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マラソン大会がすごぉおお…く嫌いだった私に、兄が言った一言



実家のWi-Fiの調子が悪い。



高齢の祖母と初老(とか言ったら怒られる)の母の二人が住む実家の電波関係は私が管理をしている。

同じ関東なのだが、自宅から実家までドアトゥドアで2時間半かかるとどうも帰る足が遠のく。
帰る理由を無理やり探しでもしないと、盆や正月くらいのインパクトでは到底実家に帰らないのだ。


きょうだいで唯一ひ孫と孫を見せない風来坊な私の役割は、もっぱらテクノロジー関係のため、今回のような電波トラブルが起こると重い腰を上げて実家に帰る。

実家の最寄り駅から実家までの道のりをとぼとぼと歩いていると、
あれ、これは、とふと一つの思い出がよぎった。


そうだ、この電柱だ。懐かしい。私の「努力の実らせ方」を教えてくれた電柱だ。



坂の、上の電柱のはなし


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小学校6年間、マラソン大会というものがあった。


くるしいねん、まじで



心身ともに健康に、の意なのか、極寒の1月だか2月にそのイベントはやってくる。

私はこのマラソン大会がゲロミソ嫌いだった。
マラソン大会好きなやつの大半は
俺1年間、半袖半ズボンでガッコー通うぜwwww」といって
半袖半ズボンに手袋とマフラーをしてる少年くらいだ。

もともと若干虚弱体質で、運動は苦手だし長距離走なんてもってのほか。

たしか参加人数がだいたい2クラスで40人くらいなのだが、いつも私はがんばっても30位台だった。

小学校6年生、12歳の冬、大会前私(🐢)は家でグチグチと文句を垂れていた。

「あ〜〜〜あマラソン大会やだな〜〜〜結局6年間10位以内はいれなかったよぉ」
と言うと、そばに居た兄(👨)が
『お前、10位以内入りたいとか思ってんの?』

と聞いた。

🐢「え〜〜〜そりゃ〜入りたいよ。でも私足遅いもん」
👨『本当に本当に入りたいって思うか?』


ちなみにこの《10位以内》は何かというと、40人中1位〜10位は賞状をもらえるのだ。
そのため我々はみんな《10位以内》を目安に頑張る。箱根駅伝のシードみたいだね。


🐢「え‥そりゃまぁ入りたいけど、でも無理だよ。いつも30番台だもん。よくて20番後半かな。」

👨『本当に入りたいと思うんだったら、まずストップウォッチを用意して今日から坂の上の〇〇歯科まで走って行って〇〇歯科の電柱にタッチして帰ってこい。タッチしたときと家についたときの両方をタイム測って帰ったらすぐに冷蔵庫に貼った紙に毎日タイムを書け。それを1か月間毎日やったら絶対10位以内に入るからな。』


と兄は私に言った。
そ〜んなまさかぁ〜、と思ったが当時の私は
「小学校最後のマラソン大会だからやってみるか」くらいの気持ちで、とりあえず実践してみるか。と思った。

それから兄の言う通り毎日毎日坂の上の歯科の前まで走り、
電柱にタッチし、走って帰ってきて、冷蔵庫に貼ってある紙に毎日タイムを記録した。1ヶ月間毎日。




そして結果。





なんと、4位wwwwwwwwww

まさかのwwwwwww



思えばあのときが人生初めての「努力が実を結び、結果として出た」瞬間だったと思う。
このリトル成功体験を紐解いて考えていくと、
私の30位→4位は紛れもなく兄の的確かつ「とりあえずやってみるか」
を引き出す完璧な指示出しだったからだ。

「走るのが早くなる」というシンプルな出来事だったため、簡単な指示であったが、それにしても私の行動の導線と期間を提示してくれた兄はすごかった。


今、自身で教育事業を運営していたり、ありがたいことに
専門学校や様々な場所で講義をさせていただくと
教育の根本」「教えること」「伝えること」の
本質的なところをひたと考える。


教育をしていて思うが、教育を受ける立場の人材に散見されるのが、
自分の能力値と肯定感の乖離がかなり激しい。優秀な人ほど特に。

自己肯定を得るには一定の成功体験が必要であるため、できるかぎり私は相手に失敗をさせないような教育方法をとっている。
失敗から学ぶことももちろんあるのだが、それよりも成功の広がりの方を大事にする。そこから気づくことって多いんじゃないかな。


そしてその成功体験を積むには0→1を自分で考えて構築できるケースとそうでないケースがある。
成功するハードルが高そうなものほど、私は先に努力するためのノウハウを提示してサポートしていくのが教育やコーチングなのではないかとおもう。

お兄ちゃんは、それをしてくれたんだね、ありがとう。



坂の上の電柱を見ながら、そんなことを思った。




阿部寛に似てるうちの兄は、とてもイケメンなんですよ(180cm)


母子家庭だった私はヴァージンロードは兄2人と、小さいときから決めてました
(にしてもお前ら表情硬いんじゃ)






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