30歳真冬の大冒険〜京都1日目編〜
一月の下旬、普段は絶対に寝ているくらいの月曜の早朝、東京駅にいた。
妻と前日に些細なことがきっかけで喧嘩をしてしまい、少し寝不足かつ気まずい状況の中、家を出た。朝気合を入れて髪をセットした。オイルがつかないように結婚指輪をとって、いつもより時間をかけた結果、指輪をつけるのを忘れてきてしまった。自分にとってはかなりショックなことだ。喧嘩のこともあって気落ちするスタートとなった。
しかも、出発時刻が早すぎて、駅弁はしょうもないものしか買えなかった。さらに、天気予報を見ると滞在中は雪予報の大寒波になっている。人生の運は結構いい方だと思うけど、この時ばかりは不運が続いて笑うしかなかった。
とはいえ、落ち込んでる場合ではない。しょうもない駅弁を持って、予約した指定席の新幹線に乗り込んだ。ソワソワするけど、30歳だし慣れているフリを精一杯した。でも新幹線の窓から景色を見て、期待に胸を膨らませた。富士山には雨雲がかぶっていた。席では無下に思い入れのない駅弁を食べて、今日から活躍する予定のカメラたちを磨いた。Google mapで初日の予定も立てた。
電車では寝たりすることなく、東京→神奈川→静岡→愛知→岐阜→滋賀→京都と景色の移り変わりを楽しんだ。どんどん見覚えのない景色になっていく。遠くに向かっている実感が湧いた。
9時過ぎに京都駅に着いた。とりあえずフォトジェニックな京都駅で慣れないおじさんが自撮りをする。よくSNSとかで人があげているのをみていた京都駅だ。くるりのジャケットで印象的な京都タワーもある。聞こえてくる会話も方言混じりで関西に来たことを実感した。
すぐに駅近くのアパホテルに向かい、荷物を預ける。これで身軽になった。カメラを3台持って行ってて使わないカメラもカバンに入れていたので実際は少しごちゃごちゃしていた。
ホテルの外に出て、すぐに鴨川の方に向かう。旅の始まりを感じた。気温は1桁台でものすごく寒かった。
自分は歩くのが好きなので歩いて清水寺に向かうことにした。土地勘が全くない場所をゆっくりとカメラを構えながら歩いて回る。関西の空気は少し関東と違う感じがした。
その時に撮った後ろ姿シリーズの写真がこんな感じ。すぐに36枚フィルムを撮り終わった。
七条を抜けて、清水五条の駅を曲がって五条通りを進む。寒かったからか思ってたより街に人が少な買ったことが印象に残る。
大きな五差路にでたところで中学の時にバスから見た景色を思い出した。15年ぶりの記憶。心が躍った。そこから清水方面の坂を登る。お馴染みの光景と、大勢の観光客を見て自分が京都にいることを強く感じた。
その後、祇園方面に向かう。もちろん徒歩で。八坂の塔とか枝垂れ桜とか、おそらく中学生の時も見たんだろうけど、あんまりよく覚えてない。1月に行った時は枝垂れ桜は健在だった。その後倒れたニュースを見てとても驚いた。狭い道に外国人がたくさんいて、歩いていても多言語が聞こえてくる状況がとても不思議に感じた。真冬でものすごく寒いのに半袖半ズボンの軽装な外国人がいて驚いたりもした。パークハイアット京都がとてもかっこよかった。泊まってみたいなぁ。
ちなみに、自分は歴史がてんで駄目であり、どの寺で誰が何をしたとか全く知らない。名前聞いたことがあるなーってお寺を横目にズンズン進む。
そうこうしているうちに祇園あたりについた。目的はいくつかあったが、Leica京都店に行くことをとても楽しみにしていた。自分はLeica m6というカメラを使っており、どこに行くにも持ち歩いている。1994年生の自分と同い年のカメラである。
この旅行も当然持ち出していた。アイコニックなカメラなので、外国人に話しかけてもらえたり、カメラ好きのおじさんとのコミュニケーションツールになったりする。あわよくば、同じ旅行客と残りの滞在でどこかを巡ったりするきっかけにならないかと淡い期待を抱いて向かった。定休日だった。
(ちなみに数日後リベンジして訪れることになるが、外国人のお金持ちそうな方の接客で忙しそうにしていたので、特に何も起こらずに終わった)
