CMを見てもさっぱりわからなかったKIOXIAの未来を勝手に考える
今週は特に気になる企業がなかったので、ガイアの夜明けのテーマだった「変わる働き方」について考えてみよう……と思ったのだが、どうにもCMで見た「KIOXIA」という会社のことが頭から離れない。ので、思い切って調べてみることにした。
KIOXIAの概要
KIOXIAは、もともと東芝メモリという会社で、フラッシュメモリ等の”記録媒体”を製造している会社のようだ。ただ、記録媒体という物質を売っている限り、諸外国との価格競争に巻き込まれてしまうのは必然である。そこで東芝メモリは、KIOXIAと名前をかえ、下記のようなビジョン・ミッションを打ち出した。
※KIOXIAのHPより転載
これまで販売していた「記録媒体」が持つ役割のうち、人々の「記憶」を保存することに焦点を当て、新しい製品・サービス・仕組みを提供する、ということだろうか。会社のHPを少し見てみたが、伝えたいことを筆者なりに要約しようと試みれば、「発生するデータ量は飛躍的に増加し、それを記録する媒体需要は引き続き伸びるので、その波に乗りつつ、なんとかしていち製造業から脱却していきたい!」という感じだろうか。
TEZUKA 2020 プロジェクト
そんな思いを持ったKIOXIAが手掛けたプロジェクト「TEZUKA 2020」は、AIに手塚治虫作品を学習させて、漫画を作らせる、というものだ。どこまでAIが行っているのかは知らないが、記事を読んでいく感じ、プロットをAIが作成して、それを人間が肉付けして作画する、というプロジェクトのようだ。実際に制作された漫画を読んでみたが、シンプルなヒーローストーリーであった(漫画の良しあしについては、今回の論点ではないので扱わない。実際に読みたい方はこちらから)。
正直に申し上げると、この企画、なんかVISIONとズレていないか?手塚治虫が描いたストーリーはあくまで記録であり、それを読んで抱いた感情や、それを話した思い出こそが記憶であるはずだ。記憶で世界を面白くする会社が、なぜ記録を集めたプロジェクトを推進しているのだろうか?試み自体は面白いと思うのだが、であればせめて「世界中の過去を記録して共有する」といった「記録」重視のVISIONのほうがいいのではないか。せっかく「記録から記憶へ」というスローガンを掲げているのであれば、きちんと”記憶”で勝負していただきたいと思う。
KIOXIAの方向性-自分がCMOだったら
記憶に関するサービスを考える時に、大きく2つの方向性があるのではないだろうか。
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