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そろそろ本当の俺を見せてやろうか

今朝、いつものスターバックスでバリスタさんから、
「kiyokunnのお家は公園の横ですか?」
と聞かれた。
僕は不意を突かれて驚いて、
「そ、そうです」
と答えた。
と言うのも色々と思い当たる節が無いでも無いので、
「アイツの家があそこか」とか
「あんた評判悪いで」とか
思われていても仕方がないと瞬間的に頭によぎったから。

そんな僕をバリスタさんが
「うちの犬がいつもkiyokunnに遊んでもらってるんですよ!」
と好意的に発言したので、また驚いて拍子抜けた。
どうやら文句ではないらしいと安心した。

ゆっくりとバリスタさんと会話をすると、
そのバリスタさんは僕のご近所さんで、犬を飼っていて、
お父さんが犬の散歩をしている時にその犬が僕にじゃれついてくるのだという。

うちの近所ではコロナが明けて、ここ1、2年で犬を買う人が増えた。
倍ぐらいになっている。
そして犬を飼った人は決まったようにうちの隣の公園に散歩に来る。
そして早朝からワンワンと無駄吠えさせて、
まだ眠っている僕を起こすのであった。

とても迷惑なので、ある飼い主に注意したが伝わらなかった。
自分の犬が可愛すぎて、犬を躾けてマナーを守らせると言うことが理解できない人だった。
犬を飼う人達はほとんどそうなのだろうと僕はわかった。
そこで僕は作戦を変更して、
どうせ起こされるのなら僕も公園を散歩しようと決めた。

ところが僕が公園に行くと、
散歩している犬達はなぜか僕に寄ってきて、
ペロペロと僕の全身を舐めに来る。
毎日のことなので僕も犬達に情が移って来て、
段々と犬達が好きになってきた。
犬に会わないと寂しいと思う時もある。
犬の無駄吠えがうるさいと思っていたが、
なんと僕は犬の声でどの犬かがわかるようにまでなっていた。

そういう経緯があったので、
バリスタさんから
「うちの犬と遊んでくれている」
と好意的に言われた時に、
どういう反応をして良いのか少し戸惑った。

僕自身でも犬が好きなのかどうかよく分からないから。
でも少しわかったことは犬にも人間と同じで相性があること。
僕に好意を示さない犬もいるし、
初めて会ったのにもう何年も前から友達だったような犬もいる。

そのバリスタさんは僕が犬好きと思っていたのか、
僕の反応がもう一つなので、
「モコですよ」
と飼っている犬の名前を言った。
「お〜、モコちゃんの〜!」と、
今度は僕も反射的に言った。

「今度また声かけてくださいね」と、
珈琲を受け取りながら愛想よく言ってカウンターから離れたが、
僕はどの犬かまだ思い浮かばなかった。
モコちゃんは流行りの名前で早朝の公園では
何頭もいるからだ。

また明日も公園に行こう。










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