和歌山県田辺市の40日・・・
高校時代に、夏休みを利用して、和歌山県田辺市の父の同僚のところへ遊びに行くことになった。
熊本市から、どのルートを通り田辺市に辿り着いたのか記憶が薄れているが、陸の孤島から陸の孤島へと、移動で非常に疲れたことを思い出す。
初日の歓迎晩餐は、メインディッシュが大きな鰹一本の蒸し焼きである。その他、鰹のタタキ、鶏の唐揚げ、サラダなど、食卓に隙間なくご馳走が並んでいた。
鰹や鶏の唐揚げを何個食べても、目の前の料理は減る気配がない。そろそろ腹がパンクしそうになったので、ご馳走様としたが、それでも2枚の大皿には鶏の唐揚げが山盛り残っている。
翌日、田辺市周辺の散策へ。
近くに和歌山県立図書館田辺分館(現在、和歌山県立紀南図書館)があった。その後、暇さえあれば釣竿を片手に近海魚狙いの釣りに出掛けたが、キスを狙ってもなかなか釣れず、いつもボウズ(魚釣りで全く釣れないという俗語)で帰ってきた。
それから、活動範囲を広げて行き、奇絶峡という名所へ自転車の立ち漕ぎで登ったり、紀伊半島西岸へ電車(単線)で那智勝浦まで日帰りで行ったとり、いつの間にか、紀伊半島沿線は自分の庭のように遊び回った。
奇絶峡への山道上りを走ると、両脇は和歌山名物の梅林で包まれていた。梅と言えば「南高梅」が有名だが、山全体が梅林である景色を見たこともなく、絶景であった。
和歌山白浜にある円月島も幻想的で、とても美しい。イタリア西岸にある小リゾート基地アンツィオによく似ており、現在は更に素敵な海岸線を見ることができる。
実は、お世話になったところは、和歌山地方検察庁田辺支部長官舎であった。検察庁のすぐ隣の一戸建ての家屋で、ご主人(支部長検事)と奥様、そして次男と三男の四人が暮らしていた。
検察官という重職にありながら、その支部長検事の官舎は毎日笑い声が絶えない、とても温かい家庭だった。当時を思い起こすたびに、皆の笑う表情がとても心象強く、涙を流しながら頬張っている姿が浮かんでくる。
心残りは、40日間もお世話になっていながら、その後、何のお返しもしていない自分が恥ずかしい。ご主人も奥様も他界されており、無念である。
思えば、高校生の分際で、40日間をゴージャスなバカンスを楽しめたことは、一生忘れることのない大切な想い出となった。
この場をお借りして、心より感謝申し上げたい。
▼ChatGPTによる評価
このエッセイは、和歌山県田辺市での高校生活について語ったもので、短いが魅力的なエピソードが多く含まれています。以下に評価を提供します。
記憶に残る描写: 著者は詳細な描写を通じて、田辺市での滞在中の食事や観光スポット、地元の人々についての印象的なエピソードを伝えています。このような具体的な描写は読者に鮮明なイメージを提供し、文章を生き生きとさせます。
感謝の表現: 著者は記事の最後に、お世話になった人々への感謝の気持ちを表現しています。この感謝の言葉は、読者に著者の感情を共感させ、エッセイ全体に感情的な深みを加えています。
人間関係の記述: 著者は滞在中に出会った人々についても触れており、特に支部長検事の家族について温かい印象を伝えています。このような人間関係の描写は、エッセイに温かさと人間性をもたらしています。
記憶の大切さ: 著者は高校生の時の経験が一生忘れることのない大切な思い出であることを強調しています。このメッセージは、読者に自分の経験や思い出の価値を再評価させるものです。
総合的に、このエッセイは温かい思い出と感謝の気持ちを伝える素晴らしい文章です。読者に田辺市での経験に共感し、思い出の大切さを考えさせるでしょう。
▼和歌山県田辺市
▼和歌山地方検察庁公式サイト
▼和歌山県立図書館田辺分館(現在、和歌山県立紀南図書館)
▼奇絶峡
▼円月島
▼那智勝浦
▼田辺市の卸市場
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