偽善者は詐欺師である。
上辺だけの善行をする人を偽善者と呼ぶが、わざわざ善い人ぶっても、本性が暴かれるのは時間の問題。無駄な抵抗は止めろと言いたい。
偽善者の多くは、下手な紙芝居を見ているようなもので、最初から怪しさの臭いがプンプンしている。紙芝居は好きだったが、幼い子供から金銭を巻き上げる商売としては、首を縦には振れなかった。
紙芝居の途中で繰り広げられるクイズコーナー。それに当たれば、水飴を貰えた。ところが、木箱の中にダイレクトに入っている水飴の中には、小さな虫が混入していたり、酢昆布がやけに臭かったりと、衛生面など無視した商売であった。
しかし、紙芝居を自転車の荷台に積んで行商する大人は人気があった。しかし、紙芝居のシナリオには時折悍ましいものもあり、最終的には水戸黄門劇場のように、正義が勝つようになっている。よって、勧善懲悪が見え隠れする、正義の味方に子供達の目は釘付けとなる訳だ。
筆者は幼い子供ながら、紙芝居のおじさんが饒舌に語る内容に入り込むことはできなかった。どうも、現実からかけ離れたものへの関心が無かったのだろうと。従って、児童文学のほどんどは興味がなく、実録のノンフィクションにアンテナが立った。
大人になると、偽善者と聞くだけで、偽善者と対面するだけで、その人物の本性が手に取るように透けて見え、簡単に見破ってしまう。大抵の場合、偽善者には共通点がいくつもあるが、ほとんどがワザトラマンのような演技下手なところであろうか。
よくもまあ抜け抜けと性懲りも無く神輿を担ぐ人間である。笑っていない笑顔を見せては、おべっかを連発できるのが凄いのだが、そういった偽善のテクニックよりも、下手な芝居をやれる度胸に感心するのである。
会社などでも、忖度大好き人間はほぼ偽善者であると言っても過言ではない。嘘を演じて、上司からよく見られたい、可愛がられたいと思う、姑息さが下手な演技をますます下手にしてしまう。愚かなことだが、それが彼らの心地良いルーチンワークなのである。
筆者の親しい友人や知人には、誰一人として偽善者はいない。皆、真っ直ぐ、自然体で人生を歩む人間ばかりである。それは筆者にとっては、とても有難いことであり、幸せなことである。ただ、偽善者との関わりで無駄な時間だけは費やしたくない。
畢竟、筆者は偽善者を偽善者と呼ばず、詐欺師と呼ぶことにしている。偽善で他者に迷惑をかけたり、翻弄したりするのだから、法的な言葉である欺罔として、詐欺的行為をのうのうと遣って退ける人間だと見做している。
偽善者の見分け方は、実に簡単なことだ。話す内容や挙動が仰々しく、怪しく、思いの外、どでかいストーリーを語る人間がいるが、ほぼ、偽善者=詐欺師と思って間違いはない。昔の太鼓持ちのような存在である。
▼ChatGPT-4oによる感想
このエッセイは、偽善者を強く批判し、その行動や言動を詐欺師と同一視する内容になっています。以下、エッセイの内容と感想を詳しく述べます。
エッセイの内容
偽善者の定義と問題点:
偽善者は表面的な善行を行い、本性が暴かれるのは時間の問題であるとしています。
偽善者の行動は、紙芝居のように見え透いたものだと表現され、紙芝居が子供から金銭を巻き上げる手法として使われたことへの否定的な感情が述べられています。
紙芝居のエピソード:
クイズコーナーや水飴の例を通じて、かつての紙芝居の衛生面や商売手法に疑念を抱いていたことが描かれています。
それでも紙芝居の大人が人気を博した背景に、正義が勝つシナリオがあったことが示されています。
筆者の視点:
筆者自身は紙芝居や児童文学に関心が薄く、ノンフィクションを好んだと述べられています。
そのため、偽善者の本性を容易に見破ることができると述べています。
偽善者の特徴:
偽善者は大げさな話や行動をし、上司におべっかを使うタイプが多いとしています。
会社の中で忖度を好む人間も偽善者であり、その行動が愚かであると強調されています。
筆者の周囲の人間:
親しい友人や知人には偽善者がいないことを述べ、自然体で真っ直ぐな人間関係を築いていることを強調しています。
偽善者の見分け方:
話す内容や挙動が仰々しく、大きなストーリーを語る人間が偽善者であると述べています。
感想
エッセイ全体を通じて、筆者の偽善者に対する厳しい批判が一貫しています。その視点からいくつかの感想を述べます。
鋭い洞察と率直な表現:
筆者の偽善者に対する洞察は非常に鋭く、その率直な表現が読者に強い印象を与えます。特に、偽善者を詐欺師と同一視することで、その行動の悪質さを強調しています。
紙芝居のエピソードの効果:
紙芝居のエピソードを通じて、偽善の概念を身近な例で説明している点は効果的です。これにより、偽善者の本質が具体的に理解しやすくなっています。
自己の経験と信念:
筆者自身の経験や信念が色濃く反映されており、偽善者に対する強い嫌悪感が伝わってきます。このような個人的な視点がエッセイに深みを与えています。
会社内の偽善者への批判:
会社内での偽善者の存在についての批判は、多くの読者に共感を呼ぶ部分だと思います。特に、忖度やおべっかを使う人間が如何に愚かであるかを強調している点は、職場での実体験と重なる部分があるでしょう。
対人関係の理想像:
筆者が理想とする対人関係が明確に示されており、真っ直ぐで自然体な人間関係を築くことの重要性が強調されています。これは、偽善者との関わりを避けるべき理由として説得力があります。
全体として、このエッセイは偽善者に対する強い批判と、真実を重んじる筆者の姿勢が鮮明に描かれています。筆者の経験や信念が織り交ぜられた文章は、読者に強い印象を与え、共感や反感を呼び起こす力を持っています。