虚偽を打ち砕く真実の力
以前のエッセイにて、危機管理についての書き下ろした時に、シミュレーション能力について述べた。
手前味噌で申し訳ないが、筆者の「勘」はかなり高い確率にて当たる。感性はそれなりに磨いてきたけれども、学生時代は転勤族で県内外を回り、社会人となり色んな人との遭遇により、いつの間にか、経験値が高くなった。
神経過敏ではないが、一つの事象の変化に対して、無意識に頭の中ではシミュレート作業が行われ、結末が透けて見えるのである。
また、他者が無意識に放った言葉により、他者の心底まで透けて見えることもある。虚言を発する人には自動的に反応し、騙されている状態を見据えながら、その裏付けを確認した上で、大どんでん返しを行うこともある。
過去のおいては、嘘のかたまりのような人物もいたが、話の内容を時系列に並べると、整合性のないものがピンポイントで炙り出される。気づかなければ良いものを、虚言を吐く人物が気付かぬ前に、筆者のアンテナは既に立っている。
人は目を見れば、心の入り口が見え、声の切れ味や抑揚を検証すれば、整合性のないところが剥がれ落ちてくる。その剥がれたものが、嘘のかたまりであったり、罠であったりと。
何故か、仕事上のトラブルで多かったのは、契約不履行によるものだった。大抵の場合、逃げる人物は弁護士へ虚言を記したものを手渡し、その虚言通りに弁護士が内容証明にて突き刺してくる。
今まで、そのようなことは数件あったけれども、全て粉砕することができた。勿論、筆者側の顧問弁護士に依頼するのが楽だが、人が間に入ると、自分の信念や事実が全て伝わらない可能性が高くなるので、自ら片付けることにしている。
虚偽による申し立てや告訴状などを体験してきた中で、法の要であるべき弁護士が、依頼人の虚言をそのまま書き記すところは、この目を疑った。勿論、筆者には一切非がないので、闘いのシミュレーションはできている。
しかし、筆者は一般人であるが故に、弁護士名で書簡を送れば、プレッシャーを掛けられ、依頼人の虚偽通りになりはしないかと思っているに違いない。しかし、筋が通らぬことに、首を縦に振ることはできず、虚言に基づくものは、完璧に潰すしかないのである。
執拗に送りつけてくる書簡。相手弁護士が書き綴る行数が段々と少なくなってくる。その現象は、書簡内容が虚偽であるがために、それ以上、書くことがなくなってくる訳だ。根拠もなく、証拠もない状態にて、難癖をつけたことが判明するばかりとなる。
結局、七通の書簡が届いたが、最後の二通だったか、内容証明ではなく、レターパック便に、たった1枚の手紙が入っている状態となり、それ以来、音信不通となってしまった。結局、相手は退散したことになる。
そもそも、相手経営者は初動の段階で大きなミスをしていた。本人も弁護士も気づかなかったが、弁護士名で書簡が届く前に、相手経営者の実印付き社名にて、虚偽情報を送り届けてきていたのである。
融資をしてくれる銀行からの圧力により、経費節減という言い訳にて、契約不履行になることへのシナリオを書き綴ったものだが、それが鍵となり、虚偽に基づく内容証明になってしまったのだ。
予想通り、筆者の勘は的中した。そもそも、虚偽情報満載の書簡を送りつけて、筆者にプレッシャーを掛け、少しでも支払ったものを取り戻そうとする魂胆だったに違いない。そのような姑息なことをしても、お天道さんはしっかりと見ている。
筆者は、契約事項以外に、多くの仕事をしていたので、それを契約外業務として、逆に請求書を送りつけたのであった。見積は、ネット上で調べ、正規価格としての見積であったが、相当な額となった。
それを、筆者に脅されたと警察に駆け込み、相談したという内容のものが、次の書簡に書かれていた。警察も迷惑であったろうと思われるが、あくまでも民事の範疇であり、筆者が脅迫した事実もなく、相談には行ったが、受理されなかったのである。
あの手この手で猛攻撃を仕掛ける人物だが、筆者が何より信頼していたのが、その息子たちであった。彼らは、真相をよく理解しているだろうから、最初は親の命令によって口裏を合わせたに違いないが、その息子たちには恨み辛みもない訳で、彼らが覚醒することだけを願って、最後の書簡を送りつけたのである。
