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ミーティングという洗脳の落とし穴・・・

 十数年前に、或る企業が乗っ取られたのである。とても衝撃的な出来事だったが、実は、筆者はその予兆を察知していたので、或る企業の経営者へ苦言を呈したのだった。

 或る経営者曰く、「毎週木曜日の深夜に恒例のミーティングに参加しています。競合する企業の経営者と全国大手卸企業元役員の二人との話し合いですが、今後の経営について相談しています。」と。

 筆者は、瞬間的に、怪しげな二人の目論見が、或る経営者の企業乗っ取りではないかと感じ取ったのである。

 その怪しげな二人とは直接会ったことはないが、以下の理由にて、二人に警戒すべきであるという判断に至った。

 一つは、毎週深夜に開催される3社合同ミーティングは、洗脳の手段として開催されていないか。毎回、膝を突き合わせる環境を設定することで、徐々に親密な関係を築き、「乗っ取り」への警戒心に蓋をしていたと推察した。

 二つ目は、慌てたように、競合する企業と近しい関係を築く必要があるのかという疑念である。また、競合する企業の経営者の評判は非常に悪かったので、その疑念は更に強くなった。

 三つ目は、コンサル的に日頃から動いている全国大手卸企業元役員の所業は有名であり、色んなところに顔を出している。シティーホテルをうろうろしており、すこぶる怪しい人物であるとの悪評が聞こえてきた。

 筆者は、或る経営者が被害に遭う前に、苦言を呈することにした。何度も洗脳会議には参加の必要なしと伝えたが、或る経営者は聞く耳を持たず、毎週、深夜に開催される洗脳会議に足を運んでしまった。

 既に、洗脳レベルは解ける状態ではなかったのかも知れない。確実に洗脳された或る経営者は、経営状況などを具に怪しげな二人に吐露してしまい、足元を見られ、脆弱なところを暴露し、乗っ取りを容易くしたに違いない。

 結果的に、それから1年後に、その企業は全国大手卸企業に土地や建物も含め、すべて乗っ取られてしまった。条件は、或る経営者は社長という職位に留まり、役員報酬もそのままでという契約(口頭)であった。

 しかし、買収劇から半年後に、新経営陣はその経営者を解任し、ビルの一つの部屋の利用のみ許可し、更に、家賃やその他光熱費の支払いを強要し、最終的には、旧会社は乗っ取られてしまい、すべての利権や財産を剥奪されたのである。

 筆者が当時危惧したことが現実となったことに、愕然となった。経営詳細を吐露してしまい、怪しげな二人は、或る経営者の会社と取引のある銀行へプレッシャーを掛け、融資を止めるような罠を仕掛けたのではなかろうか。

 これは、初手から近しい関係を作り、定期的なミーティングなどに誘い、時には酒宴を催すなど、安心感を持たせるハニートラップのような手法は、典型的な詐欺軍団による長期乗っ取り計画の流れである。

 最後に、上記について「たられば」の話をすれば、当時、筆者の苦言に少しでも耳を傾けてくれたならば、乗っ取りに遭うことはなかったろうと思うばかり。結果的に、大手に買収され、競合会社の経営者は、大手より県外の権利を委譲され、私服を肥やすことになる。

 何代も続く企業の乗っ取りを目の当たりにして、筆者は情けなくなった。怪しげな二人と思ってはいたが、血も涙もない、守銭奴である。お人好しの経営者が、そのような詐欺師軍団に接点を持つと、このような罠にかかってしまう危険性があることを再認識したのである。

豹変する二人の詐欺師(背後の二人)と騙された経営者(中央)

▼ChatGPT-4oによる分析と感想

このエッセイは、企業の乗っ取りに関する具体的な事例を通じて、経営者がどのようにして詐欺的な手法に巻き込まれる危険があるかを描いています。以下、詳しい分析と感想を述べます。

詳しい分析

1. エッセイの主題と目的

エッセイの主題は、「ミーティングが洗脳の手段として利用され、経営者が企業を乗っ取られる過程」を描いています。筆者は、企業が乗っ取られる危険性を強調し、経営者に対して警告を発しています。また、このエッセイは、他者の忠告に耳を傾ける重要性を強調しており、特に経営者が慎重に人間関係を築く必要性を訴えています。

2. 筆者の立場と洞察

筆者は、エッセイの中で一貫して警告者の立場を取っています。十数年前にその企業が乗っ取られる前からその兆候を察知し、経営者に対して注意を促しましたが、その警告は無視されてしまいました。筆者は、結果として自分の予測が現実となったことに対して無念さと後悔の念を表しています。

3. ミーティングの役割

エッセイでは、毎週深夜に行われるミーティングが「洗脳」の手段として利用されている点が強調されています。定期的な親密な会話を通じて、警戒心が徐々に解かれ、経営者が信頼感を抱くように仕向けられるプロセスが描かれています。このようなミーティングが、経営者に対して心理的な影響を与え、最終的に企業の乗っ取りを容易にする手段として機能したことが示唆されています。

4. 詐欺の手法とその結果

詐欺師たちは、親密な関係を築くことを手段に、経営者の信頼を得て、企業の内部情報を引き出し、それを利用して経済的な圧力をかけ、企業を乗っ取るという典型的な手法を用いました。最終的に、経営者は自らの会社を失い、全ての財産を剥奪されるという悲惨な結果に至ります。

感想

このエッセイは、経営者としてのリーダーシップと警戒心の重要性を強調しており、特に人間関係における慎重さの欠如がどれほど致命的な結果をもたらすかを明確に示しています。また、忠告を無視することのリスクを強く訴えかけています。

エッセイを読み進める中で、筆者の無念さと経営者への思いやりが強く伝わってきます。特に、筆者が「苦言を呈したが聞き入れられなかった」という点は、読者にとって非常に響く部分です。このエッセイは、特に経営者やリーダーシップを担う人物に対して、冷静な判断と他者の意見を慎重に取り入れる姿勢の重要性を再認識させるものであり、非常に説得力があります。

全体として、このエッセイは具体的な事例を通じて、企業経営におけるリスク管理と人間関係の取り扱い方について、深い洞察を提供しており、非常に考えさせられる内容となっています。

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西田親生@D&L
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