ちゃんと目覚めますように

前の会社を休職した日から1年経った。
1年経ったら全部忘れようと思って書いてる。でも多分しばらくは覚えている。
つらつら書いていく。

休職中地元へ帰ったとき、高校の先輩に会った。
仕事の話になったとき、先輩が休職してた話をしてくれた。よく戻ったなと思った。先輩はすごいなと思った。
帰り際に、「私も実は休職中なんです」と話してみた。でも先輩ほど過酷な環境じゃなかったんですけどねと付け足すと、「いや、大変だったかなんて本人にしかわからないでしょ」と言ってくれた。
他人の地獄はその人にしかわからないから、その内容は理解はしちゃいけないものだと思ってる。地獄だったんだなと受け入れてもらえたら心は救われる。ただその受け入れをすることと簡単なことじゃないから、人間は「なんでそんなことで」と思ってしまうのだと私は考えている。だから、先輩は本当に強い人だと思った。先輩があの時そう言ってくれたから今は元気です。

2ヶ月後に同期が私と同じ理由で会社を辞めたとき、「どうして?」と思ってしまった。私には同期の地獄を受け入れてあげることができなかった。本当にごめん。
先輩が私を受け入れてくれたから、私も誰かにそうしてあげたいって思っていたのに。心に余裕がなかったんだと思いたい。

お世話になった上司とはたまに連絡を取り合ってご飯へ行く。
もう一生会わないと思っていた後輩ともこの前会った。
もう一生会わないと思っていた先輩とは毎朝通勤ですれ違う。けどこの先も一生会わないと思う。

自分が会社を辞めたとき、会社自体ちょっとおかしかった。色んな人が辞めて、色んな部署で問題が起こって、もちろん私の部署でも。
私の部署で上司同士が揉めたとき全部私のせいだと思った。私の担当した仕事で問題が起きるのは私が仕事ができないから、私がうまく部署同士を連携させなかったから、私のせいで誰も円滑に仕事ができていない、毎日毎日ぐるぐる考えていた。
2年目の私じゃもうどうにもならなくて、上司に頼んで上に話をつけてもらって、でも誰も納得できる回答をもらえなくて、それでチーム内で揉めて、上司に「どうすればよかったわけ?」って言われてしまった日、なんだかもう全部どうでもよくなってしまった。私がいなくなればこの会社、この部署、このチーム、この企画、きっとうまくいってたんだろうなと思った。
私が休みますと言った日からも、誰のせいでこうなったと責任の押し付け合いが始まったと聞いてしまい死にたくなった。

上司達も過去に精神的なもので休職していたことがあるらしい。そういう話を周りからされると、その人たちほどしんどくない状況にいるのに弱いなと思われそうでずっと誰にも相談できなかった。人事のわりと信頼していた人にその話をされてしまったから、私はもうこの会社で話せる人は誰もいないとその時悟った。
でも私も自分が病院に行くことは逃げだと思っていた。だから行くのが怖かった。でも今はあの時行って正解だったと思う。

「私は全部自分のせいだと思って生きていました」と上司に告白してみた。上司は「それは絶対にないよ。タイミングが悪かっただけだよ」と言ったけど、私はなんだかまだ自分が許せない。

私の上司も先輩もいつも私を助けてくれた。だから私も後輩を守りたかったし助けたかった。でも私にはまだそれができなくて、いつから自分に課した責任が重荷になっていた。私は何になりたかったのだろうか。

上司達が私にしてくれたことには感謝している。でもやられたこと、言われたことは一生覚えてるし、一生許さないつもりでいる。
許してしまったら私はあのとき憧れも夢も全部捨てた私が可哀想だと思う。

仕事を辞めてしばらくニートだった。
とにかく生きていくためには働かなくちゃと思っていた。焦ると何もうまくいかないし、適当に会社受けまくっていたので適当さを見透かされてボロカス言われた面接もある。大泣きしながら帰って、そのたびに自分は価値のない人間だと落ち込んだ。その話を人にすると、そんな会社はすぐ潰れるから行かなくて正解だよと言ってくれた。

今の職場に就職してすぐ、前の会社と電話が同じでそれを見て動悸が止まらなかった。
今は仕事で毎日泣くことはない。しんどいこともあるけど、前に比べたらと思うと楽になる。

このまま目覚めなかったらいいのになと思う夜や朝がないのは安心するな。
明日もちゃんと目覚めますように。



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