築地本願寺を#マーケティングトレース
今回も『カンブリア宮殿』から、築地本願寺の #マーケティングトレースを行う 。ちなみに、今回焦点が当たっていた方は高校の先輩らしい。
かつての権勢は見る影もなく…?
寺がかつて果たしていた役割は昨今ほとんど需要がなくなっている、といっていい。政治的には、より個人が重視される世の中になってきており、かつてのような「イエ制度」はどんどん廃れてきているのではないだろうか。例えば、男女雇用機会均等法などにより、「女性は家庭に入って支えるもの」という価値観はもはや過去のものになりつつある。もし夫婦別姓が可能になれば、より「イエに入る」という価値観は廃れていくだろう(ここではそれが良いのか悪いのかという話はしない。それは個人の考えが尊重されるべきだ)。「イエ」という概念が薄れてきていることはすなわち、寺院が依拠してきた檀家制度の崩壊に直結する。つまり「父母が仏教だったからその子供も仏教」というような継承が起こらなくなっている。地方から都会への人口移動という社会面でのマクロトレンドもこの檀家制度を崩壊させる一因になっているとは思うが(『カンブリア宮殿』でも述べられていた)、筆者としてはこの政治的トレンドが最大の原因であるように思う。
一方でチャンスもある。経済的なトレンドで言うと、昨今の「終活」気運の高まりは、人々が「死に際」について考える機会が増えているという意味で、寺院にとっての追い風になっている(「死後」ではなく「死に際」という点に注意する必要があるが)。また、AR / VRといった「想像を可視化する技術」が発達していることは、寺院にとっては追い風になり得るのではないかと思っている(後述)。
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マーケティングトレース集 by 瀬川知己
過去のマーケティングトレースnoteをまとめています。週1本追加予定です。
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