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寝る前に想像することと想像すら出来ないこと

「海南は雲の上の存在と思うか?」

「手を伸ばしてもとび上がってもオレたちには届かない存在だと思ってるか?」

「実績でいえば確かにそうだ」

「過去の実績からいえば海南とうちは天と地ほどもちがう」

「だがオレは…オレは いつも寝る前に この日を想像していた…」

「湘北が…神奈川の王者海南大附属とIH出場をかけて戦うところを毎晩 思い描いていた」

「一年のときからずっとだ」

出典: スラムダンク/井上雄彦

おれもこんなかっこいいセリフを言ってみたいと思う今日この頃です。いかなる時も信念を持ち続け、海南には敗れたものの、インターハイに出場し、山王を倒してしまうんだから、理想的な生き様。一喜一憂して、すぐに調子に乗り、地道に踏ん張ることが苦手な自分ですが、赤木剛憲のような"譲らない生き方"を見せていきたいと、心の中のリトルチカラは思っているのです。(仙道とか深津みたいなセンス抜群な選手がチームにいればもう少し楽なのになぁと思うこともあるし、流川とか桜木みたいな負けん気の強い選手が見てえなぁとも思います。)

そんなことはさておき、何か成し遂げるためには、キャプテン赤木のように、”思い描く”または”想像する”という作業が非常に重要な鍵になると思ってます。

思い描けているという状態、即ち、具体的なアクションプランを分析できている証拠であって、一歩ずつゴールに向かったステップストーンを踏めているということ。対して、イメージができずにぼんやりしてる場合は、少しずつ組み立てて、少しずつ解像度を上げていく必要があるのかなと。

これは、現在自分がしている分析の仕事にも言えることで、得点を取るために敵陣に侵入する必要があって、敵陣に侵入するために組み立てる必要があって、そもそも組み立てるために守備しなきゃいけなくて、効率良く守備するには...etc。みたいな。

結論、解像度が粗い状態、それ即ちゴールまでのルートを分かっていない、つまり辿り着くこと(現実に変えていくこと)は難しい、ということなのだと思うのです。


振り返るまでもなくまだまだ未熟ですが、自分のことを振り返ってみます。

まず、自分が中学生や高校生のとき。プロサッカー選手になりたい、という誰しもがもつ憧れをチカラ少年も持っていました。ただ、プロサッカー選手になるまでのイメージを描けていなかった。なので結果的に現実に変えることも叶わなかった。

もう少し掘り下げると、プロになるためには、どれくらいの才能&努力&その他諸々が必要なのかを分かっていない状態。どのくらいの高さの山に登ろうとしてて、いま何合目か、そもそも麓にすら近づけているのか、それも分かっていなかったわけです。

もう少し掘り下げると、自分が目指してるプロのレベルで求められる技術、フィジカル、メンタルなどなどのレベル感を分かっていない、というかそもそもそれに触れられるような環境に身を置けてすらない。自分が伸ばしていくべき観点とどうやったら成長していけそうなのかを分析できていない状態。

対して、実際プロになって活躍している選手の話を聞くと、遅くとも18-22歳くらいの段階で、すでにプロのレベルに触れる機会があって、自分が登ろうとしている山の高さを、ゴールとの距離感を肌で感じるタイミングがある。

これ故に、挫折というのも非常に重要なことで、挫折することがないような守られた環境だと、いつまで経っても山頂と自分の現在地の距離感を痛感することなく成長スピードが速い連中に置いてかれてしまう、と井上雄彦先生の漫画から学びました。挫折の経験こそが、自分が山のどこらへんにいて、どのくらいのペースで登っていけば頂きに辿り着けそうかのイメージを描かせてくれるわけです。

出典: リアル/井上雄彦

次に、イギリスのリバプールで大学生をしていた2、3年前。大学を卒業後はイギリスに残ってプレミアリーグかチャンピオンシップかの舞台で分析の仕事をしたい!と思い描いていました。

