交通渋滞の慢性化は、杜撰な道路行政にある!
一昨日だったか、熊本市内の交通渋滞解消云々のニュースが流れていた。遅ればせながらも、今頃かと首を傾げたが、熊本市内の交通渋滞は名物かのように数十年前から慢性化している。正直、「ハード(建造物)優先主義」を好む県民性なのか、テクノポリス構想もアートポリス構想も朽ちてしまった。
その原因は、無計画、且つ、杜撰でナンセンスな道路行政にある。本来ならば、区画整備を緻密に考察し、「道路優先」に都市開発を進める必要があるが、熊本市内は、昔からハードを建てて、それからパッチワーク道路拡幅という本末転倒なる道路行政の為に、各所の渋滞は物理的にステージ4である。
県内の例を挙げれば、数十年前に建造された南阿蘇の野外ステージ(西日本最大級)だが、新聞社当時、杮落としに足を運んだ。生憎の荒天にて、そのイベントは中止となったが、その野外ステージまでの道のりは、くねくねした田んぼの畦道を車で走らねばならず、大変難儀したことを思い出す。
また、熊本市内の北バイパス構想においても、着工から20年以上も経ち、やっと開通したかと思えば、国道3号線でドンツキ(大阪弁)となっている。清水万石から光の森への道と交差させてしまった為に、車の往来が多い午後4時半を過ぎる頃から、必ずと言って良いほど大渋滞を起こしている。
交差点での渋滞を予測していれば、そこはループを作り、クローバー型とまでは言わないまでも、北バイパスとの連携をスムーズにする必要があった。広中平祐氏の「N次元における特異点の解消」ではないが、二次元における交差点の解消は、三次元にすることで可能となることくらい誰しも分かる。
ところが、当時、交差点近くのスーパー(今は店舗が変わっている)だったか、一部地域住民の反対もあって、立体交差は机上の空論と化した。理由は、立体交差により来客が激減し商売に支障があると言う。しかし、反対した側が、北バイパス開通後に立ち退いたのだから、洒落にもならない。
北バイパス開通後に立ち退く予定があったのならば、立体交差構想に反対するのは如何なものかと、理解に苦しんだ。結局、目の前のことしか考えぬから、渋滞が解消されるはずもなく、現在でも、毎日のように渋滞が続き、特に、土日祝日となれば、数百メートル車が微動だにしない状態となる。
熊本の都市開発で一番の敵は、熊本市内の住民の生活を支えている地下水(阿蘇山からの伏流水)である。その地下水があるために、地下街、地下道や交通インフラとしての地下鉄などは、絵に描いた餅となる。よって、昔から続く「ハード優先主義」を「道路優先主義」に切り替える事が先決である訳だ。
空港は市内中心部から東へ18km(車で約40分)、港は西へ15km(車で約30分)。新幹線駅へは市内中心部からは車で10分ほどであるが、観光立県として熊本全体を見れば、あまりにも交通インフラを無視した都市開発が行なわれてきたことは明々白々。無計画な青写真ばかりが山積みとなっているに違いない。
都市開発には、政治家をはじめ、基礎自治体やそれを取り巻く既得権益者や住民全体が、個々の損得なしの公正中立なスタンスで、無駄無理のない合理的な公益性を持たせた都市開発に取り組むべきである。マスコミ各社には、今後、厳しい目を向けて、近未来の熊本市内都市開発にメスを入れて頂ければと思うばかり。
※都市開発には、センスのない学識経験者は不要であり、10代、20代の意見やアイデアを取り入れよ!
※熊本県民へドライビング・モラル「譲り合いの精神」を啓発せよ!
▼孔子公園の花々
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