人の話を『聞いて』、回答を急ぐな。人の話を『聴いて』、把握せよ。そして、思慮、回答だ。
話をしていると、間、髪を入れず回答を急ぐ人がいる。勘が良い人であれば、或る程度は的を射るような回答になっているものの、話を単に『聞く』スタンスの人は、的外ればかりだ。全くもって『Q&A』が成り立たない。
人の話を『聴いて』、しっかりと把握することが先決。『聞く』と『聴く』の違いに気付かねばならない。相手が何を言いたいのか、何を伝えたいのかを把握せずして、的を射るような回答ができるはずがない。
勿論、回答は『結論』が先。それから微に入り細に入り、相手が理解し易いように簡潔丁寧な解説を付加すれば、完璧となる。
的を射るような回答ができない人は、慌て者が多い。話す相手の言葉を十分の一も聞かずして、回答を急ぐ。だから、勘違いが生じてしまい、空気も読めず、話す相手が納得できるような回答は得られない。
人によっては、意味不明な質問(正解が出ないような質問)を投げ掛ける人物もいる。上司と部下の関係における、上司の『嫌がらせ』であるが、そんな小者の小技に戸惑う必要はない。初手から『Q&A』が成り立たないのだから、回答できるはずがない。
血も涙もない小者経営者が、「社員一人一人を考えさせるために、詰問するんですよ!」と言い放つクズもいる。だったら、考えさせるための時間を十分に与える必要がある。時間も与えずして、即座に回答を出せという強引さは即パワハラでもあり、その経営者は『無能』としか言いようがない。
また、次元が異なる話だが、感情が入り乱れた『相談事』については、心配しながら『聴く』ことも多かろうが、それは無駄なこと。特に、些細な『相談事』については、相談する相手は既に『結論』を出していることが多い。だから、『Q&A』ではなく、『愚痴』として、宥めすかしながら『聞け』ばよい。
更に、人が話し掛けているにも関わらず、その話に集中せずして、脳内で別の思考が働く人がいる。一つは、回答を急ぐが余り、『聴く』を無視して、浅知恵的な『思考』に走る。そして自分の回答が『模範回答』と思い込み、空気を読まぬ無味乾燥な回答をする人がいる。これが、一番癖が悪い。
畢竟、人の話を『聞く』ではなく、耳を傾けて『聴く』。しっかりと話の内容を把握して、あらゆる角度にて思考を巡らし、相手にとって有用最適なる回答ができるよう、日々努めなければならない。それが、一端の大人と言える。
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