根拠もないが期待だけ持つ

この前、元上司、元同期と会った。
前職時代からたまにご飯に行くグループで、今回は上司が退職するから最後の挨拶をする会だった。

メンバーは、私、佐藤(同期)、村山さん(上司)、野村さん(上司)
今回は野村さんの退職祝?だった。
私と村山さんが企てた。
野村さんは他部署の上司で、仕事で関わったことは一度もないが良くしてくれた。とても優しい人だった。
村山さんはいつかの記事で出てきましたね。その村山さんです。
佐藤は野村さんと村山さんの直属の部下だった。(佐藤も会社を辞めた)

ご飯自体はとても楽しく、終始ずっと笑っていた。
会社の話は聞けば聞くほど辞めて正解だったなと思った。

野村さんが、「村山さんはいつまであの会社にいるんですか」と聞いていた。
「僕もそろそろドロンするつもりです」と村山さん。佐藤が「村山さんいなくなったらいよいよ終わりですね」とフライドチキンを食べながら言った。
私もチキンを貪りながら頷いた。

私達はあの会社でたしかに一緒に働いていた。
でも皆別々の道を歩き始めた。確実に世界は動いている。

「ハンバーグさんは今楽しい?」と野村さんが言った。「前よりは多分」と言うと、「それが聞けたから心残りないよ」と言われた。
私も野村さん、村山さん、佐藤、その他お世話になった人たちが元気に楽しく生きていてくれたらそれでいい。でもそれが言えなかった。自分のことを考えてくれた人がいるということが嬉しくて、泣きそうで、言葉が詰まってしまった。

別れ際に「もうこのメンバーで集まることはないんですか?」と聞いた。野村さんと村山さんには「このメンバーで集まることはない」という断言に聞こえたらしい。「ハンバーグさん結構言うね」と笑っていた。佐藤が咄嗟に、「みんな散らばりますもんね」とフォローをしてくれた。
野村さんは「落ち着いたらまた会おうよ」と言った。
村山さんは「僕はいつでも空いています」と言った。

帰りに佐藤を送っていった。
佐藤が「あのメンバーではもう多分会わないよ」と言った。
胸が詰まった。私も同意見だったから。
会社という繋がりが無くなればもう二度と会わないというのは谷口さんのときからわかっていて、恐らく野村さんとも村山さんとも会うのはこれが最後だ。
そして野村さんも佐藤も引っ越す。
私達は、さようなら、お元気でと言葉を交わしていない。
暗黙の了解できっともう会わない。

だけど微かな期待を込めて、「いつかまた会えたらいいね」と返した。


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