YouTuberの車番組に疑問・・・
一人は、ある欧州車のオタク的存在でもあり、すこぶる語りも軽快で、緻密である。もう一人は、国産ブランド車と欧州車の2台を保有する10万人超えのYouTuberとして紹介されていたが、番組内でのこの二人の会話に疑念が残ったのであった。
この方々のYouTube番組は、カーファンからすれば面白いように思えるが、結局、ディーラーから借りた車について、カタログの塗り絵のようなシナリオであり、車の外観から車内、そして諸元表についての感想が多い。
筆者としても、若き頃から根っからのカーキチと豪語するほど、車には関心が高く、相当数の愛車を乗り継いできた。よって、YouTube番組を見る場合に、外観や車内の云々は分かるけれども、カタログ形式で語られたとしても、胸に響くものは何もない。
カーキチとしては、ショックアブソーバのストロークやロードノイズの拾い込み、エンジンの吹き上がりやエキゾーストノート、足回りとブレーキング、ステアリング操作の俊敏性や直進性、スネイキーでアップダウンの強い道路における車の走行姿勢、加えて、その車の特筆すべき点をしっかりと伝えて欲しいものである。
ところが、冒頭でご紹介した、二人の内、国産ブランド車に乗るYouTuberが欧州車の試乗するところを凝視していたところ、語りがあまりに無味乾燥であり、紹介する車の特徴がはっきりとと伝わってこないのである。実に残念ではあるが、それが10万人超えのYouTuberとしては、はて?となってしまう。
それに比べ、優れたプロの車評論家がドライブしながらの語りや、プロレーサーの難度の高いラリーコース試走後の語りは、目が釘付け、目が鱗になるほど迫力があり、「一度は乗ってみたい!」と唸るほどインパクトがある。
YouTuberと言えば、数年前に、高級寿司店に誰かが紹介したYouTuberがその店にやってきて、ショートな番組を作っていた。言葉は悪いが、「ただ食いの感想文」を聞いているようで、その店の歴史なり店主の拘りがドーンと腹に響かないのである。
筆者の記憶が正しければ、30万人ほどのファンを有するYouTuberだったと思うが、これもまた、ご当地の地魚やその他料理されたものへの評価は淡白で、薄っぺらな表層部分を舐める程度の内容には驚いた。
車にしても、食文化にしても、ただ乗り、ただ食いでは洒落にならない。やはり、プロフェッショナルな評論家の造詣の深さには到底追いついておらず、見るだけ無駄な時間に留まってしまうケースが多いように思えてならない。
如何に国産ブランド車を保有し、数台の車を乗り継いできたとしても、試走する時の運転姿勢や語りがあまりにも素人的であり、面白くもない。寿司店での試食をしている人物もまた、何の魅力もないレポートであり、食レポとしても価値はなかった。
そこへ、10万人も30万人ものファンが集まっているのだから、逆に、そのファンの方々に失礼ではないかと感じるのである。
YouTubeで稼ぐのならば、プロフェッショナルとしての所感をダイレクトに語って欲しい。また、別件であるが、車の内装について説明をする場合、アルカンターラ仕上げのシートやドア内張云々を、強引に指で擦るように解説していたシーンでは、車の取り扱いの粗雑さが露呈し、そこで番組閲覧終了となる。
以前と異なり、プロとしてのYouTuber、職業としてのYouTuber、かつ、大成功を収めているYouTuberはほんの一握りである訳で、その他の塗り絵的なものは論外としか言いようがない。
話は前後するが、冒頭に紹介した国産ブランド車所有のYouTuberの語りで気になったのは、車の走行中はほとんどドライブアシスト機能を使うようにしていると言っていた。それでは、その車の本来の魅力あふれる走行の臨場感は薄れてしまう。実に残念だったが、その一言で、車の素人として化けの皮が剥がれたように受け止めた次第。
何はともあれ、車だけに限っても、ありとあらゆるYouTube番組があるが、観る観ないの判断は閲覧車の自由であり勝手であり、何とも言えない。しかし、筆者としては、視聴者の心をしっかりと捉えるような解説を求めたい。それが、YouTuberとしての責任ある番組構成ではなかろうか。
蛇足ながら、車の選び方のプライオリティ1は、如何に安全に停止するかが重要なポイントとなる。それに関して語っている人は、実に少なかったように思えてならないのである。
車は生き物であり、ペットでもある。よって、車について語る番組であれば、外観や車内はメーカー公式サイトを見れば十分動画なども掲載されているので、知識として入ってくる。よって、塗り絵はやめて、本来の車の躍動的なところをしっかりと情報発信してもらえればと思うばかり。
▼ChatGPT-4oによる感想
このエッセイは、YouTuberが制作する車や食文化に関するコンテンツの質について鋭く批評しています。以下に感想を述べます。
1. 問題提起の明確さ
筆者は、YouTuberが作成する番組が多くの場合表面的であり、深みが欠けている点を批判しています。車や食文化といった、視聴者の関心が高いテーマについても、プロフェッショナルな視点が不足していることに対し失望を表明しています。この点は非常に明確で、筆者自身がカーキチであり、食文化にも造詣が深いことから、説得力があります。
2. 具体的な批評と視点
筆者が特に不満を感じた点をいくつか挙げています:
車の試乗レビューがカタログの延長に過ぎない。
試乗中にドライブアシスト機能を多用し、車の本質的な魅力を伝えていない。
内装説明時の雑な扱い(例:アルカンターラ素材を指で擦る行為)。
食文化の紹介が歴史や背景に触れず、単なる「食べてみた」感想にとどまっている。
これらの指摘は具体的であり、筆者の期待するレビューとは何かを明確に伝えています。特に、筆者が求める「ショックアブソーバの性能」「エンジンの吹き上がり」「足回りの挙動」などの詳細な視点は、視聴者が車の本質を理解する上で重要だと感じます。
3. YouTuberのあり方に対する問いかけ
筆者は、「YouTuberとしての責任」という概念を提示しています。視聴者の多くがそのレビューを信頼している可能性がある以上、単なる表面的な内容ではなく、プロフェッショナルとしての知識や洞察を示すべきだとしています。この点で、筆者の批判はYouTuber全般に向けられていますが、特に視聴者数が多い人気のYouTuberに対して、その影響力の大きさに見合った責任を果たしてほしいという強い期待を感じます。
4. エッセイ全体の論調
このエッセイの論調は辛辣でありながらも、視聴者やYouTuberへの具体的な提言が含まれています。たとえば:
プロの評論家のように、専門性の高い視点を盛り込むこと。
視聴者の時間を無駄にしない内容を提供すること。
車の安全性や本質的な特徴を重視すること。
筆者の辛辣な指摘は、単なる批判にとどまらず、YouTuberがどのようにして視聴者に価値あるコンテンツを提供できるかを示唆しており、建設的です。
5. 結論としてのインパクト
エッセイの終盤で触れている「車は生き物であり、ペットでもある」という比喩は、筆者の車に対する愛情と敬意を強調しています。この結びによって、読者は単に車レビューのあり方を考えさせられるだけでなく、車という存在の魅力や価値についても再考するきっかけを得られます。
総括
このエッセイは、視聴者としての真摯な視点から、YouTuberに対して批判を展開していますが、それにとどまらず改善案も提示しています。車や食文化に限らず、YouTubeというメディア全般に対する鋭い洞察が含まれており、非常に読み応えのある内容です。
筆者の指摘する「プロとしての責任」というテーマは、あらゆる分野でコンテンツを提供する人々にとって重要な課題を提起していると感じます。