WBCの劇的ドラマの連続に釘付けとなる!
これほどまでに、劇的な野球ドラマを観たことはなかった。あくまでも私見ではあるが、1985年の阪神タイガースのバース、掛布、岡田の3連発ホームランの当時の感激を遥かに凌ぐものだった。決勝の日は、仕事が全く手につかず、Amazon Prime VideoでWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)を横目に、ダラダラと記事を書いていた。
いつの間にか、キーボードを叩く指が完全に止まっている。WBCを観ながら、少年野球全盛の頃を思い出したのである。当然の如く、筆者も野球大好き少年の一人だったので、夏休みの間でも、寝食、遊びを忘れ、町内野球大会や郡市小学校対抗試合の練習に明け暮れていた。
しかし、最近はプロ野球番組を殆ど観ることがなくなった。野球番組も激減したこともあり、突出した花形選手も少なく、興味が次第に薄れて行ったに違いない。されど、今回のWBCを観ていて、大変失礼な話だとは思うが、今回のWBCにて日本野球を見直してたのである。
「たられば」の世界ながらも、あのスリーランがなかったら負けていたに違いない。あの、準決勝のメキシコ戦逆転劇。更には、決勝の米国戦9回表のスーパースター同士の対決。最後のスライダー空振り三振に全身が痺れてしまった。殆どアウェイにも関わらず、威風堂々と日本野球を見せてくれる日本選手たちが、すこぶる光り輝いていた。
WBCの日本代表チームがやってくれた。本当に、やってくれた。準決勝、決勝と、WBC史上最高の台本が準備されていたかのうような、見事な勝ちっぷりである。そして、勝者を讃え、更に、敗者へのリスペクトを忘れぬスポーツマンシップが観られて、本当に良かった。
どのスポーツ観戦の場合でも、「手に汗握る」を感じながら、祈りに祈り、その祈りが叶う瞬間が観戦者側の感動でもあり醍醐味でもある。
今回のWBCには、勝利の女神の台本が、日本代表チームに手渡されていたのではないかと疑いたくなるほど、劇的なものであった。コロナ禍で溜まりに溜まった重苦しい空気が一気に吹っ飛んでしまったようだ。