学部の同級生や先輩、他の大学で似たような専攻を取ってる人をみていたので、自分が目指している世界は相当狭き門であり、相当厳しいことだと薄々は感じていました。

ただ、当時すでに分析の仕事をしている方々、当時自分が目指していたレベルに触れる機会があったので、めっちゃ少しずつだけどイメージの解像度を上げていけたわけです。あ、なんかぼんやり見えてきた…みたいな感じ。

まず、サッカーの試合をたくさん観て、いろんな意見を聞いて、自分なりにも考えて、プロの話も聞かせてもらったり、そういう感じの戦術的な理解と知識の蓄積はマストだなと感じました。あとは分析の仕事をする上で必須なソフトの使い方。ITの分野に問題があったら話にならんから、一個ずつ実践積ませてもらえるようなインターン先が必要だなと。あとは、プロで働いた経歴がないと、プロの世界に入っていけないな、みたいな矛盾はありつつも、とにかく大学生のうちにプロのレベルで働かせてもらわないと厳しいなとも思ったりしてなんとか繋がりを探るところから始めた感じでした。

そのほかにも、分析官としてプロのレベルで働くという、狭き門を突破するために必要な要素は無限だけど、それも一個一個チェックマークをつけていくことで思い描いていたイメージが少しずつ鮮明になって現実に変わっていくのかと。なるほど。

いやいや、そんな甘くないよ。

と思うところもあるでしょう。実際に、Ph.D.(博士課程。修士課程のもう一個上)をやっていた先輩に、Ph.D.やっててもチャンスがないんだから、大学卒業しただけじゃ無理だよ。せめて院は行かないとな、みたいに諭されたことがあります。完全に聞き流したけど。

スラムダンクでいうところの、県大会ですら通用していなかった湘北高校が山王工業を倒すのは漫画のお話しでしょうと。自分が湘北高校のバスケ部の1部員だったとして...!?さすがに海南や山王工業を倒すイメージを描くのは無理でしょう。と

出典: リアル/井上雄彦

そういう意見があるのは普通に理解できてましたが、もう一つ大事な要素を見落としているのではと思うのです。

それは、思い描いていたことを超えてくるような、思い描きすらもできなかったこと。例えば、同じ学年に三井寿が入部したこと、宮城リョータ、流川、桜木とかの加入は、赤木が思い描いていたことを超えて、思い描いてなかったけど結果的に目標にグッと近づくための要素。正直、山王を倒せたのはこれらの戦力アップが大きい?というかほとんど?

自分も旅行程度の視察に行ったデュッセルドルフで日本代表の選手からお話を聞けるなんて思い描きすら出来なかった幸運でした。そこからご縁をいただいたことも、そうして大学卒業後にドイツに辿り着いたことも、現在はマクデブルクという街で働いていることも、素晴らしいご縁に恵まれてマクデブルク以外の場所でもハングリーに学ばせてもらっていることも、数年前には想像すらできてなかったけど、結果的に自分の目標に向かっていく過程でかなり味方していただけているわけです。これにはまだ、感謝するしかできてませんが、イメージを現実に変えていく過程で大事な要素だと思うのです。

なので、前半とだいぶ矛盾してるようではありますが、イメージを鮮明に描けない状態でも、大きいビジョンを掲げることは無駄なことではないなと。インターハイに出場して、山王工業を倒して、全国制覇するという野望を持てたなら、一発目の練習前に”目標は全国制覇”と、かますほどに情熱を全面に出していこう、と思ったわけです。スラムダンク例えが通用してない方、すみません。

なんか久しぶりのnote でうまくまとまってるかどうかよく分かりませんが、こんな感じで。

ちなみに自分は、まずはブンデスリーガの舞台で分析の仕事をしたいと、常々そこまでの道筋を、イメージを、描いてるところです。

たまに発狂してますが、今後とも発狂しそうになりながら、なんとか耐えることもありながら、少しずつ登っていきたいなと。

まずは気合いで食らいつくんで、オファーください...。頼みます。

頑張ります!



p.s. 
note 読んだよ、と言って頂けることもあり、半年前くらいに書いた記事からもサポートを送って頂けることもあり、感謝です。もう少しコーヒー飲ませてください。それでもっと頭の中を整理していけるよう努めます。

ありがとうございます。


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