友達ってどうやって作るんだっけ

大学3年の夏である。
3日前、蝉が鳴いていることに気がついた。

もうそんな季節か、と思う。

今の大学にいる期間は二年と半年。中学高校ならもう少しで卒業だ。

中学校にも、高校にも、毎日会って話せる友達がいた。何気ない会話をして、休みの日には遊びに行って。テスト前になったら一緒に勉強して。当たり前に、そうだった。

そうやって人間関係を構築するのに同じだけの時間を、大学でも過ごしてきたはずなのに、大学には友達と呼べる人がいない。誰も私が休んでも気づかないし、授業に出席しても同じく、誰も気づかない。いたことすら、覚えていない。
私が唯一、大学という空間で「大学生A」ではなく「名前のある大学生」になれるのは1週間に一回のゼミだけだ。名前で呼ばれることがあるのも、その時間だけ。

友達ってどうやって作るんだっけ。

そんなことをふと思う。
どうやって、人Aと人Bから、〇〇さんと△△さんになって、紐づける関係性に「友達」っていう名前がついて、なんでも話せるようになったり、遊びに行ったり、するんだっけ。

忘れてしまった。
どうするんだっけ?

大学において1人でいることは、私にとっては心地よいものだった。
別に「2人1組になって〜」なんていうぼっちにとっては地獄のような指示をされることもないし、勉強もテストも1人でできる。
大学は1人でいて困ることはない。自由だった。

一人暮らし、ぼっち、私は大好きだ。
本当に楽しい。
ずっとこのままがいい、と本当に色々な場面で何度も、ほぼ毎日思う。

でもたまに、こういうふとしたある日、思うことがある。
自分1人で考えて考え尽くしても結論が出ないときとか。
何か感情や物事を共有したいと思ったときとか。

その自由が一瞬にして、孤独に変わる。
心地よさが、寂しさに変わってしまう。

自由が孤独に変わるのを見るたびに、そういう状況を招いた自分の過去や思考に落胆し、なんでいつもこうなんだろうと自分を殺したくなるのを、私は一生繰り返すのだろうか。


とかなんとか思ったりして。

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