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ケンタッキーとモスバーガーのマーケティングを比較してみた
今週の『カンブリア宮殿』では、モスバーガーを特集していた。定番商品の再生産に甘んじていたが、新しい商品や、新しい業態の投入によって、息を吹き返した、という話だった。
これを聞いて筆者は、約一年前に特集されたケンタッキーの事例を思い出していた。ケンタッキーは、新商品に手を出しすぎた結果現場が混乱し、肝心のフライドチキンの品質が落ちてしまっていた。そこで、「原点回帰」と称して、商品の種類を絞り、フライドチキンのおいしさが保てるようにした。その結果、顧客が戻ってきてくれて、業績が回復した、という話だ。モスバーガーとは正反対の復活劇である。
そこで今回は、両者のマーケティングを比較してみる。大きなくくりで言えば、「お腹を満たしたい」という食欲ニーズを解決している点では共通している。だが、両者が狙っている「ワンツ」には、違いがあるように思う。具体的な話に入る前に、簡単に、ニーズとワンツの関係性を整理しておく。
ニーズとワンツの違いについて
「お腹を満たしたい」という思い(=ニーズ)は同じでも、様々な状況に応じて、人々が思い浮かべる選択肢は異なる。例えば、「時間もないし、お昼は手早く済ませたい」と思ったときに、高級料亭のフルコースが選択肢に入ることは無いし、「年に一度の特別な日にふさわしいものが食べたい」と思ったときに、ファストフードが選択肢に入ることも(個人の経験による例外はあるにしても)まずないだろう。同じニーズでも、その人が持つ背景や文脈によって、人が思い浮かべる選択肢は異なる。背景・状況・文脈といった「ニーズの細かな違い」を踏まえて人々が想起する「○○が食べたい」がワンツである。
ケンタッキーのマーケティング戦略 - 日常化推進
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