PMとともに生きるProduct Operations
こんにちは、chikitamです。
Twitterでも以前呟いたのですが、最近社内外で“Product Operations”というポジションのメンバーと一緒に働くようになったり、Meet Upで会うメンバーがProduct Specialist だったりしたこともあり、少し詳しく話を聞いてみたりしました。まだ日本には馴染みのないポジションかもしれないのですが、面白かったのでメモしておきます。
(3月のツイートを今更書いている)
そもそものPdMのお仕事
そもそもPdMとはどういう責任範囲があるのか、会社や規模によっても異なると思うのですが考えて見ようと思います。私が前職のメルペイ時代にやっていたことをメインに列挙していこうと思いますが(大体はメルペイJDを参考にしています)
(1)該当サービスにおけるプロダクト企画・開発推進
プロダクト開発に携わるので担当プロダクトにおける企画、つまり仕様の策定からリリースに到るまでのディレクションを一貫して行います。会社によってはWebからアプリ問わず開発していることもあります。
(2)プロダクトロードマップの策定
ロードマップ作成と管理から、開発機能の優先順位付け、実装マイルストンの策定もPdMの大事な職務内容ですね。
(3)事業横断型のタスクフォースプロジェクトの推進
社内には様々な機能を担当するプロダクトチームが存在し、他チームに影響がある場合など、横断型のプロジェクトが多々発生します。その際には他チームのPdMと連携しながら円滑に進める必要があります。
(4)Growth、Sales、Customer Success、CS、PR、Legalチーム等との連携
キャンペーンの実施などではGrowth(Marketing)やData analyst、クライアント導入・問い合わせフォローなどはSalesチーム、お客さま対応についてはCSチーム、新機能リリース時のPR、新機能の仕様策定時にはLegalチーム等、たくさんのチームがプロダクトをフォローしてくれるのでPdMはそのHubとしての役割も担うわけです。
大体はこんな感じでしょうか。上記に加えて、 A/Bテストで新機能の反復実験をしたり、SQLをゴリゴリに書いた行動分析・データ分析などのData Analysis業務などももちろんあります。デザイナー的要素が強い人、エンジアリングに精通している人、得意不得意はあるにしろとにかく「なんでも屋」的側面が強い印象でした。
では、Product Operationsとはどういう役割を担うのでしょうか。
Product Operationsとは
Product Operations はProduct Specialistというポジション名がつくことが多いです。
Product Planの中ではProduct Operationsとはどのようのなものか、以下のように記載されています。
What is Product Ops?
Product ops, or product operations, is a role designed to help a company’s cross-functional product team operate as effectively as possible. Product ops specialists own many of the product team’s behind-the-scenes initiatives such as
*Facilitate user interviews and other market research
*Oversee quality assurance checks on new features
*Analyze data to help product management make better-informed decisions
*Develop business processes to streamline product development
*Manage the many tools (for roadmapping, prototyping, etc.) the product team uses
*Work closely with support and sales to improve the customer experience
要約するならば、「クロスファンクショナルなプロダクトチームが可能な限り、効果的に業務を遂行できるようにサポートする役割」です。Such asに続くProduct Opsの役割の例には、
*ユーザーインタビューやマーケットリサーチの進行
*新しい機能のQA
*Product Managerがより良い情報に基づいた意思決定を行えるようにするためのデータ分析
などの記載があります。 もちろんこれに限らないと思います。
ここで、私は思ったのです。「あれ、これ日本のProduct Managerは全部やっているぞ。」と。
PdMとともに生きるProduct Operations
会社の規模が大きくなってくると、PdMは機能開発業務に集中し、Product Opsが機能の効果テストを行ったり、ユーザーからの問い合わせを受け取ったり顧客データを分析し、PdMへフィードバックします。
また、PdMに代わって社内のステークホルダー(コンプライアンスチームや他のプロダクトチームなど)とコミュニケーションをメインで行うシーンも多々あり、開発による他チームへの影響調整や仕様レビューなどを行います。もちろんPMも同席することはありますが、第一のコミュニケーションはProduct Opsから始まります。上記JDを参考にした(3),(4)は主にProduct Operationsの役割であることが多い印象です。
PdMはコミュニケーションリソースが減る分、プロダクト開発に重きを置句ことができ、プロダクトUXの磨き込み・開発スケジュールの調整・プロダクトマイルストンの策定・プライオリタイズ、などに"プロダクトマネジメント"そのものに集中することができます。
日本においてはPdMの責務がProduct Operationsの役割と重複していることもあるのでパッと理解しにくいかもしれませんが、PdMを極力プロダクトの開発タスクに集中させることで、PdMのリソースはよりプロダクトマネジメント方面へ注力することができます。UXについて、適切な仕様について、じっくりと考える時間が取れるようになるでしょう。
他チームとの(結構大変な)コミュニケーション、必要だと思ってるけどなかなかできない分析業務など、Product Operationsがいてくれるからこそ、プロダクトそのものについて向き合う時間が取れるようになるのだと思います。
ちなみに、少人数規模の開発組織ではProduct Operationsはうまく機能しないかもしれません。それはPdMがある程度、その役割をこなすことができるからです。一度に開発できる機能の数や開発リソースが限られていることもあります。Google, Youtube, Facebookの規模ではProduct Operations(ないしProduct Specialist)のJDを見つけることができます。(例えばFacebookのProduct SpecialistのJDはこんな感じ)
大規模な組織では、たくさんの機能が同時に開発・リリースされていて、PdMは一つ一つの機能について影響確認をしたりしてはスケーラブルではないでしょう。ステークホルダーの数が増えれば増えるほどPdMだけではハンドリングできなくなるため、Product Opsがそこをサポートします。Product Opsが他のクロスファンクショナルなチームとコミュニケーションをとったり、必要なデータを集めてきたり。その一方でPdMは開発のTracking、リリースまでのマネジメントに集中をします。こういった役割分担があるようです。
と、こんな感じで書いてみましたがまた追記があったら記載します!他の会社でもこういう例があるよ、という話があれば教えてください〜!