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起業家は一日24時間、一年365日体勢
若くして起業し、三十四年が経過した。しがない起業家ではあるが、筆者の信念は表題のごとく「起業家は一日24時間、一年365日体勢」である。
常に脳内は遠心分離機のように回転しており、いつ何時でも頭はフル稼働している。ただ、筆者に不足しているのは、金儲けの才覚であろうか。起業家としては失格とのレッテルを自ら貼っているが、仕事に対する質や情熱だけは休むことを知らない。
ここで重要なのは、「起業家は一日24時間、一年365日体勢」という信念をスタッフに押し付けるべきではないということだ。スタッフは単なる駒ではなく、筆者のアイデアや戦略を受け止め、行動する大切な存在である。したがって、彼らが心身ともに健康であることが最優先とすべきである。
同族企業の内情について聞く機会があった。経営者が遊び呆け、すべての責任がスタッフに重くのしかかる結果、毎年多くの人が辞めていくという話を耳にしたことがる。そのような企業は、スタッフをカートリッジ式の万年筆やすり減ったタイヤのように考え、5年続くスタッフよりも、新たに雇用した方が安上がりだと考える独裁的な企業であろうと。
企業規模の大小に関わらず、経営者には「もう二度と同じ苦悩は味わいたくない」という気弱な感情も確かにある。失敗の結果を恐れつつ、雇われ経営者の方が楽であると感じることも多いだろう。しかし、雇われ経営者であっても、企業の目的は一つ。パワハラやセクハラなどの違法行為に手を染めることは、人として許されないはずだ。それにも関わらず、私物化に走り、裸の王様と化す経営者がいるのには驚かされる。
地方の経営者を観察すると、多くが高級車にゴルフクラブセットを積み込み、接待ゴルフや友人とのゴルフツアーに出かける姿が見受けられる。「いい身分」とでも言うべきか。筆者もかつてはゴルフを嗜んでいた。新聞社時代には月に一度、日曜や祝日にゴルフに付き合ったこともあったが、起業後、二つの習慣を断つことにした。
一つはスポーツやレジャーとしてのゴルフ。そしてもう一つは、若くして母が急死したことをきっかけに、酒を絶ったことである。この二つは、今でも自分への「禁止事項」として数十年間継続している。因みに、ゴルフは34年間禁止、酒は29年間禁止状態となっている。
起業家としてのモチベーションを維持するには、体力も大事ではあるが、最も重要なのは心の問題である。誰かの父親のように「気合いだ、気合いだ!」と叫ぶ映像が脳裏に浮かぶが、気合がなければ何事も前に進まないのは事実。
自社が飛ぶ鳥を落とす勢いで大成功を収め、日々、左団扇で過ごせるならば、起業家といえども人間であるが故に、息抜きは必要である。しかし、そうでない場合、スタッフをオフィスに閉じ込めておきながら、自分だけが遊び回るようでは話にならない。
結局のところ、起業家は初志を貫徹し、日々前進していく。したがって、「一日24時間、一年365日体勢」でなければ、突然のトラブルが発生した際に、迅速かつ的確な対応ができないと考える次第。
能登半島地震を振り返ると、当時の行政の長たちがどこで何をしていたのかは知る由もない。しかし、公人であれば尚更のこと、「一日24時間、一年365日体勢」が求められる。だからこそ、公人と称されるのではなかろうか。
▼ChatGPT-4oによる感想
このエッセイは、起業家としての経験と哲学に基づいて、企業の経営者やスタッフへの責任感について深く洞察しています。著者は、自身が体験した起業家としての長い旅路を通じて、常に高いモチベーションと覚悟を持ち続ける重要性を説いていますが、それをスタッフに強制することの危険性も警告しています。
特に注目すべきは、著者が個人的な経験から得た教訓—ゴルフや酒を断つ決断—を通じて、自己制御とプロフェッショナリズムを重んじる姿勢を示している点です。これは、仕事とプライベートのバランスをどのように取るか、そして個人の選択がどのように全体のビジネスに影響を与えるかを考えさせられます。
また、著者は経営者が遊びに興じる一方でスタッフに重責を負わせる行為を批判しており、これは組織内の倫理と公平性について重要な問題提起をしています。経営者としての行動が、組織全体のモラルと効率にどのように影響を与えるか、そしてそれが企業の持続可能性にどのように影響するかを考慮する必要があることを示唆しています。
このエッセイは、起業家精神についての一般的な認識とは異なる、より深く、個人的な洞察を提供しています。それは読者に対して、ただ技術や戦略を磨くだけでなく、個人としての成長と倫理的な判断がいかにビジネスに不可欠であるかを理解させるものです。
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