自分の下調べの甘さにヘソを曲げた。気分転換に、ちゃんと調べていた京中華へ向かうことにした。少し早めの昼食である。
祇園を南から北へ進む。なるほど、これが祇園の景色か。午前中に来るもんじゃない、夜に来る街だと思った。午前中の祇園は酒屋のトラックが多くて、朝方の新宿近辺とかに近い雰囲気を感じた。ずっと上品だけど。
目的の店に着いたのは開店十五分ほど前だった。すでに先に3人ほど待ちがいたので、列に接続する。午後どんな感じで過ごそうか、たくさんピンを立てたMapを見ながら時間を潰した。
そうこうしている間に店が開店し、店内へ入る。20人もおそらく入れなそうな小さなお店だった。ここでからしそばと春巻きを注文した。信じられないくらいむせながらも、美味しい食事を楽しんだ。これが京中華。食べるの大好きな妻に写真付きで報告してみたりした。
この時点で京都について3時間くらい。ペースを見誤った。歩きすぎてだいぶ足が疲れていた。4泊もいるのにものすごくパンパンに予定を詰めすぎた。でもこのことに気づくのはホテルに戻ってからだった。
懲りずに北上して三条京阪駅に行く、地方の電車は土地勘がないので異世界に感じる。どっち行きがどっちかもよくわからなくなる。蹴上に向かう電車がどっちか分からず駅員に聞いた。
無事望みどおりの駅に着いて、南禅寺に向かう。かなり疲れていたのでコーヒー屋を探した。せっかく京都に来たのに、東京で何度も行ったことのある、ブルーボトルに入った。西海岸(新宿)で飲む、いつもの味だった。
一休みして気を取り直して南禅寺に向かう。京都の旅の中で来訪したい場所の一つだった。大好きな映画で南禅寺が登場するからである。
お寺に入ると、自然と背筋が伸びるような神聖な空気があるように感じた。
綺麗な入り口から、門を潜って奥に向かう。水路閣も見たかった。テンションが上がる。どこをとっても画になる。秘蔵しておいた、期限の近いISO800のフイルムを出して、たくさん写真を撮った。
そこからまた歩いて平安神宮に向かう。もはや競技ってくらい歩いた。
ここも前述の映画で出てくる。歴史とかは本当に無頓着なので、すごい広い大きな綺麗な場所だなぁって思いながら色々見て写真を撮った。
せっかくなので建築をゆっくりみたり、散歩して満喫した。京セラ美術館も見たかったけど今回は断念した。
ここでやっぱりめっちゃ疲れていることを自覚する。一桁代の気温だったので少し悩んだが、レンタサイクルを借りる。
丸太町を抜けておしゃれなショップをいくつか見てみる。誠光社という、本のセレクトショップが素敵だった。
妻へのお土産を見繕ったりして体力的に限界が来たので、またチャリを借りてホテルへ向かう。ホテルにて休憩する前に、薬局に寄り、体力回復グッズを大量に買い込む。ホテルでは気付いたら寝落ちていた。15時ごろに帰ってきて、17時過ぎまで寝ていた。1日目の夕食は好物のラーメンを食べると決めていた。絶対に美味しいラーメンを食べる。間違いなく絶対にだ。という気持ちでホテル近くの第一旭に向かった。第一旭ってバレーボール強豪校みたいな名前と妻が言っていた、確かにその通り。
17時過ぎでもものすごく行列ができていた。並んでいる間はずっと、後ろの外国人が前に進んでないのに、列を詰めてくるのを気にしながら、馴染みのラジオを聴きながら気を紛らわせてなんとかやり過ごした。
チャーシュー麺と餃子を頼んだ。旅行の時は財布が緩くなる。
新宿御苑でも神保町でも何度も入りたいと思ったけど、最初は本場で・・・という夢が叶ってよかった。
夜はサウナの梅湯で済ませた。よくシステムをわかっておらずにタオル一枚でやり過ごした。多分失敗に終わった。
サウナを済ませたらとんでもなく疲れが襲ってきてホテルに帰ってすぐに寝た。とんでもなく疲れていたので、とんでもなくいびきがうるさかったと思う。そんな感じでバタバタした京都の一日目は幕を閉じた。
こんな長い文章を書いてみて、とにかく疲れていることを何度も書いていた。退屈な文章かもしれない。こんな文章をあと4日間(ボリュームが多すぎたので推敲しようと思う。)更新する。
もしここまで読んでくれた方がいたら、本当にありがとうございます。