか覚えてない。模型も、完成形は文化祭当日に見たけど、私が作成チームにいた時に提案していたものとはだいぶイメージが違った作りになっていた。

文化祭の良い思い出は…飾り付けでたくさん絵を描いた時だけみんながチヤホヤしてくれたことくらいしか思い出せない。
結局私はクラスの中で、名前も覚えられず(苗字は良しとして下の名前で呼ばれた記憶がほとんどない)、「絵が上手い人」という存在だったと思う。あんまり嬉しくなかった。ある日授業中、教科の先生がこれ、誰かに絵描いて説明してほしいなあとこぼした時、教卓の前の席から「絵?あれ、あの絵が上手い人、誰だっけ…」と言いながら教室を見回した男子と目が合って、気まずそうな顔をして前に向き直っていたのを覚えている。(←ほんとどうでもいいことしか覚えてないなこの人!)2年も経ってまだそんな感じ。
朝、車で送ってもらう時丁度朝ドラ(なつぞら)の時間だったから、車についてるテレビから流れてくるスピッツの優しいあの子だけが心の救いだった。


でもね!!!!そっから挽回した。
最後の1年。3年生がいっっっっちばん楽しかったんだよー!!!
担任の先生も変わり、厳しいだけ、優しいだけじゃない、ちょっと怖いけど皆から慕われるのが納得できるような先生で、クラスのメンツもいい。ついこないだも一緒に遊んできた今の親友とも、その時に知り合った。趣味が似ていて、すぐ仲良くなった。
1年生の時から同クラで、私が部活やめたことをよく思ってない子も中にはいて、相変わらず白い目で見られたりコソコソ言われたりしてたけど、大切な友達がひとり増えただけでそんなのどうでも良くなった。いや、1年生の時も2年生の時も友達はできたけど、人間不信絶頂期だった私の振る舞い方が下手くそだったため、みんな気を悪くして離れていった。だから3年生の時知り合ってから今もずっと仲良くいられるような親友と会えたのは、奇跡的なことなんじゃないかと思った。

仲良くなった親友と、昼休みに絵しりとりをしたことをよく覚えている。ふたりで、向かい合って座って、頭を突き合わせて絵を描いた。絵上手だねー!と褒めてくれるから私は調子に乗ってたくさん絵を描いた。親友の絵のタッチや切り取り方が独特で、私は目の前で筆が進む度すごくワクワクした気持ちになった。人が絵を描いてる所を見るのって楽しいなと思ったし、何を描いたか分からなくてくねくねした線を見つめ合えば、何故かフツフツ笑いがこみ上げてきて、2人してゲラゲラ笑い合った。周りの目を一切気にせずに。1年、2年の私からしたら信じられない光景だった。なにやら楽しそうだと寄ってくるクラスの人達をよせつけんばかりに、ふたりで休み時間を楽しみ尽くした。

親友が入っていた部活の部室に初めて行った時のこととか、思い出すなあ。親友いわく、部室の使い方が自由度高かったから、案内してもらってそこでふたりでお昼ご飯食べたりしたなあ。あと、親友が入っていた委員会にも「友達でーす」って言っておじゃまさせてもらったりもしたな。「この子すごく絵が上手いんですよ!」と紹介されて、委員会の先生にも絵を見せることになって、先生も私の絵を気に入ってくれて、そこから、委員じゃないのに刊行物のレイアウトをちょこっと手伝わせてもらったり、ポスターの絵描くことになったりしたっけなあ。楽しかったな。
思い返すと、それまでの暗〜い高校生活が変わるきっかけにはいつも親友がいた。部活にも委員会にも入っていない私を、親友は、いちクラスメイトとして対等に接してくれた。私はそれがものすごく嬉しかった。部活をやめたことも、親に殴られたことも、保健室の先生やカウンセラーの先生以外で唯一、親友には打ち明けることができた。面と向かって聞いてくれた親友は、家出したくなったらこっちおいでね!ご飯作って待ってるよ!と言ってくれた。
そうやって、段々と学校に行くことが苦ではなくなり、楽しいと思えるようになった。それからは、成績も最後の1年なのにすごい追い上げを見せたし、友達付き合いも、ちょっとだけオープンになって、人見知りは全然直らなかったけど、あまり話したことがないクラスメイトとも授業で分からない所を聞き合ったり教え合ったりする程度のやりとりができるようになったし、自然と、教室でも胸を張って居座ることができた…ような気がした。

高校の時のことは今もたまに思い出される。たいてい、愚痴しか出てこない。今も書いていて、嫌なのに忘れられないとか、笑い話にできないようなこととかの方が多いんじゃないかと思う。
でも、最後の1年には、その前の2年間を忘れさせるぐらいの楽しい瞬間が何回もあった。トイレと自習室しか心が落ち着く場所を知らなかったけど、親友が手を引っ張ってくれて、校舎の色んなところを一緒に歩いた。教室で勉強することだけが、部活を頑張ることだけが、高校生活の全てじゃない。親友が教えてくれた。
そしてそのおかげで、今の私が「他にもなんかできることあるかな」「他にもどっか行けるとこあるかな」って、息抜きすることを覚えた。親友との出会いがなかったら、きっと自分の中にこんな価値観は芽生えてないし、つらい状況下に置かれた時の逃げ道を探せなくて更に自分の首を絞めるような考えのままだっただろう。
当時も周りからはよく真面目だねと言われてきたけど、真面目だ真面目だと言われてきて思った、実はつらいんだと。多分真面目というのは見かけだけで、教室でも俗に言う陰キャに過ぎなかった。もし、見かけだけで私のことを真面目って思ってた人に、真面目ってつらい、本当は真面目じゃなくなりたいと正直に打ち明けたら、きっとがっかりされただろう。でも、そこで「じゃあ、どっかで休もー」と言ってくれるのが親友だったんだ。あ、休んでいいんだ。そこで気がついた。
高校を卒業しても、私には真面目に頑張ってほしいと思ってきかない親とのいざこざ等で、家でひとり病んだ私は、親友に何度かLINEで助けを求めたことがある。その度に親友は、連絡=限界だってことを分かってくれて、ご飯いこうとか、どっか出かけようとか、息抜きする機会を作ってくれる。そして今では、限られた環境ではあるがひとりでも息抜きして、その場しのぎだけど心の健康を守ることができるようになったと思う。本当に親友には感謝してもしきれない。

良くも悪くも、人の縁って本当に不思議だなあと、この高校の時の話を振り返ると思うのだ。

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