社会をつくる力③

 前回の記事であげた社会参画について、もう少し先行研究を紐解いてみたいと思います。

 社会参画に関する書籍として、学文社から2010年に出された「社会参画と社会科教育の創造」があります。

 この書籍の第1章で、唐木は、社会参画を志向する社会科授業について次のように述べています。

育成すべき資質・能力を「社会形成力」と捉え,その育成に向けて創意工夫を重ねている社会科授業を,「社会参画を志向する社会科授業」と位置付けたいというものである。

唐木清志 西村公孝 藤原孝章「社会参画と社会科教育の創造」2010 学文社

 この目標をもとに、唐木は社会科授業を3つに分類しました。すなわち、

第1類型:科学的社会認識の育成を目指す社会科授業

第2類型:意思決定力の育成を目指す社会科授業

第3類型:社会的実践力の育成を目指す社会科授業

の3つです。第1類型は知識を得る社会科、第2類型は複数の案から判断する社会科、第3類型は、自分たちにできることを考える社会科と言えると思います。この3つの流れを通して、社会科授業が進められると社会参画へとつながるといっているのです。

 社会科が、知識を覚える印象であるのは、この第1類型で授業が終わっているからではないかと考えます。

 では、実際どのような授業をすれば良いのか。考えていきたいと思います。


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