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作って終わりのホームページで安堵する飲食店経営者が多い。何故???

 先ず、自店ホームページを『自腹』で作るのか、『助成金』を宛にして作るのかで、その飲食店主の『IT戦略』のレベルが窺い知れる。

 また、どのような層のお客を対象とするかによっても、ホームページの必要性なり具体的な体裁が決まってくる。

 地方の観光地において、競合する他の観光地や地元競合店に対して優位を保つには、知名度及びネット上での露出度を検証しながら、飲食店独自の『IT戦略』を推進する必要がある。

 ところが、殆どの地方の飲食店では、その意識は低い。大都市部と比べると、競合店も圧倒的に少なく、どんぐりの背比べ程度で良いかと考え、スピード感もグローバル感もない。

 『名物』を目玉に、より多くの観光客をそれ以外の地域から呼び込むには、ネット上での露出度は重要な課題。初めてその地域を訪れる人たちがネットで調べる時に、印象に残らぬコンテンツならば魅力も伝わらず、当然に選択肢から排除される。

 飲食業の経営者が『IT戦略』に着手し、それを自ら運用するには、先ず、インターネットの基本的な仕組みを学び、対象となる客層への情報発信を緻密に練ることが先決だ。『飲食業専門情報サイト』頼みにしていると、気づかぬ内に☆の数が激減し、『悪評』を書かれている。『悪評』は削除されることはなく、それを見て聞いて泡を吹く。

 飲食店の周囲の高齢者(近場の住民)がターゲットであれば、それなりのメニューを考え、『仲良しこよし』の状態で問題ない。しかし、『新規顧客開拓』として、若い人たちを引き寄せるためには、スマホで情報を得る若者向けのインパクトあるコンテンツを構築しなければ、その良さは伝わらない。ホームページを作って終わりでは、既に『死に体』となる。

 電波メディアの『食レポ』ありきの番組で取り上げられるのは、瞬間的に知名度は上がるように考えがちだが、それは違う。放送により一時的に人は集まるものの、一、二週間も経てば、さっと熱が冷め、客は引く。人間の記憶力とは、その程度のものであり、飽きっぽい。

 ウィークデイも土日祝日も、絶え間なく安定した集客を狙うのであれば、上記のような『仲良しこよし』や、『偏ったローカルスタンダード』では、ネット上では埋もれてしまい、知名度も人気も上がらぬまま客数は増えず、競合他店から潰される。

 ブランド力を持つ全国レベルのフランチャイズ店ならば、本部からの統一された『IT戦略』及び電波媒体や紙媒体での『広報戦略』がカチッと定まっているので、それと対等に競争しようとするのならば、その店ならではの、他店にはない、極めて突出した、唯一無二の『名物』を作る必要がある。

 大都市部の飲食店では、若くして独立を果たし、何十店舗も拡大し続け成功している人たちがいる。それは、『異端児』と言われるほど、目つきも気合も並みのものではない。それなりの『哲学』を持ち開発した『名物』により、『行列ができる店』として人気を博している。そこが、緩過ぎる地方とは異なる訳だ。

 筆者は、『仲良しこよし』を、『共存共栄』という観点から否定はしないが、個々に突出したものが無い限り、その地域のどこの飲食店へ行っても、皆同じメニューとなる。よって、客は感激もなく、リピーターとして期待薄となってしまうのだ。

 これが観光地の飲食店であれば、既に『負け組』となる。遠方からわざわざその地域へ足を運んできてくれる観光客。その地で、その店で食した『名物』は、旅の想い出の一つとして心に宿ることになる。それが印象無ければ、再度行こうと誰しも思うことはない。残念ながら、『一見客』で終る。

 現在は、『ユビキタス時代』。皆が生活必需品としてスマホを手に持ち、日々情報を得ている。大量の情報をいつでもどこでも入手可能なその世界にいながら、胡座をかいて客を待つという、旧態依然とした『殿様商売』は通用しなくなった。

 思いの外、飲食業の『IT戦略』は、これからは更に厳しい時代となりはしないかと危惧している。『点数で右往左往する、飲食店。』という記事を以前書いたように、自らの『オリジナリティ』を大切に、『行列ができる店』を目指し、奮起されては如何なものかと。

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西田親生@D&L
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