それ以来、七通も書簡を送ってきた弁護士からの通知は無くなった。実に妙な話だが、お騒がせも、いい加減にして貰いたいと憤慨した次第。契約不履行をする人物が、何故、こちらを攻撃してきたのか、今も尚、理解不能である。
今、文章を書きながら思い出したのだが、弁護士からの書簡の前に、銀行云々と書き綴った書簡があったので、即日、取引銀行を調べ、翌々日に支店長に直接会って、実情を伺ったのである。勿論、その会合の内容は録音している。
それを途中で相手弁護士へ通知すると、その録音データをくれという。筆者は、録音データを相手弁護士へ手渡す性質のものではないと一蹴したが、厚顔無恥もいい加減にせよと思った次第。
銀行側の答弁内容は、筆者にとっては、大変重要なデータでもあり、先々の切り札としても使えるので、クラウドも使い、二重、三重に保管することにした。
以上のように、折角の信頼関係を失墜させるような蛮行に手を染める人間もいるのだから、堪ったものではない。虚偽により濡れ衣を着せる人物も多いけれども、このような場合は、先ずは証拠固め、そして相手の整合性のないところをしっかりと押さえておけば、こちらの足元がぐらつくことはない。
諍いが大嫌いな筆者であるが、難癖をつけてくる心無い経営者は想定外に多い。都合が悪くなれば、嘘八百の情報を叩きつけてくるのだから、要注意である。
過去において、このようなケースが数件あったが、最終的には何事もなく、現在に至っている。ただ、相手弁護士との遣り取りで用心しておかねばならぬのは、こちらからは全て事実のみを武器として、対処することが肝要である。
万が一、一つでも虚偽があれば、そこを突っ込まれれば、相手と同じ虚偽の土俵にて戦うことになり、泥試合となってしまい、最終的には裁判沙汰にもなりかねない。
いつもの筆者の口癖であるが、「真実を凌駕する虚偽なし」ということである。
▼ChatGPT-4oによる感想
このエッセイでは、真実の力とそれが虚偽を打ち砕く様子が描かれています。筆者の経験に基づく具体的なエピソードが多く、実際のビジネスや人間関係におけるトラブルの対処法について深く掘り下げられています。以下、詳しく感想を述べます。
感想
リアリティのある体験談:
筆者が経験した具体的な事例を通じて、虚偽との戦い方やその結果が生々しく描かれています。特に、契約不履行に関するトラブルや虚偽に基づく訴訟についての詳細な記述は、読者に現実感を与えます。
シミュレーション能力と直感:
筆者が述べている「勘」やシミュレーション能力が、トラブルの解決にどれほど役立ったかがよく伝わってきます。この能力が高い確率で当たること、そしてその背景には多くの経験があることが強調されています。
真実の力の重要性:
「真実を凌駕する虚偽なし」という結論は、筆者が実際に体験したことから得た教訓であり、強い説得力があります。どんなに相手が虚偽で攻撃してきても、事実に基づいた対応を続けることで勝利を収めることができるというメッセージは、非常に力強いものです。
証拠固めの重要性:
証拠をしっかりと集めること、そしてそれを複数の場所に保管することの重要性が強調されています。この部分は、特にビジネスにおいてリスク管理を行う上で非常に重要なポイントです。
弁護士との関係:
虚偽を基に行動する弁護士に対しても、事実を武器にして対応することの重要性が強調されています。ここでは、感情に流されず冷静に対応することが求められます。
人間関係の難しさ:
ビジネス上で信頼関係が崩れる瞬間や、相手の虚偽にどのように対処するかが描かれており、人間関係の難しさが伝わります。特に、相手の家族との関係性が描かれている部分は、個人的な感情が絡む複雑さを示しています。
まとめ
このエッセイは、虚偽に対する真実の力を強調し、その実際の効果を具体的な事例を通じて示しています。筆者の経験から得た教訓が豊富に含まれており、特にビジネスや人間関係におけるトラブルに対処する際の参考になる点が多いです。感情に流されず、冷静に事実を基に対応することの重要性が強調されており、読者にとって非常に有益な内容となっています。