CHILAN|NEW LOGO, NEW ME.
CHILAN ロゴ変更のお知らせ
この度、CHILANのロゴを一新します。
理由はオープン前とオープン後で見える景色が変わったことと、今後のブランディング強化のためです。現在合わせてHPも作成中です。
旧ロゴはまだ東京にいた頃、仕事中にふと思い付いて10分でつくりました。CHILANの略語「CL」を、遊び心というコンセプトのもとグラフィック化したもので、それはそれで思い入れのあるものなのですが
広島に移住して見えた景色、出会った生産者、広がった世界、目指したいこれからをもっと的確に表現したものにしようと、今回大切な友人であり尊敬するデザイナーの菅谷 真央に新しいロゴをつくってもらいました。
彼には旧ロゴ含め、今までに制作した名刺やステッカー、ボトルオープナーなどの監修にも入ってもらっています。
ロゴのリニューアルに関しては1年近くかけて話し合い、実際広島にも滞在してもらって、藤井と3人で悩みに悩んで生まれた私の分身です。
新しいロゴマークは家紋のような、蓮の葉のような、器のような、人のつながりのような。花にも見えますね。CHILANは漢字で書くと「枝蘭」、花の名前です。
そしてこのCHILANのロゴタイプもまた難しく。。
旧ロゴで使用したCopperplateは1901年にアメリカのタイプデザイナーFrederic W. Goudyによって考案された書体で、その名の通り銅板印刷をしていた時代に使われていた文字を書き起こしたものです。デザイン本を読み漁り、フォントかるたを購入し(?)200以上のフォントを比較して、選び抜いた書体でした。
(結局銅板や活版印刷に目がないだけですが。)
工業的で少しかっちりした男性らしい印象ですが、飲食でもよく使われています。代表的なブランドでいうと、DEAN&DELUCAやKIHACHI CAFEがそうです。ただ旧ロゴを見て「なんかホテルのロゴみたい」と言われて、たしかに…と。
リニューアルすると決めてオーダーしたことはひとつ。それは最近流行りのノンセリフ体にはしたくないということ。ブランドを表現するロゴがなんでもかんでも極シンプルな方向性に一極化したり、盲目的なFutura賛美で蔓延している世界観に疑問を持っていたのがその理由です。(もちろんFuturaにはFuturaの美しさがあります。)
無駄がある人生こそ豊かであると思っているので、無駄=セリフのあるフォントがいいとお願いしました。レストランもワインも嗜好品であり、なくても生きていけますが、私はレストランもワインもある人生を選びたいからです。
そこでベースの既存フォントこそあれ、セリフの細かい点を修正し、整え、オリジナルのフォントをつくってもらいました。最後の最後まで「Lが…Lが気に食わない。。」と言って朝まで手直ししていました。本当にありがとう。
皆さまに長く愛されるロゴとなるよう、精進していきます。
ちなみに私の好きなロゴは、尊敬するタイプデザイナーの1人である小林章さん(Linotype社)も関わっている虎屋の欧文ロゴです。
ポイントは細かく見ると本当にたくさんあるのですが、分かりやすいのは「Rのしっぽ」です。ロゴの中でも唯一アンダーラインをはみ出し、かつ横に伸びているので隣のAとの空間が他の字間よりも意図的に狭くデザインされています。この動きのある「Rのしっぽ」、虎のしっぽに見えてきませんか?いつまでも見ていたくなる、本当に素晴らしいデザインです。興味ある方はぜひこちらを読んでみてください。
https://sun-ad.co.jp/works/toraya/logotype_naming/
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