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SARAYAは「環境問題解決の実利化」に力を入れるべきだ

 今週のカンブリア宮殿で特集されていた「SARAYA」は、環境問題の解決につながる商品を作っている企業だった。

SARAYAが解決している課題

商品を創られた経緯からもわかるのだが、SARAYAは「環境問題」を解決しようとしているのではないと思う。あくまでも、当時の環境問題によって「困っている人の課題」を見つけて、それを解決する商品を作っていたのではないか。例えば、公害問題でのどを痛めてしまう小学生や工場の従業員の人の課題を解決するために、うがい器を創った。給食製造で働くおばちゃんの手荒れの問題を解決するために、ヤシの実を使った食器用洗剤を解決した。それらの商品が環境保全につながったというのはあくまで結果であって、原点は、「人が困っている課題を解決したい」という思いだったのだ。「衛生・環境保護」という軸や、「健康にいい」という軸は、自社製品が生み出した結果から、後発的に作られたもので合って、最初から志向していたものではないのではないだろうか。

SARAYAの現在の方向性

 SARAYAは、創業から70年近い月日で、アルコールをはじめとした、自社製品を製造するための原料について、多くの知見を貯めている。現在のビジネスの方向性は、「衛生・環境・健康」を軸に、「商材が持つ特性を生かして、より多くの個人が抱える問題を解決する」ことであるように思う。例えば、アルコールが持つ特性を生かして、急速冷凍技術の機械を創り、外食店に使ってもらう。より糖質が低い甘味料を活かして、人々の「太りたくないけれど美味しいものが食べたい」というニーズにこたえる。コロナウイルスによって、特に「衛生」面での需要が大きくなるだろうから、しばらくはこの方向性でもSARAYAは成長できるだろう。

環境問題の根っこに向き合うことでチャンスを生む

 しかし同時に、SARAYAにとって、「環境問題そのものを解決すること」は、これから、向き合わなければいけない大きな課題になっていくのではないだろうか。環境にやさしい自社商品を創ることができても、環境問題そのものの解決につながるわけではない。おそらく、環境破壊につながっているモデルそのものを変える、大変な努力が必要だろう。

 自分がCMOなら、消費者に対して、より環境問題を「実利的に」することに力を入れるだろう。私自身もそうだが、環境に良くないことが行われていることを”知って”はいても、どこか自分には関係ないことのように思っているし、それが解決されることに特に”自分のメリット”を見出しているわけでもない。環境問題が本当に解決されることがあるとしたらそれは、一人ひとりが、「環境問題を解決することになるアクションをすると、自分にはこんないいことがある」と意識し、それを欲する用になった時だろう。「なんかそっちの方がイイ気がする」という漠然とした「倫理的なモチベーション」では、多くの人は動かない。逆に言えば、「倫理的なモチベーション」を「実利的なモチベーション」に転換できた時、大きな需要が生まれ、それはSARAYAにとって「収穫しやすい果実」になることは間違いないと思う。「衛生・環境・健康」に、70年間、向き合ってきたのだから。

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